駐在中に部下だった者の披露宴に招かれ、10ヶ月ぶりに上海を訪れた。
上海の虹橋空港から市街に向かう延安西路は、駐在中の出張帰りによく通っていた道だ。
一仕事終えてホッと家路に向かう安心感を感じていた街並みに、同じ気分が蘇ったよ。
さて今回は3泊の宿泊。
中日の夜が披露宴なので、前後の2夜と昼は空いている。
そこで初日の夜は数少ない中国人の友人に会うことにしていた。
場所は上海で一番のお気に入りの外灘3号にあるNew Height
前日の夜に連絡したにも関わらず、友人は二人で駆けつけてくれた。
歳はかなり下で息子/娘であってもおかしくない彼らだが、いつも良くしてくれる。
昨年の帰任時にもそうだったが、今回もそうだった。
嬉しいね、こんな中国人もいるんだよ。
<二日目>
披露宴当日、迎えの車が来る3時までは暇な時間。
今回のホテルは錦江飯店で、以前に住んでいたアパートには比較的近い。
そこでブラっと散歩し、以前に行っていたカフェで昼食を摂ったりしてマッタリとした時間を過ごす。
しかし暑い。
30度近くあったのではなかろうか。
3時の送迎車に乗り込んで向かったのは、上海郊外にある松江地区というところ。
ここで披露宴が開催される。
会場に着いてしばらくすると新郎新婦が到着。
新郎と久しぶりの挨拶を交わし、新婦の綺麗さに驚きつつ、席について開演を待つ。
・・・???・・・
開演は5時からと聞いていたが、それを大きく回っても一向に始まる気配がない。
新郎新婦は相変わらず会場入り口で来客への挨拶を続け、席には半分くらいが着席。
タブレットで動画見てる娘や新聞読んでるオヤジやら・・・
そして服装は皆とてもラフ。 ネクタイしてるのは新郎とNoriの二人だけだったし・・・
そうこうしていると、各テーブルではバラバラに飲食がスタートしている。
「こんなものか?」と、我々日本人中心のテーブルもそれに習うことにした。
開演予定を1時間過ぎた辺りだったか、
パパパパ~ン♪ パパパパ~ン♪♪♪ と ウェディングマーチが鳴り響いた。
「お、ついに来たか」
と全員が注目すると、新郎新婦が下手から真ん中通路を静々と ・・・ エ?
普通にスタスタと歩き通して(手くらいは振ったが) 一般席にストンと座る。
挨拶、ケーキ入刀、指輪の交換、雛壇、etc.・・・ 一切なし?
その後新郎新婦は各テーブルを回って挨拶はしていたが、全くイベントらしきものはない。
あったとすれば、出席者に新郎がタバコを勧め、新婦がそれに日を点けるという習慣くらいか。
右は新婦の父親
ウェディングケーキも会場に置かれてはいたが、しばらくすると店のスタッフが下げていった。
「まさかなぁ?」と思っていたが、予感は当たった。
既にカットされたケーキが各テーブルに配られたぁ。
しかし日本人としては何か欲しいところ。
主役をステージに上げてワイワイと記念写真撮ってりゃ会場も盛り上がるだろうと思ったんだが、
集まってきたのはガキ お子様達だけだった。
2時間ほど経つと、満腹になった参列者から思い思いに帰りだす。
ん~ これが Chinese Style なのだろうか?
「これでいいのか?」が 日本人テーブルの正直な感想だった。
まあとりあえず、 「おめでとう」
<三日目>
披露宴の後に上海市内に戻り、その後2軒の飲み屋を梯子したNoriは二日酔い気味。
それでも天気がいいからと外に出てみたが、なんと今日は気温が32℃まで上がる夏日らしい。
相変わらず上海には春と秋はなさそうだ。
田子坊で昼食後、2年半の滞在でKazuが行く機会かなかった東方明珠電子台に登ってみた。
ここの透明の床はNoriのお気に入り。
この浮遊感覚がいいんだよね~
しかし、ここはウルサイ。
昨日まではなんとか煩さも通行人のマナーの悪さも、
「アッハッハ~ そうそう こんなだったな~」 と笑っていられたけど、
さすがに今日くらいになると 「イラッ」 としてしまう。
どうやら3日くらいが限度のようだ、この国は。
夕方は今回最後のイベント。
駐在中に気のあった会社仲間と、同じアパートで知り合いになった人と、日本人だけの食事会。
東平路の滴水洞は以前からお気に入りの湖南料理店だ。
辛いんだけど味がある、そして高級店が多いこの通りにしてはリーズナブルな値段。
この店に気軽に来れなくなったのは上海で一番の心残りなんだよね。
写真は撮り忘れたけど、楽しい夜を過ごさせてもらいました。
こんな感じで、久しぶりの上海は過ぎていったのでした。