川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

皇居前広場

2009-03-08 23:55:04 | 政治・社会
7日(土)
 東京都高等学校教職員組合が「自由を求めて難民として生き抜いた都立高校生の証言を聞く」会を開催するというので何年ぶりかで日本教育会館に行くことにしました。
 証言するAさんは北朝鮮を脱出してきた人で、かつて「きいちご移動教室」に参加してくれたことがあります。しかし、彼女の辿ってきた人生をぼくはほとんど何も知りません。人々の前で話すのはこれが初めての筈です。

 好天に恵まれたのですこし歩くことにしました。有楽町線の桜田門で下り、皇居前広場、皇居東御苑を散歩して平川門から一橋の教育会館に向かいます。

 桜田門付近はマラソン大会参加者でいっぱいです。その雑踏を抜けると二重橋が見える辺りは外国人観光客と思われる人がちらほらといるだけで土曜日の午後といっても閑散としています。と、いうか、空間があまりに広くてそう感じるのかも知れません。二重橋近くに一人、坂下門の前に二人、警察官が立っていますが手持ちぶさたです。

 原武史という人が書いた『皇居前広場』(光文社新書)を読んだことがあります。この広場は46万5000平方mあり、「集会用の広場としては世界最大といわれる天安門広場の約44万平方mを上回る」そうです。
 95年に初めて中国を訪ねたとき、留学中の残留孤児3世の卒業生に天安門広場を案内して貰いました。儀仗兵が国歌に合わせて(?)五星紅旗を降納する様子を見ました。広さの感覚は忘れてしまいましたが四方が巨大な建物に囲まれていたような気がします。いやでも天安門事件(89年民主化を求める学生たちを「人民解放軍」が弾圧・虐殺した)を思い、想像を廻らしたのではないでしょうか。
 
 皇居前広場には1960年受験に来たとき伯父にはとバスでつれてきて貰いました。それから何度かは来ていますがその広さに目を見張ったのは初めてかも知れません。ここで集会をやったらどのくらいの人が入れるだろうかと考えたからでしょう。三方に高層ビルが見えますが北側は皇居です。青空の広がりは天安門広場とは比較にならないようにも思われます。

 ぼくは今年に入って二度この広場で国民集会をやるべしと書きました。スローガンは。「イスラエルとパレスチナは話し合いによって紛争解決をせよ」。「北朝鮮は拉致被害者を帰せ」。
 非戦非武装の憲法の下でぼけっとしていては平和は守れません。国民の一人一人が政治意識を高め、非暴力の国民運動で自国民を守り、世界の課題に意思表明していくのが憲法の指し示す道なのです。国民の意思を結集する大集会の開催は有効な方法の一つです。
 会場に皇居前広場を考えたのは広いのと交通の便がいいということからです。何せ東京駅の目の前です。全国どこからの人でもわかりやすく便利です。今日思いがけず広場に立ってその広さを確認したというわけです。

ところで皆さんはこの広場で集会があったなどということを聞いたことがありますか?集会といえば最大の「メーデー」が明治公園や代々木公園、日比谷公園です。皇居前広場は使用が出来ない規則でもあるのでしょうか。
 調べてみるとそんなことはないことがわかります。

  国民公園及び千鳥ケ淵戦没者墓苑管理規則(昭和34・5・6厚令13)
 
(通則)
第1条  皇居外苑、京都御苑及び新宿御苑(以下「国民公園」という。)並びに千鳥ケ淵戦没者墓苑(以下「墓苑」という。)の管理に関しては、この規則の定めるところによる。
(許可行為)
第2条  国民公園及び墓苑内においては、次の各号に掲げる行為は、環境大臣の許可を受けなければしてはならない。

物を販売し、又は、頒布すること。
業として写真を撮影すること。
興行を行うこと。
集会を催し、又は示威行進を行うこと。
池又はほりに鳥類又は魚類を放すこと。
池又はほりで舟遊し、又は舟遊させること。
別に定める施設を使用すること。
(一部改正=昭46総令41)
(許可申請書)
第3条  前条の許可を受けようとする者は、別記様式第一による許可申請書を環境大臣に提出しなければならない。


 「 集会を催し、又は示威行進を行うこと」は環境大臣の許可を得れば可能なのです。
 メーデー事件以後禁止になっているのかと思ったら共産党の機関誌「赤旗」にこんな解説が載っています。
 
 皇居前広場は現在は環境省が管理していますが、許可を得れば集会ができるという管理規則はそのまま残っています。いま中央メーデーは代々木公園で開かれており、皇居前広場の使用申し込みがされていないのは、環境の変化などの諸条件を考慮しての主催者の判断だと思われます。
(出典)
「皇居前広場」が使われなくなったのは?http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-01/ftp20080501faq12_01_0.html

 「環境の変化など」により主催者が使用申請をしなくなったのだと書いてあります。「環境の変化」とはどういうことを指すのでしょう?

 いずれにしても国民の財産ですから当然のことながら集会も示威行進も出来るのです。行き詰まっている拉致問題の打開を目指して国会に議席を有する全ての政党の共催で国民集会を開くというのはどうでしょうか。「拉致被害者を帰せ」という一点に絞って国民の意思を結集し、我々の怒りを北朝鮮の独裁者に示すのです。
 戦争と戦力を放棄した国民の底力を侮ってはならないことを教えてやるのです。むかしは50万人が集まったとあります。ほんとうは100万人くらいは入れるのかも知れません。どなたかが研究して実現のために働いてくれないかな。 


 万感胸に迫る絶唱 田月仙さんhttp://blog.goo.ne.jp/admin.php?fid=editentry&eid=a7a9fe7e3616cf3cc55bd3ae3d46f6e4