陰陽これまでにお話してきましたのは、陰陽観(いんようかん)、三才観(さんさいかん、天人地を観ること)五行観(ごぎょうかん、木火土金水の属性で観ること)そして、易経の世界でよくつかわれる八卦(はっか、「か」です。前回参照)などを使って東洋的な天地の真理、宇宙の真理をつかむ努力をすることによって、大宇宙に活かされている、小宇宙としての人体をよく理解しようという学問についてです。
もちろんこれは東洋医学だけに限らず、東洋哲学が背景にあるあらゆる学問や芸術についても、必須の学問といえるでしょう。
日本で鍼灸医学を学ぶ場合、学校のカリキュラムは厚生省に定められた、西洋的な解剖学、生理学そして病理学をかなり深く学ばせられながら、東洋医学の科目類と実技の授業を終えてやっと免許の受験資格が得られます。しかしこれらはかなりボリュームがある内容で、鍼灸資格が大学院卒業レベルと定められている、アメリカの鍼灸学校のそれよりもずっと内容的に濃いものでした。
そんな中、日本の鍼灸学校の学生は西洋的な神経医学にもとづいた、いわゆる電気針などによる痛み止めや、ハリ麻酔的な治療法に傾倒してゆくものと、やはり伝統医学だと細い鍼一本で痛くない刺激で全ての病気を治す、心意気のある伝統鍼灸に傾倒してゆく者に別れてゆきました。私はこちらの方を愛する学生でした。ハリは針ではなく「鍼」として考えていたのです。
面白いことに伝統医学を重んじる先生方にポンと渡された最初の本は、例えば題名こそ「東洋医学講座 第一巻」とあるものの、なかみはどうやって陰暦を理解するか、干支(かんし)や方位、季節を東洋的に学ぶ書籍類でした。その本には一切ツボや病名などは書いてなくて、只管(ひたすら)東洋的な自然科学の本でした。
そして次は「易経」となっていったのです。
日本伝統鍼灸漢方
もちろんこれは東洋医学だけに限らず、東洋哲学が背景にあるあらゆる学問や芸術についても、必須の学問といえるでしょう。
日本で鍼灸医学を学ぶ場合、学校のカリキュラムは厚生省に定められた、西洋的な解剖学、生理学そして病理学をかなり深く学ばせられながら、東洋医学の科目類と実技の授業を終えてやっと免許の受験資格が得られます。しかしこれらはかなりボリュームがある内容で、鍼灸資格が大学院卒業レベルと定められている、アメリカの鍼灸学校のそれよりもずっと内容的に濃いものでした。
そんな中、日本の鍼灸学校の学生は西洋的な神経医学にもとづいた、いわゆる電気針などによる痛み止めや、ハリ麻酔的な治療法に傾倒してゆくものと、やはり伝統医学だと細い鍼一本で痛くない刺激で全ての病気を治す、心意気のある伝統鍼灸に傾倒してゆく者に別れてゆきました。私はこちらの方を愛する学生でした。ハリは針ではなく「鍼」として考えていたのです。
面白いことに伝統医学を重んじる先生方にポンと渡された最初の本は、例えば題名こそ「東洋医学講座 第一巻」とあるものの、なかみはどうやって陰暦を理解するか、干支(かんし)や方位、季節を東洋的に学ぶ書籍類でした。その本には一切ツボや病名などは書いてなくて、只管(ひたすら)東洋的な自然科学の本でした。
そして次は「易経」となっていったのです。
日本伝統鍼灸漢方