こんにちは。
販促コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
それでは第6回目です。
2.「あるスーパーの再生物語」<3>
社長は軽い気持ちで本田に電話した。
そして、数日後。
店の事務所で本田と会った。
思っていたよりも、歳をとっていたが、言うことはきつかった。
何よりも自分が常に感じていたことを、本田がズバズバ言うものだから、正直腹が立った。
しかしどうせ駄目だろう、ダメもとだからという気持ちが強かったので、最後まで聞いた。
「今回私が提案するものは、競合店がどうのとかそういうものではないんです。
この店が生き残るということより、この店があったらこの地域のみんながどれだけうれしいのか、ここで働いている人がどんなに楽しいのか、そういったことです。
だからここのような小さな店こそいいんです。
それに地域一番店でなくてもいいんです。
ここにこの店があってよかったなあとお客様に喜ばれる、そんな店にしたいんですよ」
そういうことなら自分ももちろん異存はない、と社長は思った。
「ですから私が提案することは、全然面白くないことばかりです。
まあ言ってみれば商売の基本ばかりだと思いますよ。
奇抜なことをやって、それでお客様がどっときたとしても、そんなことで集まったお客さんは、すぐにいなくなってしまいます。
それよりもまず基本的なことから変えていきましょう」
話を聞くだけだと思っていたはずの社長は、本田の考え方に、心の隅で同意し始めていた。
とにかくやってみようか。
それが失敗したって、今と同じで潰れることには変わりはないんだから。
こうして、この小さなたった1店舗しかないスーパーの改革が始まった。
一番初めにしたことは、とにかくお弁当がまずかったので、お弁当から改善していこうということになった。
まずお弁当の食材を地元の食材を中心に使うことにした。
そしてそのメニューを多くし、逆にそれぞれ作る個数を少なくした。
多品種少ロットということで、バラエティ感のあるお弁当コーナーにというテーマで、お弁当コーナーの充実がまず図られることになった。
さらにその中に入れる具材の数を多くし、お弁当そのものは小さくした。
それはお客様の層を考えてのことで、お年寄りに楽しいお弁当を食べてもらいたいという考えからだった。
おかずの数が多く、さらにヘルシーに、を基本にメニューをスタッフ全員で考えることにした。
そこで社長は思いついたことを言った。
「どうだい、みんなでアイデアを出し合って作るんだからさあ、一番人気の弁当を考えた人に賞金を出すよ。
どう? うまくいったら、毎週は痛いから1ヶ月ごとに賞金を出すことにするよ」
この社長のひと言で、みんなのやる気がいちだんと出るようになった。
パートも正社員もなかった。
そしてコーナーに並べるときには必ず、それを考えだした人のメッセージを書いたPOPをつけた。
単価そのものは安くしないで、とにかくおいしいお弁当を出そうということで始めた。
改善後1週間はそれほど以前とは変わらない売れ行きだった。
それぞれの数を少なくしたが、最初のうちは残るものもたくさんあった。
告知は店内だけのPOPでやっただけだから、お弁当コーナーが変わったことは来店客にしか判らないことだった。
だからすぐには売れ行きがアップするとは誰も思っていなかった。
しかし、それを告知するためのチラシを出すようなこともしなかった。
本田と社長の意見もそれは一致していた。
そこに予算をかけないでも(またかける予算も、正直なかった)、お客様は徐々に増えて行くはずだと見積もっていた。
翌週は少し上向いた感じがした。
それでも目立った動きはなかった。
次の週のことだった。
近くにあった会社のOL数人がどこから聞いたのか、初めてその店にやって来て、お弁当を買っていった。
そのヘルシーさと小振りな容器の中にも、たくさんのおかずがあるということが気に入ったようだった。
それから徐々にお弁当目当ての客が増えていった。
ある日、肉体労働者風の若者がやって来て、呟いた。
「これじゃ少ないなあ。ねえ大盛りってないの」
このひと言が売場にいたパートさんの耳に入り、次の日から「ガツン系御用達ランチ」として大盛り弁当も販売されるようになった。
こうして、この今にも潰れそうなスーパーが再生への一歩を踏み出した。
これと並行して、やバックヤードでの改善も行われたがそれはまた別の話だ。
おわり
(このストーリーはフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
繁盛店になりたいか!
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群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
販促コンサルタント、藤田です。
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販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
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それでは第6回目です。
2.「あるスーパーの再生物語」<3>
社長は軽い気持ちで本田に電話した。
そして、数日後。
店の事務所で本田と会った。
思っていたよりも、歳をとっていたが、言うことはきつかった。
何よりも自分が常に感じていたことを、本田がズバズバ言うものだから、正直腹が立った。
しかしどうせ駄目だろう、ダメもとだからという気持ちが強かったので、最後まで聞いた。
「今回私が提案するものは、競合店がどうのとかそういうものではないんです。
この店が生き残るということより、この店があったらこの地域のみんながどれだけうれしいのか、ここで働いている人がどんなに楽しいのか、そういったことです。
だからここのような小さな店こそいいんです。
それに地域一番店でなくてもいいんです。
ここにこの店があってよかったなあとお客様に喜ばれる、そんな店にしたいんですよ」
そういうことなら自分ももちろん異存はない、と社長は思った。
「ですから私が提案することは、全然面白くないことばかりです。
まあ言ってみれば商売の基本ばかりだと思いますよ。
奇抜なことをやって、それでお客様がどっときたとしても、そんなことで集まったお客さんは、すぐにいなくなってしまいます。
それよりもまず基本的なことから変えていきましょう」
話を聞くだけだと思っていたはずの社長は、本田の考え方に、心の隅で同意し始めていた。
とにかくやってみようか。
それが失敗したって、今と同じで潰れることには変わりはないんだから。
こうして、この小さなたった1店舗しかないスーパーの改革が始まった。
一番初めにしたことは、とにかくお弁当がまずかったので、お弁当から改善していこうということになった。
まずお弁当の食材を地元の食材を中心に使うことにした。
そしてそのメニューを多くし、逆にそれぞれ作る個数を少なくした。
多品種少ロットということで、バラエティ感のあるお弁当コーナーにというテーマで、お弁当コーナーの充実がまず図られることになった。
さらにその中に入れる具材の数を多くし、お弁当そのものは小さくした。
それはお客様の層を考えてのことで、お年寄りに楽しいお弁当を食べてもらいたいという考えからだった。
おかずの数が多く、さらにヘルシーに、を基本にメニューをスタッフ全員で考えることにした。
そこで社長は思いついたことを言った。
「どうだい、みんなでアイデアを出し合って作るんだからさあ、一番人気の弁当を考えた人に賞金を出すよ。
どう? うまくいったら、毎週は痛いから1ヶ月ごとに賞金を出すことにするよ」
この社長のひと言で、みんなのやる気がいちだんと出るようになった。
パートも正社員もなかった。
そしてコーナーに並べるときには必ず、それを考えだした人のメッセージを書いたPOPをつけた。
単価そのものは安くしないで、とにかくおいしいお弁当を出そうということで始めた。
改善後1週間はそれほど以前とは変わらない売れ行きだった。
それぞれの数を少なくしたが、最初のうちは残るものもたくさんあった。
告知は店内だけのPOPでやっただけだから、お弁当コーナーが変わったことは来店客にしか判らないことだった。
だからすぐには売れ行きがアップするとは誰も思っていなかった。
しかし、それを告知するためのチラシを出すようなこともしなかった。
本田と社長の意見もそれは一致していた。
そこに予算をかけないでも(またかける予算も、正直なかった)、お客様は徐々に増えて行くはずだと見積もっていた。
翌週は少し上向いた感じがした。
それでも目立った動きはなかった。
次の週のことだった。
近くにあった会社のOL数人がどこから聞いたのか、初めてその店にやって来て、お弁当を買っていった。
そのヘルシーさと小振りな容器の中にも、たくさんのおかずがあるということが気に入ったようだった。
それから徐々にお弁当目当ての客が増えていった。
ある日、肉体労働者風の若者がやって来て、呟いた。
「これじゃ少ないなあ。ねえ大盛りってないの」
このひと言が売場にいたパートさんの耳に入り、次の日から「ガツン系御用達ランチ」として大盛り弁当も販売されるようになった。
こうして、この今にも潰れそうなスーパーが再生への一歩を踏み出した。
これと並行して、やバックヤードでの改善も行われたがそれはまた別の話だ。
おわり
(このストーリーはフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
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