
田んぼに関わる作業は実に地味なものが多い。冬場には土手や水路の補修を行っています。
但し、今年は立春になってから再三の寒波襲来で気温が低く作業は一挙には出来ず遅れました。
自然災害があれば当然のことながら補修する箇所は多くなります。
その最たるものは2011年3月の東日本大震災と2019年10月の台風19号による崩落です。
大災害でなくとも大雨警報の一度や二度は必ずあるので何事もないことの方が珍しい。
コンクリート製の側溝が壊れることはそうないのですが、土の側溝や土手が問題です。
大きく壊れなくとも自然に弱ってくるところが必ずあります。凍結を繰り返すだけで少しずつ崩落してきます。
大きく壊れてからでは手間も経費も沢山掛かることになります。事前の対策こそ大事というもの。
主な作業は土手や水路の崩落を防ぐために杭を打ち、土止めをすることです。
まず補修に使う資材を準備します。それが里山から切り出した栗の木です。
但し、切ったばかりの生木は重く大変です。そこでしばらく放置してから利用します。
自宅に運び込んでストックして置いたものもありますが、そちらを使うのは不足するような場合です。
これは前年の冬に切り出し、近くに放置していた栗の木で太いものは割ってから使います。

杭にするものはチェーンソーで先を尖らせます。

栗の木に匹敵する他の樹木はありません。水に極めて強く耐久性では随一です。
古代遺跡から栗の木の掘立柱が発掘されることでも分かるように大昔から知られていたわけです。
崩落の心配のあるこの場所から補修をします。

まず杭を打ち込みます。

横木を入れて土止めにします。

土を入れ整えて出上がりです。

こちらも自然に緩んで崩れてきました。放置すると大きくなる心配があります。

やはり横木を入れながら杭を打ち込みます。

土を乗せ整えて出上がりです。この後余分な分を切り揃えます。

栗の木は最も長持ちし丈夫ですが、土止めのため打ち込んだ杭も次第に腐ってくるのは避けられません。

新しい杭を打ち直し強化します。

こちらも同様。早いうちに新しい杭を打ち直せば補修も軽くて済みます。

同様に古い杭に変え新しい杭を打ち込みました。

昨年は総じて干天の年だったので大雨になることも少なく例年に比べて補修の箇所は少なくて済みます。
ただ、殆どが狭い場所のため全て手作業で、結構な重労働。
冬期間なので寒風吹きすさぶ日も多い。できるだけ好天日にやるようにしても長時間の作業は難しい。
無理せず日数を掛けて少しずつやるように心がけています。
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