2004年から2011年まで中日ドラゴンズの監督を8年間務め、その間に優勝4回、日本シリーズ勝利、Bクラスになったことは一度もなし。輝かしい結果を残した落合博満でしたが、その独特なスタイルには毀誉褒貶が付き纏っていました。
この本は自らの監督時代を振り返りながら、その考え方を述べたものです。

発行がダイアモンド社ということもあって、ビジネス教訓的な話が多く、太字で強調したり、大きな字でそこだけ1ページに再掲したりとちょっとあざとい作りですが、言っていることは首尾一貫していて、中日黄金期を築いた落合監督の考え方がよくわかります。
その思考方法の根幹にあるのは、プロ野球の球団にとって最大にファンサービスは、あくまで試合に勝つこと!ファンが喜ぶ野球とは勝ち続けること。その信念を揺らぐことなくもってチームを指揮するのが監督なのだと。
在任中は、その独特の行動から、曰くファンサービスが足りない、マスコミ対応が悪い、スポンサーを大事にしない、面白くない野球だ、プロ野球も興業なんだからお客が呼べないと…
しかし、それは価値判断に基づき何を一番大切にしなくてはいけないかということから導き出されたこと。マスコミに言わなくてもいいことまで話し、選手の都合よりもスポンサーのご機嫌をとるようなことは絶対にしない。チームが勝つためにはどうすればいいかということから必然的に導き出されたことなのです。
自身がある意味下積みから這い上がり(大学を中退し、社会人野球の東芝に拾われドラフト3位でロッテに入っても2年間は一軍とファームを行ったり来たり)、45歳まで現役で三冠王を3回も取るなど数々のタイトルを取っているという輝かしい実績を残すまでに来ただけに、選手に対する視線は自分で考えて勝ち取らなければいけないという厳しさがある反面、意外なほど温かい。野球選手は個人事業主で、体が資本。レギュラーになるためには自分で考え自分で努力しなくてはいけない、それでも選手起用には運がつきもので、その運をうまくつかまないといけない。監督なりコーチの誰が見ているとか誰と相性がいいではなくて選手間の競争の中で結果は自然に出てくるものだと。
そこには甘えとか手抜きは許さない厳しさと、自分が伸びるための心構えがいろいろな例を出しながら具体的に書いてある。監督時代はこんなに選手に話してないと思うのだが、自分の話していたこと、行動のその心はこうなんだよと言葉が噴出している感じです。
ちなみに落合は高校、大学と野球部を途中でやめているのだが、先輩後輩の縛りがきつくて理不尽な鉄拳制裁が横行していたことが我慢できなかったのでだろう。その反骨精神が群れることを好まず一人で求道者のように深く考える習慣を作ったのかもしれない。たまたま広島の前田智徳の評伝を読んでいると同じように前田も先輩たちに振る舞いに我慢できず高校野球部をやめるとか広島をやめるという騒ぎを起こしていた。才能を型にはめようとする体育会系体質は天才を殺してしまうのですね。
それとは別に中日ファンにとっては、それぞれの選手の起用法とかあの場面はこうだったということもふんだんに出てきて、なるほどと思うし、楽しく読むことができます。
落合監督の後、地元中日生え抜きの高木監督になりましたが、その結果はご承知の通り。そうなってみると一番のファンサービスは勝つことということがすとんと腹に落ちます。今、GM落合、谷繁監督の体制で2年目になりますが、落合としては隔靴掻痒のところがあるのでは。体勢を立て直して来年こそはと思うのはファン心理ですけど落合GMの指名だと思いますが監督にいまいち不安が残りますね。まあ、落合がよそのチームの監督になるのは中日にとって悪夢だと思いますのでGMで頑張ってもらいたいものです。
それにしても嫌われ者の落合を監督に起用して自由にやらした中日の白井オーナーというのは偉かったですね。
この本は自らの監督時代を振り返りながら、その考え方を述べたものです。

発行がダイアモンド社ということもあって、ビジネス教訓的な話が多く、太字で強調したり、大きな字でそこだけ1ページに再掲したりとちょっとあざとい作りですが、言っていることは首尾一貫していて、中日黄金期を築いた落合監督の考え方がよくわかります。
その思考方法の根幹にあるのは、プロ野球の球団にとって最大にファンサービスは、あくまで試合に勝つこと!ファンが喜ぶ野球とは勝ち続けること。その信念を揺らぐことなくもってチームを指揮するのが監督なのだと。
在任中は、その独特の行動から、曰くファンサービスが足りない、マスコミ対応が悪い、スポンサーを大事にしない、面白くない野球だ、プロ野球も興業なんだからお客が呼べないと…
しかし、それは価値判断に基づき何を一番大切にしなくてはいけないかということから導き出されたこと。マスコミに言わなくてもいいことまで話し、選手の都合よりもスポンサーのご機嫌をとるようなことは絶対にしない。チームが勝つためにはどうすればいいかということから必然的に導き出されたことなのです。
自身がある意味下積みから這い上がり(大学を中退し、社会人野球の東芝に拾われドラフト3位でロッテに入っても2年間は一軍とファームを行ったり来たり)、45歳まで現役で三冠王を3回も取るなど数々のタイトルを取っているという輝かしい実績を残すまでに来ただけに、選手に対する視線は自分で考えて勝ち取らなければいけないという厳しさがある反面、意外なほど温かい。野球選手は個人事業主で、体が資本。レギュラーになるためには自分で考え自分で努力しなくてはいけない、それでも選手起用には運がつきもので、その運をうまくつかまないといけない。監督なりコーチの誰が見ているとか誰と相性がいいではなくて選手間の競争の中で結果は自然に出てくるものだと。
そこには甘えとか手抜きは許さない厳しさと、自分が伸びるための心構えがいろいろな例を出しながら具体的に書いてある。監督時代はこんなに選手に話してないと思うのだが、自分の話していたこと、行動のその心はこうなんだよと言葉が噴出している感じです。
ちなみに落合は高校、大学と野球部を途中でやめているのだが、先輩後輩の縛りがきつくて理不尽な鉄拳制裁が横行していたことが我慢できなかったのでだろう。その反骨精神が群れることを好まず一人で求道者のように深く考える習慣を作ったのかもしれない。たまたま広島の前田智徳の評伝を読んでいると同じように前田も先輩たちに振る舞いに我慢できず高校野球部をやめるとか広島をやめるという騒ぎを起こしていた。才能を型にはめようとする体育会系体質は天才を殺してしまうのですね。
それとは別に中日ファンにとっては、それぞれの選手の起用法とかあの場面はこうだったということもふんだんに出てきて、なるほどと思うし、楽しく読むことができます。
落合監督の後、地元中日生え抜きの高木監督になりましたが、その結果はご承知の通り。そうなってみると一番のファンサービスは勝つことということがすとんと腹に落ちます。今、GM落合、谷繁監督の体制で2年目になりますが、落合としては隔靴掻痒のところがあるのでは。体勢を立て直して来年こそはと思うのはファン心理ですけど落合GMの指名だと思いますが監督にいまいち不安が残りますね。まあ、落合がよそのチームの監督になるのは中日にとって悪夢だと思いますのでGMで頑張ってもらいたいものです。
それにしても嫌われ者の落合を監督に起用して自由にやらした中日の白井オーナーというのは偉かったですね。