先週の土曜日、小田原ガイド協会の総構ツアーに参加してきた
定員9名の小グループで、700円/人のリーズナブルなツアーだ。
「ところで総構(そうがまえ)って、何?」 って人が、ちょっと前の Nori を含めて大半だろう。
詳しくは こちら を参照ください。
簡単に言うと、城だけでなく城下町全体を囲う防壁だ。
更にその内側には、三の丸、二の丸、と防護壁を重ねているので、総構はウォールマリアと思って頂ければよろしいかと。
総構の全体像は総延長 9km に及ぶ
今回のツアーはその北西部分を歩き、この区間は自然の地形を利用した土塁がメインだ。
右から攻めてきた敵兵は堀底に落ち、土塁上からの攻撃に為す術なく射られてしまうという仕掛けだ。
これで上杉謙信や武田信玄を撃退し、秀吉さえも力攻めはできず包囲戦をとるしかなかった。
さて、ツアーは10時に小田原駅をスタートするが、そこですぐにガイドの豆知識が炸裂する。
小田原駅西口には北条早雲の小田原城攻めの象があり、牛の角に松明を灯して突進させた逸話を表している、が
ガイド曰く
「角に火を点けられると牛は怖がって前に進みません。 本当は角に刀を付けて、尻尾に火を点けたんですよ」
ん、納得できる。
駅から少々登って最初のポイントは 山の神堀切
堀切とは敵兵が攻め込むルートを断つ目的で、尾根をスパッと切り取った部分のこと。
人が立ってる場所が堀切で、右へ落ちる部分が外敵返しの斜面なんだね。
この斜面のすぐ先に秀吉側の旗が乱立して、夜には鉄砲の音で威嚇してたらしい。
稲荷森
切り立つ斜面にうねる堀。こりゃあ守り側が断然有利だ。
以前は竹藪に埋もれていたらしいが、今はきれいに整備されて当時の威光を見せている。
途中で素敵な廃屋が
この廃屋辺りは道が直線に敷かれている。
桜の馬場 と呼ばれ、北条氏時代に馬の訓練場だった場所なそうだ。
ここからは今回のメインとなる3本の小峯御鐘ノ台大堀切が続く
西堀
多段の複雑な構造が面白い堀。
比較的近年の2017年に一般公開されたようだ。
中堀
今は一般道となっているけど、面影は充分偲ばせるね。
東堀
総構と言ったらここの画像が一番使われているだろう、保存状態がよくてアクセスもいい場所。
ここで上から攻撃されたらたまったもんじゃぁないね。
しかしここを含めて今まで見てきた堀は、土が堆積して当時よりもかなり浅くなっているらしいが。
東堀の横矢掛
堀をシケイン状に曲げ、敵兵のスピードを落とさせて矢を射る仕掛けだ。
やられるほうは絶望的な気分になっただろう。
ここでなぜかふと「昔の人は生きることにとても真剣だったんだろうな」なんて思ってしまった。
この先は急に一般道に出て、昔から現代へいきなり戻ってきたような気分にさせられる。
いやぁ 面白かったな。
自分で地図を片手に回ることもできるけど、それでは知れないことを聞けることがいい。
このガイドツアーは他にも数種類あるようなので、是非そちらも試してみたくなったところだ。
ツアーは2時間半ほどで終了し、解散地点の小田原城では藤が盛りだったよ。