里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

ハチクが盛りも今年は裏年か

2023年06月15日 | 山菜

今、ハチクが盛りになっています。
5月20日過ぎから出始めたので、例年より数日から1週間早いでしょうか。
しかし、だらだらと発生し、なかなか盛りという感じになりませんでした。


出方が疎かった一番の原因は水分不足でしょう。
異常乾燥注意報が出ている状況で、関東以西が台風2号がらみの豪雨の際も、当地方は20㎜ほど降っただけでした。
昨年は出方が多かったので、そもそもが今年は裏年の可能性が高い。
孟宗竹のタケノコが終わるとハチクが出てきます。今年は若干の間がありました。
当地ではハチクですでにタケノコのことです。
単に筍というと孟宗竹のタケノコのことで、ハチクの場合は敢えてハチクの子とは言いません。
他地方でもそのような所は多いのではないでしょうか。
ハチクは漢字で書けば淡竹。
小生は昔から漢字の書き方を知っていたわけではありません。
当地方独自の言い方かとも思っていました。
ですから淡竹では正直馴染みません。やはりハチクと表現するしかないようです。
ハチクは孟宗竹のタケノコに比べずっと細く皮もするっとしています。


少し赤みを帯び産毛が少なく滑らかです。
採るのは非常に簡単で土を掘る必要がありません。
このように鎌で根元から刈り取ります。


出始めは竹藪の中ではなくこのように周りの竹の生えていないところに出てきます。


地下茎が浅く遠くまで伸びるためです。思いがけない所に出ることもあります。
今どきになって竹藪の中に出るようになれば、盛りと言えます。


ハチクも孟宗竹と同様に元が太いものが良いタケノコです。
採り遅れて丈が伸びてくると硬くなってきます。
少し細身ですが、この2本を比べてみます。


右の長く伸びた方は根元が青味を帯びています。こうなると硬くなってきます。


伸びないうちは軟らかいので悪くはありませんが、ボリュームがない。
やはり30~40㎝くらいが穫り頃です。これでは効率が悪い。


ただし何日か採れないようなら早めに採ったほうが間違いはない。
このように細いものは採らずに早めに倒してしまいます。


これは布袋竹。


これもまたホテイチクですでにタケノコのこと。食べられますが、細く食べ応えはありません。
少し採ってみました。まずまずのハチクです。


ハチクはえぐみが少なく、少量ならそのまま料理に使えます。
但し、纏まって穫れたときは一旦は茹でるのが普通。
孟宗竹の筍のようにあく抜きに米ぬかなどを用いる必要はなくそのまま茹でるだけで十分です。
汁物、煮物、炒め物など何にでも使え、孟宗竹より使い勝手は良いとも言えます。



夏秋キュウリの2本仕立て誘引と摘花

2023年06月14日 | 畑:果菜類

キュウリは蔓上げして半月ほど。
品種は今年2年目の「OS交配ニーナ」。
蔓上げ後は気温は高め、関東以西が大雨の時でも大した雨は降らず乾燥気味でした。
ここに来て、当地方も入梅。さすがに今度は雨が多くなるでしょうか。
現在、本葉が16、7枚と順調に生育しています。
1週間ほど手を掛けていなかったので、蔓が少し乱れています。


昨年は今頃雨が多く褐斑病が出ていましたが、今年は見えません。、
節間が詰まり、葉も小振りです。
これは品種の特性のようで、昨年作ってみて一貫してそうでした。
そもそもが雨除けハウス用の品種なので、そのような姿に育成したのでしょう。
ハウスキュウリの生産者は一様に大きな葉になることを嫌います。
夏から秋にかけネット栽培するのが夏秋きゅうりですが、仕立て方にはいくつかあります。
仕立て方は株間との関係で決まり、1本仕立て、2本仕立て、3本仕立て、半放任とあります。
共通して言えることは、夏秋キュウリは親蔓から穫るものではなく、子蔓、孫蔓と側枝から穫るものと言うことです。
我が家は昔は株間60㎝の1本仕立てでした。
現在は2本仕立て。株間は昨年まで75㎝でしたが、今年はさらに広く80㎝。
2本仕立てでは、親蔓と3~5節目から出た勢いの良い子蔓1本を主枝として誘引します。
この株で見ると、3節目以降のわき芽(子蔓)は伸ばしたままになっています。



3~5節目のわき芽のうち勢いの良い子蔓を1本残し、他は搔きます。
残した子蔓1本を誘引し、伸ばしていきます。


この子蔓の根元2、3節から出るわき芽や雌花は搔きます。
親蔓の方は6節目以降の子蔓は伸び具合を見ながら摘芯していきます。親蔓の各節には雌花が着きます。


この品種は節間が短く節成り性が強いため親蔓の各節にほぼ100%雌花が着きます。
普通は親蔓7、8節目までの雌花は全て搔きます。すでに蔓上げの時点で見えていた雌花は搔いています。
今年の現在の樹勢は想定した姿になっていますが、樹に掛かる負担を考え雌花は10節目から着けることにし、その下は全て搔きました。


夏秋きゅうりでは親蔓から穫る果実はわずか。大部分は子蔓、孫蔓からの収穫になります。
ですから、勢いの良い子蔓、孫蔓を長期間確保することが最大の課題です。
そのためにはまずはしっかり株を作ることが第一。
親蔓の下方に着いた実をみんな太らせると株は弱ってしまいます。
この3株で見ると、これが誘引前。


これが誘引後。


3~5節目のうち強い子蔓1本を誘引、他は掻きました。
全て親蔓と子蔓1本の2本仕立てに誘引し、親蔓の雌花は10節目から着けています。
全体でこのくらいの摘花、芽搔きになりました。


この程度の雌花を着けたところで、せいぜい1日2日穫るのが早くなるだけ。
先のことを考えると全く惜しくありません。
全ての株の誘引と摘花が終わりました。


気温が高く、昨年より生育は進んでいます。今月20日頃から収穫が始まるでしょう。
夏秋きゅうりの収穫期間の目標は100日以上。
昨年久しぶりに目標を達成しましたが、今年も達成したい。


良いタラの芽を採るための管理

2023年06月13日 | 山菜

山菜の王様と言われる「タラの芽」ですが、良いタラの芽を採るためにはそれなりの管理が必要です。
我が家では元々何株か自生していたタラノキを手入れし、年数を掛けて自然に増殖させてきました。
タラの芽はタラノキから吹き出す新芽ですから、管理すると言えばタラノキと言うことになります。
これが4月下旬の収穫時頃のタラノキ。


タラノキは新しく伸びた枝先に新芽(頂芽)が出来るので、それを摘み食するわけです。
タラノキの枝の伸びは早く1mくらいになります。
放置するとどんどん大きくなり、簡単には採れなくなってしまいます。
そこで、タラの芽を収穫した後は、高く伸びないよう枝を切り戻します。
ここのタラノキもすべて短く切り戻しました。
するとわき芽が生長し、このように新しい枝葉が伸びてきます。


一方、雑草も伸びてくるので、タラノキの生育によくありません。


雑草の刈り払いをします。


ヘタをするとタラノキまで切ってしまうので、多少雑草が残るのはやむを得ません。


タラノキは地下茎で繁殖します。
古くなった木は、このように次第に枯れる場合があります。


しかし、その代わり地下茎から新しい芽が伸び出し世代交代してくれます。


この新しい芽は小さいので除草してやることで生育も良くなります。
今年はさらにタラノキが繁殖してくれるでしょう。
こちらは数十本のタラノキが群生化しているところ。


これが4月下旬タラの芽が出た頃のもの。


毎年新しく1mくらいは伸び、その先にタラの芽ができるので、放置すればこんな風に採りやすい姿にはなっていません。
今年もタラの芽を採った後に、間もなく切り戻しました。
わき芽が伸び出した状態です。


雑草が伸びてきたので刈り払いました。タラノキが混んでいるので少々やりにくい。


実はこの場所は普通の下草はあまり生えません。
一番が篠竹です。篠竹が伸び出すのはこれから。その篠竹刈りがメインの管理になります。
このようにタラノキの主な管理は、収穫後の切り戻し剪定と雑草の刈り払いです。

縮み雪菜がターサイより優勢か

2023年06月12日 | 畑:葉菜類

今年初めて春播きで作っているターサイと縮み雪菜。
ともに4月7日の種播きで、バラ播きです。
5月半ばから間隔を広げながらの間引き収穫を始めました。
まだまだ穫り頃と言っていいでしょう。
種を播くときにリーフレタスと重複して播くという大失態を犯しましたが、今では気にならなくなりました。
種播き後から不織布のべた掛けをし続けています。


大きく盛り上がっていますが、幅広の不織布なので大丈夫です。
今剥ぐと虫の集中攻撃に遭うので剥げなくなりました。
こちらがターサイ。


当初はターサイと縮み雪菜の区別が殆どつきません。
今はターサイらしい葉の特徴がハッキリと現れています。


株の間隔が広がり春播きでも肉厚で葉の縮みが出ています


ただ、混んでいたせいもあり、揃いはイマイチです。


もちろん冬場のターサイのように地べたに這うようなことはありません。
こちらが縮み雪菜。


生長し、ターサイとはハッキリと違いが現れています。


葉に光沢があって細かい縮みが沢山出ています。


ターサイより揃いが良いようです。


縮み雪菜はターサイの変異株から育成されたと言われています。
したがって、揃いや見栄えも改良されているのかもしれません。
今の時期ターサイを作っている人は殆どいないでしょう。当然店にも出回っていません。
しかし、縮み雪菜は当地方のスーパーに今でも普通に出回るようになっています。
しかも単に雪菜で通っています。
小生も縮み雪菜がやはり優勢かと認めざるを得ないようです。
こちらはミズナ。


助っ人は熱心に穫っているものの、次第に大株になり減りません。


これまでこの時期の青菜としては小松菜などを作っていましたが、縮み雪菜の方が食感や旨味で優るようです。
例年なら今頃は春ハクサイを穫っている頃。今年は種が入手できず青菜を何種か作ることになり、新たなことが分りました。

春ダイコンが穫り頃

2023年06月11日 | 畑:根菜類

春ダイコンが穫り頃になっています。
種を播いて約2ヵ月。少々早めの5月末から穫り始めました。
種播き後、マルチの上から不織布をべた掛け。


べた掛けは1ヵ月余り、幅広の不織布なのでダイコンの葉で持ち上がってからも掛けていました。
品種は「春の都」と「新春蒔総太り」の2品種。
今年は欠株もなく、よく揃っています。


昨年は「新春蒔総太り」は初期の生育が悪かったのですが、今年は良好です。
何れも青首で、トウ立ちのしにくい晩抽性品種。


トウ立ちの気配は全く見られません。
不織布のべた掛けもそれなりの効果はあると思います。
昔のように無理な早播きもしなくなり、気温が高い今年なら当然とも言えます。
先に穫り始まったのがトーホク種苗の「春の都」。


例年太りが早く、今年は気温が高いためより早まったようです。


収穫開始は早めにしないと穫り遅れのものが出てきます。今年のように生育が良い場合はなおさらです。
種播き後50日くらい、やや細身のうちから穫り始めました。
今は尻太りもよく、ちょうど穫り頃になってきました。青首も綺麗です。


こちらが「新春蒔き総太り」。


昨年はどういう訳か生育があまり良くありませんでした。
今年は順調で、一見「春の都」と区別がつきません。
しかし、よく見ると葉の色が濃く葉の切れ込みが細かいように見えます。
順調に太っているようです。


これが初めての収穫。


「春の都」よりは太りが少し遅れますが、姿は良い。数日経てば「春の都」と遜色ない姿になりそう。
洗って比べてみました。右が「春の都」、左が「新春蒔き総太り」。


ともに姿は良い。一回り「春の都」が大きいように見えます。
収穫する上ではこのくらいのずれがあった方が収穫期間が長くなり良いかもしれません。
春ダイコンも青首全盛の時代となりました。
大根おろしで食べても瑞々しく甘い。かつての細身で辛い春ダイコンのイメージはすっかりなくなりました。