ユネスコ無形文化遺産に高級フランス料理を登録
今年の秋このようなニュースが流れたときは、フランス料理に関わる人間として大変嬉しく誇らしく思いました。
また、それと同時に日本人としては日本料理もフランス料理のように地方に根付いた歴史のある素晴らしい料理なので、フランス料理と同じような評価をして頂けなければいけないのではないかと疑問にも思いました。
来年度は日本料理も同じように、、、そんな夢を抱きながら、食が日本の新しい輸出資源になってくれればとも思っています。
この洗練された日本の食文化は高度経済成長の日本の最後の産物とでも言うべきものではないでしょうか?
幸いフランス発祥のガイドブック、Guide Michelinはミシュランガイドブックは、TOKYOを世界で1番の星の付く街に選びました。
これは正直何も驚く必要もなく、日本人の食への探究心がそのまま形になっただけなのではないでしょうか?皆様もこの結果は何にも疑問には思ってないのではないかと思います。
これで僕がニースで星をとれた事がやっと言い続けてきた『日本人なら当たり前』という事を証明してくれたのはないでしょうか?
僕たちは自分たちの誇りを取り戻すべきなのだと思います。
とても洗練された食文化、そして衣食住のライフスタイルを持っているのですから、、、世界のお手本になるような安全、そして自然とともに暮らす事を知っているのですから、、、
さて、ただガイドブックの選考基準に関しては疑問にはお思いかもしれませんが、、、
自分のお気に入りのお店が星が付いてない、
とても素晴らしいお店と言われている日本の食文化を支えてきたシェフのお店が星を頂いていないなど、東京が世界で一番の美食の街には何も変わらないのですが、このような結果は少し残念ではないでしょうか?
ま、もうこの疑問は4年続いているのですが、、、
今、僕のような若い料理人が評価されているのは、これまでシェフ達が日本の食文化のレベルを引き上げてくれたからではないでしょうか?また水商売と言われていた、社会的地位の低い飲食業を、夢のある誇りある職業にしてくれたからではないでしょうか?
僕は審査員ではありませんが、、、なにか少し夢がないようで残念な気がします。
さて、その話題の2011年の東京、横浜、鎌倉のミシュランガイドブックでは、私の東京神宮前のレストランアイが見事一つ星に選んで頂けました。これで日仏制覇ではないですが両方のお店で、、、星を頂きました。
ニースのお店での経験ではこの星はパスポートのようなものなので、、、世界中からのお客様がもっとレストランアイにお越し頂けるきっかけになってくれればと思っています。
そして日本の食文化の素晴らしさを、またそれ以外の日本の文化の素晴らしさをゲストを喜ばせる事と同時に発信して行ければと思います。
僕自身としましては、春にはフランス文化省より、chevalier l'ordre des arts et des lettres 芸術文化勲章のシュバリエ(騎士)の称号、そして秋には日本酒組合より酒サムライメンバーに認定、フランスでシュバリエ、日本でサムライ
少し歴史の中に生きた一年だったようです。
そしてこの一年は本当に日仏の往復を沢山した一年でした。
14往復はしたかな?
体力的にはとてもきつかったですが、でもとてもいろんな事を見つめる事が一年でした。
移動距離がクリエイティブ力と比例すると僕は思うのですが、本当に移動中に見る光景からのインスピレーションで本当にいろんな事を考える事のできた一年だったと思います。
来年に関しては、この一年間沢山見てきて、考えた事を少しでも料理に仕事に表現していければと思います。
自分の中ではこの一年間は本当にもがきましたし、それと同時にしっかりと次のステップを踏む為の整理をできたと思うので、来年は絶対爆発しようと思っています。
過去の延長上に未来はない。だからこそ不器用に手探りで進む。温故知新で学んだ事を活かしながら時代を切り開いて行く、、、そんな決意を胸に少し早めの皆様への2010年のお礼のメールです。
本当に色々とお世話になりましたし、色々と学ばさせて頂きました。そしてこんな男を応援して頂きありがとうございました。
来年も引き続き変わらず無知という勇気を武器にやんちゃに新しい時代に飛び込んで行くと思いますので、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします。
フランス料理界のラストサムライ!?
これぐらいのインパクトを残すのが自分の使命かなと思っていますが、、、ご笑覧いただければと思います。
日本人の心を大事にしてフランス料理、日仏の文化の発展に今後も貢献して行ければと思います。