日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

生存

2005年06月21日 | インポート
上流の可動堰が田植え用の水の確保のために締め切られてから、1度だけ雨が降っただけで、その後はずっとお日様が元気だ。

上流からの流下水を遮断されている、可動堰の下流の千鳥川の水は、日に日に少なくなって来ている。

水溜りと化した川の中では、その水溜りに取り残された魚たちが、窮屈そうに泳いでいる。

子どもの頃は、そのような状況になるのが嬉しくてたまらなかった。
手づかみで魚を捕まえ易くなるからだ。
年に一時期だけ、流水の中をすばやく泳ぎまわる魚よりも、魚を捕まえる側にとって優位な環境が造り出される。

子どもの頃の6月のある日に、学校から帰って、家の裏側の千鳥川を見ると、上流の堰が締め切られて川の水が少なくなっているので、喜び勇んで川に降りて魚捕りをして遊んだ。

妻を持ち、子どもができると、魚の世界にも家族があるのだろうなと考えてしまう。
窮屈そうに泳いでいる魚たちを見ていると、堰の上流の水の中に移してあげたい気持ちになる。

一雨降れば、少しは魚たちにとっても楽になるのだろうが、降りそうで降らない。
田植えをしている近所の農家の人達が、田んぼに水が溜まりにくくて困っているという話をされていた。

気象庁が、この地域も梅雨入りした模様であると発表してから、ほんの少しだけ雨が降っただけで、その後は降っていない。

水溜りに取り残された魚たちの生存も、だんだんと厳しくなって行く。

豊田かずき