けい先生のつぼにくる話

はりきゅう漢方の先生が教えてくれる健康に関する話
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五蔵(臓)の中の肝について (つづき)

2008-09-30 16:15:57 | 東洋医学全般
前回は、肝の「蔵」と「経絡」という表現の意味を述べ、これらがそのまま解剖的な意味での肝臓とはちがうということをお話したかったのです。

さて、肝の「蔵」は血を蔵している、特に夜になってそこまで必要でなくなった血(ち、けつなどと発音します)をその経絡が集めてくると申し上げました。

時として、
1)その血の中の水分が減ってしまう場合

2)それが長く続いて、血の流れ自体が悪くなってしまう場合

3)そして血自体が減ってしまう場合が人体に起ると、病の決定的な原因となるのです。

今回は1)の血の中の水分が減ってしまうことについてお話を致します。

人間関係で激怒したり、大酒を飲んだり、目を酷使したり、風邪をちゃんと治さなかったりなどの精神的或いは肉体的ストレスによって、血の中の水分が減ってしまう場合があります。

東洋医学では体内の水分を津液(しんえき)とよんで「津」を汗などのさらさらした液体とし、「液」をそうはない粘液様の水分としています。

本来生暖かい体内の、特に肝の血の中の液体が減ると、血事態は通常よりどろどろした状態になり、そのために「熱」が発生いたします。この様子を想像できますか?

この体内の何かが減った状態を虚実(きょじつ)で表せば虚といえます。
そして、この場合、津液が虚したために発生した熱を虚熱(きょねつ)といいます。熱はその性質から、上昇するようになっておりますゆえ、この虚熱が胸に上れば不整脈、頑固なセキ、目に上れば白内障、緑内障、疲れ間目、頭に留まれば不眠症、怒りっぽくなる、潔癖症になる、強迫神経症などの原因になります。
その虚熱が頭部に多く留まりすぎたときは、脳卒中などの脳血管障害の原因となります。また、この虚熱が腰にたまれば、ぎっくり腰などの腰痛症などがおきることがあります。

特に肝の「経絡」は足の親指の内側から始まって、内腿を通り、生殖器に絡んでから、肝と胆を通り胸を廻って一部は目に抜けてもう一部は頭頂部に抜けています。
ですから、「肝」絡みの病はこのどこで起っても不思議ではありません。
「経絡」は目には見えませんが、間違いなくその各々が属する蔵と呼応して、体中をめぐっているのです。

この状態を東洋医学では肝虚陰虚熱症(かんきょいんきょねっしょう)といいます。
問診をしたときに、「最近イライラして、腰が引きつって、目が乾くような気がして、頭の鉄片が痛いです。生理痛もひどく、無排卵月経です」などとおっしゃる患者さんがいらっしゃって脈診、腹診などをしてみると、確かにそのような脈やお腹をしているようなら、肝虚陰虚熱症(かんきょいんきょねっしょう)として治療を行うのです。

そうすると、病名がどれであっても、この肝虚陰虚熱症(かんきょいんきょねっしょう)が治ると、病自体の存在理由がなくなってしまうので、どれもが治ってしまうのです。

このようなときの代表的な漢方薬が、「抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)です。
鍼灸治療では例えば、曲泉(きょくせん)と陰谷(いんこく)を痛みを感じさせないような、気力を補うような手技で行います。

もちろんこれに、交通事故にあったことがある、流産したことがある、昨日歯を抜いた、痔がある、よく足がつるなど個別の症状や過去の出来事がある場合は、漢方薬の匙加減をしたり、使う経絡やそのツボの種類が変ってくるのです。


日本伝統鍼灸漢方
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中山国交相がいきなり辞めてしまった。。。。

2008-09-28 03:45:28 | 國を思う
中山国交相。私は彼のことはぜんぜん知らないのだが、

「国旗・国歌を教えず道徳教育にも反対している日教組を解体する、ぶっ壊す。その運動の先頭に立ちたい」と強烈な日教組批判をぶち上げた勇気に感服いたしました。

その後すぐ辞めてしまうことになったのは、どういうわけでしょうか?
二通り考えられます。

ひとつは中山大臣が弱すぎた。

もうひとつは日本における日教組は大規模なカルト集団に近い政治的圧力をかけうる危険な団体と化していて、有無を言わさず中山大臣を辞任に追い込んだ。

私は後者の方ではないかと睨んでおります。
いずれにせよ、中山大臣の発言は「日教組の教育は日本人としての矜持を無視した教育である」ということを公の人々に再認識させた快挙であると考えています。

今後の有識者の発言と行動に期待しております。
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五蔵(臓)の中の肝について (怒りを散らす。。の続き)

2008-09-19 03:16:50 | 東洋医学全般
これに似た内容は、いぜん柴胡剤(さいこざい)と題したシリーズに書いております。今回はそのメカニズムについてお話したいと思います。

東洋医学では肝心脾肺腎を五臓といいます。これは東洋的な意味での臓とそれに付随する経絡と呼ばれる氣血(きけつ)の流れるルートが正常に機能していることが健康体であるひとつの根拠になります。

この五臓は東洋哲学でいう、五行という概念の木火土金水と対応しています。


東洋医学の説明はこの東洋的な意味での「肝(かん)」はその肝自体とそれに付随する経絡でワンセットと考えます。だから、敢えて肝の臓ではなく「蔵」とかかれる場合があります。この蔵と経絡のコンビネーションが大切なのです。その多くは陰陽のペアで活動しています。五行では木に相当します。

この木の性質は自然界の動きでは、「春の動き、働き」をあらわします。人体においては、肝の「蔵」の方の作用を表して、まるで春に木々が芽生えて大きく外に向って伸びてゆく、発散してゆく作用をつかさどっています。この機能は主に日中に発揮されます。肝は目の機能をも司ります。そして、この自由闊達に発散してゆく機能にかげりが見え始めると、病になるわけです。

肝は夜になると、発散ではなく、主に血をその「蔵」の中に貯蔵するといわれています。(肝蔵血、肝は血を蔵するといいます。)
肝に蓄えられるだけの血が、昼間の発散作用とは逆の経絡の働きによって体中から集められます。そうすると目が自然に閉じて、ゆっくりと眠りにつくことになるわけです。

朝になって、世の中に陽の気が多くなってくる時間になると、こんどはまた肝の発散作用が始まって、自然に目が開いて、楽しいいちにちが始まります。

この肝の「蔵」とその「経絡」のバランスと血の状態が大切です。

次回はこの「血(けつ)」についてお話します。


日本伝統鍼灸漢方


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河野洋平の大罪

2008-09-19 02:35:02 | 國を思う
河野洋平衆議院議長が引退を表明しました。

いわゆる河野談話が日本に与えたダメージ(クリックしてください)には計り知れないものがあります。

本日の産経ニュースから抜粋しますと:河野氏自身も、9年に自民党の議連会合で行った講演で「『本人の意思にかかわらず連れてこい』というような命令書があったかといえば、そんなものは存在しなかった」と述べていた。
 にもかかわらず河野氏は18日の引退会見で、「今も極めて重要な談話だったと思う」と語ったように、談話を正当化する姿勢を崩していない。

この件は私の拙文よりも、上記をクリックして頂いたほうが、良くわかると思います。是非クリックしてください。

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怒気を散らす   アルツハイマー症と抑肝散  

2008-09-09 00:29:02 | 東洋医学全般
先日衛星放送で「試してガッテン」という番組を見た母から、「アルツハイマーで急に怒りっぽくなって施設に入れられていた女性が抑なんとか散とか言う漢方薬で、退院できたそうよ」といっていました。彼女は大正15年(昭和元年)81歳です。

母とはよく健康関連の話題であらそいになります。
母は自分が若い時分に結核をやって片肺なので、やたら健康雑誌や、インターネットの健康欄を読みまくっているので、一種の健康オタク的なところがあるのです。
しかし、私から見れば「シロウトがリクツこくんじゃねーよ」みたいな気持ちがあるわけです。

健康雑誌の「、、、、をしたらあっというまに、、、」「長年苦しんだ、、、がたったの1週間で、、、」「劇やせ!、、、健康法!」。。。。。。。的な表現は好きではありません。
人様の病がそんな簡単に完治してたまるものかい!(でも、偶然その方にぴったりとあった健康法がみつかったのなら、それはそれでたいへんよいことなのですが。。。。)

しかし今回の話題ではある「怒気を散らす」ということでは、ある種の体の状態では、この「抑肝散(よっかんさん)」が大変よいということは事実であります。

この抑肝散は陳皮(ちんぴ)と半夏(はんげ)を加えて、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)として出される場合が多く、当診療院ではベストセラーの漢方方剤です。

もちろん抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)イコールアルツハイマーの薬と考えるのではありません。

たまったストレスや、飲みすぎや、アルツハイマーや、細かい仕事をしすぎてたまった体の熱が起こす、イライラ、めまい、腰痛、肋間神経痛、不眠、高血圧などに使えるのです。

次回はこのメカニズムと、どのような方にこの漢方方剤が適応するかをお話したいと思います。

日本伝統鍼灸漢方

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4-5年ぶりのリベンジ! ざまあかんかん!!

2008-09-08 16:25:36 | 雑記
4-5年前のことです。

近所の白人系の若い者でビクター君というのが、かなりの大男の暴れん坊で、よくドラッグに手を出して大騒ぎをしていました。ある日、私の家の前であまりにうるさくしているので、注意をすると、ものすごい力で大暴れを始めました。
まあ、ご近所さんだし、暴れっぷりがいいので私はこの若者が嫌いではなかったのですが、私は急に腕をねじ上げられそうになったので、ちょっとばかり取っ組み合いというか、がっぷりと組み合ったことがあるのです。

こういう風につかまってしまったときは、相手も素手でしたので、絶対に殴らずに、あせらずに組み合って、人が集ってきて止めてくれるのを待つのが安全な方法です。

このときなのですが、どういうわけかいきなりご近所さんだという、白髪の白人のおばさんが現れて「悪いのはこの中国人です。卑怯なんだよ!私が証人になるからね!」「ビクターは私の友達の子なんだからね!悪いのはこの男よ!先に手を出したんだよ!」と大変な剣幕で批判をされました。

「いやいや!この子がドラックで暴れてたし、先に組み付かれたんだよ!私は手を出したりしていない!それに私は日本人だ!」というと、「まあ、私は見てたの、あなたが先に手を出したの!まあ、日本人なの?日本人は中国人よりもましだと聞いていたけど、あなたは最低なの!みなさん!この日本人が悪いのよ!」とねじ込まれて、集ってきた群衆に「悪いのは私だ」ということにされてしまいました。ビクター君はなにやら気がついて、いつの間にかいなくなってしまいました。そして結局、悪いのはこのアジア系のおやじということで、白い目で見られてしまいました。

あの時は自分の英語力の低さゆえに、きちんと主張できない悔しさと、不利な状況を作ってしまった自分のとろさを呪ったものです。また、ビクター君はまだしも、この正義感ぶって、口を出したくて仕方がないこの知らないおばさんに、血圧があがるほど腹が立ったものでした。

ありがたかったのは、その後、だんだんとこの白人女性の狂気性が近所の人に知られることとなり、誤解されていた私の立場もぐんとよくなりました。

ちなみに下手人であったビクター君は、ちゃんと更生して今は一児の父親です。エアコン技師になって、立派になっております。それに何度かけんかで痛めたらしい腰や肘の治療をしてやってからは、「おじさん!なんかあったら俺にいってくれよ!力になるぜ!」と大きな拳を見せてくれます。いい感じのつきあいになっておるのです。


さて、今日は日曜日。たまたま近くのマーケットに行ったら、そのおばさんが警官に囲まれて職務質問をされていたのです。なんかやらかしたようです。私の中で風化されていた記憶がふつふつとよみがえってきました。。。。。。


そこで状況の観察をしっかりと行いました。

今日は日曜日だし、このおばさんは近所に住んでいるので、彼女のいでたちは、寝巻き風のジャージに白髪はしっかりと寝癖が付いています。観方によっては、ちょっと狂っている白人のおばさん風でした。

警官の方は3人で、白人女性と黒人女性とアジア系の男性でした。
そして、私の服装はちゃんとしたシャツを着て、一見良識のあるアジア系の紳士?とはいえませんが、まあ、きちんとした感じのおやじですね。

ここで私の脳裏に悪魔のアイデアが!!
「この状況なら誰もが私の話を信じるはずだ!今回は私の方が有利だ!」


私は警官達に歩み寄り、「この女性が悪いとおもいます!この女性は私たちのストリートでトラブルメイカーとして有名なのです!私はこの方に差別されたことがあります!私の名前はクロタニです。」とあくまでも紳士的に述べました。

おばさんはそれを聞いて逆上、逆上、逆上!「なんで!私が?!この中国人だれ?!」まさに「ぎょわえええっーーー!!」という感じで大騒ぎです。
私は「ほーら!見てください!私たちは困っているのです!この女性がやりました!」
私も「実は彼女が何をやったか知らない」のですが、あのときに自分が彼女にやられたとおりの感じで警察官に伝えました。

彼女は即逮捕!そして、パトカーに引きずり込まれてしまいました。「なに!どうしてわたしが!」と目をひん剥いておりました。取り押さえているアジア系の警官と黒人の女性警官の顔が心なしか楽しそうに感じたのは私だけでしょうか?

ざまあかんかん!!

私は悪魔なのだろうか。。。。。。。。
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