けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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婦人科系下腹部の痛みなど

2007-01-06 07:27:48 | 婦人科系疾患
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)というのあるのですが。これは虫垂炎(盲腸のこと)を散らす薬としても使えます。
虫垂炎は始め鳩尾(みずおち)から痛くなる場合が多いです。これがただの腹痛かどうかを調べるにはまずおへその上の辺りをゆっくりと押し込んで、しばらくとめてから、急に手を離します。そうするとおなかがぷるんと振動するわけですが、このときに痛みがズキッと走ったらたぶん虫垂炎になっています。これをブルンベルグ徴候といいます。そしていたみがだんだんとしたに下りてきておなかの右下にくると典型的な虫垂炎です。
もちろん虫垂炎は当然医者にいって治療するもので、生兵法は危険です。
しかし、虫垂炎かどうかわからないけど、プルンベルグ徴候みたいなのがある。すぐには医者に行きたくないというときは、この大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう、あるいは大黄牡丹湯(だいおうぼたんとう)を飲んでみるのもいいでしょう。これを2時間おきくらいに2-4回飲むとたいてい下痢になるのですが、おなかの悪い熱が散って、腹痛が取れます。

本日申し上げたいのは、この方剤のもうひとつの使い方であります。
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)は比較的体力があるあまり冷え性でない女性で、卵巣などの子宮付属器の炎症があったり、性交痛があったりする場合にも使えます。 生理痛があって、その血液の中にきょろきょろとした黒いゼリーのようなものが多かったり、おりものが黄色かったりするのを目標にします。

また、逆に体力があまりなくて、冷え性の女性で、生理痛がひどくて、生理中に下痢がちで腰痛があったり、性交痛や局部が潤いにくいなどで、パートナーの方を受け入れにくい状態の方の代表的な方剤として、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)があります。これは几帳面タイプでもあまりイライラしていない女性の冷え性、生理痛、不妊症などを目標によくお出ししています。
半年くらい服用して、これまで氷のように冷たかった手のひらがポカポカ温かくなった方もいらっしゃいます。
もちろん、みながみなこの方剤でよいわけではありません。あるときは匙加減を変えて、あるいは方剤自体を別のものにするなどして、ひとりひとりの体質に合った調剤をするのです。

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ご懐妊!お灸の威力

2006-12-29 02:00:37 | 婦人科系疾患
ご懐妊!お灸の威力

今月は3人ほどめでたくご懐妊された患者さんがいらっしゃいました。
何故かわからないが妊娠しない方、生理の期間が異常に長くて時々排卵がない方、極端な冷え性の方の三人です。
もちろん鍼灸と漢方薬の処方はしておりましたが、これらの方々に共通するのは「ご自分でお灸をしていた」ということです。
それもたったの一箇所「三陰交」です。使ってもらったのは「せんねん灸」とか「長生灸」などと呼ばれるインスタントのお灸です。
このお灸を始めると、間違いなく生理の痛みが軽減されます。自分でからだを可愛がれば、必ずよい結果が出るというよい例でした。
また、40代で生理がとまった方には、インスタントではない米粒大の直接灸をすえてもらいましたところ、これば熱くてかわいそうだったのですが、2週間ほどで生理が始まりました。お灸のすえ方は前回の婦人科系の項をご参照ください。
興味がある方は是非やってみてください。
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婦人科系の自宅基本治療、三陰交のお灸

2006-11-27 11:46:40 | 婦人科系疾患
婦人科系疾患の患者さんはたいてい、A)貧血タイプでからだを温める力が不足しているか、B)瘀血(オケツ)タイプといって血の巡りが悪くなっているために、特に下腹部のめぐりが悪くなっていろいろな症状がおきているタイプに分けられます。
簡単に見分けるには、ディズニーのシンデレラ姫を思い浮かべましょう。
細身で色白で可憐なタイプがシンデレラですね?このような方は貧血タイプです。

そしてシンデレラを助けるメイドさん(確か心の優しい妖精が化けていたと思いましたが、、)タイプが瘀血(オケツ)タイプというわけです。がっちりとしていて力持ちでガンガン洗濯ができて、、愛嬌があるあのキャラクターです。
もちろん典型的なタイプもありますが、この2種類のC)複合タイプもあります。

ご自分で判断されるのもよいですが、心が優しくて正直なご主人やボーイフレンドに判断してもらいましょう。恨みっこなしで、、、その彼がAといったら愛されていて、Bといったら正直でいい人で、Cといったら彼は優柔不断だなどと決め付けないで素直に聞いてあげてください。

瘀血(オケツ)はこのほかに交通事故や、腹部の手術、長年の格闘技などでからだにつよいショックを受けた方々にも発生いたします。

鍼灸治療も漢方薬治療も必ず体質改善を行いながら、必要であれば個別の病名に対する治療もいたします。今回は自分でできる治療として三陰交(サンインコウ)のお灸のお話をいたします。

三陰交(サンインコウ)の場所は足の内側の踝(クルブシ)の真上3寸で、すねの骨のやや後にとります。
この3寸というのはご自分の手の幅で、だいたい人差し指の付け根から小指の付け根までの距離です。
場所がわかったら人差し指の指紋のところで軽く触ってみると、ああこれが穴(つぼ)だなという感じがするものです。もっと詳しいとり方はインターネットで調べてみてください。いろいろな説明を見ることができます。

ここにお灸をします。毎日1回1壮から3壮づつです。お灸は1壮2壮と数えます。
夜寝る前がよいでしょう。ただしお風呂上りは特に熱く感じますので要注意です。
ここではインスタントのお灸を紹介しておきます。そこがシールになっていてライターで点火するだけなので簡単です。本式のお灸の仕方についてはいつか回を改めてお話したいと思います。
http://www.sennenq.co.jp/
このレギュラーがよいでしょう。ほかに長生灸とか釜屋ミニとかいろいろなブランドがあります。
いわゆるレギュラーといわれる商品があまり熱くなく、跡も残らず、或いはやめたら2-3週間で跡が消える程度の強さです。また、お灸をするときは必ず水を張った灰皿などを用意しておきましょう。消えたと思ったお灸でも必ず水につけて消化をしましょう。

穴(ツボ)はいろいろありますが、目移りしないで左右の三陰交(サンインコウ)一穴を毎日毎日せめましょう。
婦人科系にはこれが一番効果があります。
これは少し特別な例ですが、ある冷え性と肩こりの30代半ばの女性が毎週来院して鍼灸治療を受けていました。彼女はここのお灸をした後に両足が温まって気持がよい、肩こりも軽くなるということを体感し、それがうれしくて毎日頑張ってお灸をすえていました。4ヵ月半ほどたった頃、脈を診てみると妊婦さんの脈になっています。
その話をすると「絶対にそんなはずはない」とのこと。彼女は以前3年以上西洋医学の不妊治療を受けて効果がなく、医者には無排卵月経だと診断されてとてもつらい思い出だったので、私の最初の問診の際に話さなかったとのことでした。

先ずは尿検査をしてもらったのですが、陰性、、、彼女は少し気を悪くされたようです。しかし、その一週間後にもまだ妊婦さんの脈がでているので、とにかくだまされたと思ってもう一回だけ検査してとお伝えして治療を終わりました。これで妊娠していなかったら私はこの患者さんを失ってしまったな、、、と思っていたところ。
翌日彼女が駆け込んできて、「妊娠してました!!!」とのこと。本当にうれしい思い出です。
それからもこの三陰交のお灸を続けてもらって、臨月近くには逆子の防止と、安産のために足の小指にある
至陰(シイン)というツボにお灸をして、その後彼女は無事にかわいい女の子を出産されました。
お灸が無排卵月経を飛び越えて安産までいった例です。

正式な体質改善はちゃんと鍼灸や漢方薬の専門家に体質の変化に応じた、「さじ加減のある治療」を続けてもらいながら行うことが大切です。
しかし、このお灸は婦人科系に絶対的な効果がありますので、是非やってみて、そして継続していただけたら幸甚です。からだは毎日こつこつ可愛がったら、必ずこたえてくれます。


漢方薬の場合は例えば、貧血タイプは当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、オケツタイプは先ず桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)でオケツを処理してから冷え性の強い方は当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)、イライラが強い方は抑肝散加陳皮半夏(ヨッカンサンカチンピハンゲ)、不妊症や流産の後などは温経湯(ウンケイトウとよみます)などを一人一人の漢方的診断をしてから使い分けます。もちろんこれば一般的な例でさじ加減や、体質の変化に応じて方剤(漢方薬の組み合わせ)を変えてゆくのです。
詳しくは後日のブログでお話したいと思いまあす。


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