人類が類人猿から進化したきっかけというか、人類を人類足らしめるものは、言葉?、道具?、この本によると火を使って出来る料理なのです。ちょっと信じられないのですが、実に科学的実証的に論理展開されて説得力があります。著者は人類学教授で、いい加減な本ではなくて、それは膨大な(注)と参考文献を見ても分かります。ですが研究者ではないので(注)はほとんどスルーして分かりにくいところもスルー。それでも十分理解できるし知的興奮を感じます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/41/6eefcd57225591a9dcbc90aeaef6cce4.jpg)
食物を調理せずに生で食べると消化に時間がかかります。生の食品だけで生活する実験をすると必要なカロリーは満たしているはずなのに、みんなやせて行きます。ダイエットには最適!
でもどうして痩せるんでしょう?実は調理していない生の食物を消化するには大変な労力がかかるのです。人間以外の動物は消化するためにより大きな消化器官を持ち、なおかつそのために消費するエネルギーは大きい。大型類人猿に比べてヒトは消化器官が小さくなったことで毎日のエネルギー消費量が10%以上少なくなっているとか。生のものが消化吸収されにくいということも考えれば、同じ栄養素の食べ物を食べても生のものだけを食べていると痩せるはずです。類人猿から類推して同じ食べ物を生で食べると咀嚼に要する時間は控えめに言って1日の42%、12時間起きているとして5時間!普通の人の食事では現代人は5%も使っていないというのに。
人が類人猿から分かれていった最大の要因はなんだろう。言葉、道具、火、いろいろ言われていますが、著者は火を使って料理することだと!
火を使っていたことを考古学的には20万年ぐらいさかのぼれるそうですが、歯とか骨格から何を食べているか類推するとホモ・エレクトスに移行した190万年ぐらい前に遡れるとか。その時、歯のサイズが縮小し、体のサイズが大きくなり、胸郭や骨盤が狭くなり胃腸の容量が小さくなったということです。また脳の容量は42%増加しています。
歯の縮小、より大きな脳や身体へのエネルギー供給、小さな胃腸、新たな生活域を開拓する能力、これらは全て料理をしていたことにより可能になったというのです。
脳は非常に大きなエネルギーを消費するため、安定的にエネルギーを供給するためには体の中のどこかでエネルギーを節約しなくてはいけない。減らすことが可能な高エネルギー組織は「胃腸」。料理をすることによって胃腸を小さく出来たからこそ脳を大きくすることが出来た。
さらに料理をすることによって人類は高エネルギー食品を短時間でとることが出来るようになり、食品を貯蔵することが出来るようになった。結果、男女間の分業が始まり長時間の狩猟に出かけていくことが出来るようになった。
論理展開は非常に説得力があり、目からうろこです。文化人類学者だけにアポリジニとかアマゾンの何とか族とかアフリカの何とか族の実例も豊富です。このことを前提にしてエンゲルスを読み直すとどうなるんでしょうか。
本文だけなら200ページあまりなので一度手にとって見ては。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/41/6eefcd57225591a9dcbc90aeaef6cce4.jpg)
食物を調理せずに生で食べると消化に時間がかかります。生の食品だけで生活する実験をすると必要なカロリーは満たしているはずなのに、みんなやせて行きます。ダイエットには最適!
でもどうして痩せるんでしょう?実は調理していない生の食物を消化するには大変な労力がかかるのです。人間以外の動物は消化するためにより大きな消化器官を持ち、なおかつそのために消費するエネルギーは大きい。大型類人猿に比べてヒトは消化器官が小さくなったことで毎日のエネルギー消費量が10%以上少なくなっているとか。生のものが消化吸収されにくいということも考えれば、同じ栄養素の食べ物を食べても生のものだけを食べていると痩せるはずです。類人猿から類推して同じ食べ物を生で食べると咀嚼に要する時間は控えめに言って1日の42%、12時間起きているとして5時間!普通の人の食事では現代人は5%も使っていないというのに。
人が類人猿から分かれていった最大の要因はなんだろう。言葉、道具、火、いろいろ言われていますが、著者は火を使って料理することだと!
火を使っていたことを考古学的には20万年ぐらいさかのぼれるそうですが、歯とか骨格から何を食べているか類推するとホモ・エレクトスに移行した190万年ぐらい前に遡れるとか。その時、歯のサイズが縮小し、体のサイズが大きくなり、胸郭や骨盤が狭くなり胃腸の容量が小さくなったということです。また脳の容量は42%増加しています。
歯の縮小、より大きな脳や身体へのエネルギー供給、小さな胃腸、新たな生活域を開拓する能力、これらは全て料理をしていたことにより可能になったというのです。
脳は非常に大きなエネルギーを消費するため、安定的にエネルギーを供給するためには体の中のどこかでエネルギーを節約しなくてはいけない。減らすことが可能な高エネルギー組織は「胃腸」。料理をすることによって胃腸を小さく出来たからこそ脳を大きくすることが出来た。
さらに料理をすることによって人類は高エネルギー食品を短時間でとることが出来るようになり、食品を貯蔵することが出来るようになった。結果、男女間の分業が始まり長時間の狩猟に出かけていくことが出来るようになった。
論理展開は非常に説得力があり、目からうろこです。文化人類学者だけにアポリジニとかアマゾンの何とか族とかアフリカの何とか族の実例も豊富です。このことを前提にしてエンゲルスを読み直すとどうなるんでしょうか。
本文だけなら200ページあまりなので一度手にとって見ては。
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