言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

言葉はコミュニケーションの基本。伝えたいことは「言葉のチカラ」できっと伝えられる。もっとうまく伝えられる。

コピーライターになりたいか<29>

2011-10-17 09:46:41 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。

この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

それでは第29回目です。
先週は休んでしまいましてすみませんでした。

29.コピーにはストーリーが必須条件


コピーにはストーリーが必須条件ということを今回はお話しします。

どんなに短いコピーにも、ストーリーがあります。
というよりも、ストーリーはどんなに短いコピー、それがたった一言でも、絶対に必要です。
たとえそのストーリーが、誰にも判らなくても、自分の頭の中で組み立て、そこから出てきたものとしてのコピーが絶対必要です。

なぜでしょうか。
それは、ひとつには、クライアントに企画内容を説明するとき、そのストーリーを述べることによって、そのコピーがよりいきいきとしてくるからです。
ストーリーをさも現実のごとく述べることによって、聞いているクライアントの方も、自分の頭の中で彼なりに仮想現実としてそのストーリーに沿った物語を思い描きます。

ラジオのドラマを聞いたことがありますか。
目には見えないけれど、聞くことによって、その物語のシーンを自分で頭の中に作っていきます。
それは今までに自分で、テレビや映画、コミックなどで見たシーンを元に、リアルに頭の中でストーリーが進行します。
下手なテレビドラマのシーンよりも、それは迫力があります。
自分の耳で聞いたことを、自分の演出で、頭の中にドラマを組み立てているからです。

そこには何の制約もありません。自由自在にシーンが創れます。
現実にはないような怪物だって、自由に創れます。それは映画のCGよりも、極端にいうとリアルに創れます。
時間もギャラも、必要のない世界ですから。
さらには、あれこれと注文をつけるうるさいプロデューサーやスポンサーだって存在しないから。

そういうことなんです。
ストーリーを述べることによって、聞いている人それぞれが、それぞれの経験したことを基盤にして、自分なりに自由に頭の中でドラマを進行させていくのです。
そのストーリーからできてきたコピーですから、うんと説得力があります。

ふたつには、そのコピーを読むーー単に見る、でもいいですーー人も、そのコピーによって喚起されたストーリーを自分で創り始めるのです。
自分の今まで経験したことから、自分なりのストーリーを創ります。理由は上で言ったことと同じです。

しかし、コピーライターがただの思いつきで、ストーリーを無視してそのコピーを創って世に出たとします。
そうすると、それを読んだ人は、ストーリーが作れないのです。
そうなると、結果は推して知るべしです。
ぜんぜんアピールできなかった愚作としての評価が残るだけで、何の益もありません。
もちろんクライアントにも、益をもたらさないでしょう。

たとえば、僕は最近、ある介護関係のリーフレットを創りましたが、そのヘッドコピーは、たった一言でした。
それは

            『ほっ。』

です。
 
そこに介護されてニコニコしているお年寄りの顔をイラストで表現しました。
イラストの方がほのぼのした感じが出るからです。
それだけで、クライアントは、OKをくれました。
ぼくはその『ほっ。』については、何の説明もしませんでした。
でも、クライアントの方が、その『ほっ。』から、ストーリーをきっと創ってくれたんだと思っています。

「そうなんだよ。ほっとする介護が欲しいんだよ、お年寄りは」と、言いましたから。
クライアントは、きっとその『ほっ。』を見ただけで、自分なりの『ほっ。』のストーリーを描いてくれたんだと思います。
もちろん、ぼくも、その『ほっ。』至るまでのストーリーは頭の中で描いていました。

なぜその『ほっ。』に至ったか。
まずひと組の老人夫婦がいました。老人による老人介護ーー夫または妻の連れ合いの看護という、現在の問題が根底に存在しています。
その介護されている方を、一時引き取って、しばらく介護から解放されて『ほっ。』としている方。
さらには身内の介護に、心を痛めている、ふだん介護されている方が、その身内を休ませることができたという安堵の『ほっ。』
そういった『ほっ。』を表現したのです。

あなたが作るコピーにはそういったストーリーがあって、初めて考え出されてきたのだという強いバックボーンがあってこそ、消費者にも、クライアントにも訴える力が出てくるのだと思います。

コピーを考える際には、必ずそのバックボーンとなるストーリーを考えてください。

さて、今回は実際のコピーをつかって上記のお勉強をしてみませんか。


あるときの富士通の新聞広告です。


  手パス。

  本人だけしか持っていない、手のひらの静脈パターンが一生の
  鍵になる。
  手をかざすだけのセキュリティで、安心、安全な明日がくる。
  
  「ただいま-」と手を上げているのは、手のひらの静脈パター
  ンで鍵を開けるいつもの動作。家に帰った愛ちゃんは、自分で
  あることを証明して中に入ります。かわいい花束でママを喜ば
  せようとして……。
  実はこのドア、登録している人だけにしか開けられない厳しい
  セキュリティがかかっています。
  それはパターンが複雑で、体内にあるため盗まれにくく、偽造
  が困難な「手のひら静脈」という鍵。
  多くの生体認証の中で最も精度の高い技術のひとつとして、す
  でに銀行のATMや公共施設で採用。パソコンのログインなどで
  も活躍しています。
  富士通は、この技術を様々な場所に適用することで、高度なセ
  キュリティ社会づくりを進め、人びとの安心・安全な暮らしを
  支えます。

         [手のひら静脈認証技術]
                  もっと社会へ。富士通

以上が全文です。

これからのセキュリティの代名詞になるだろうと言われている[手のひら静脈認証技術]を開発した、その技術力をアピールしている企業広告です。
銀行のATMに採用されているのはCMなどでよく知っていますが、いよいよそれが家庭の鍵になる日が来たということですね。

さて、このコピーのヘッド
 
 『手パス』

僕はこのヘッドだけで、後の細かいコピーはあまりいらないように思います。
それこそ、このヘッドには、ストーリーがあるからです。
このヘッドを説明するものとして、ほとんど紙面全体を占めている大きな写真があるのですから。
後はさらっと、手のひら認証システムを開発したのは富士通の技術力なんです、とさらっと流した方が良かったのではないかなあと、思っています。
皆さんはどう思いますか。

サッカーでは反則の“手パス”。
ワールドカップ予選試合の最中に、サッカーにかけて、もう少し違う写真のパターンで出しても、面白かったかなあ。



<30>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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マスコミの手には乗るな

2011-10-17 09:33:44 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

昨日は暑かったですね。
ここ群馬県は、またもや昨日の全国一の最高気温を記録したようです。
そして、10月に入っての一番遅い真夏日を記録しました。

そのせいか何だか昨日は身体がだるくて、一日中だらだらとしていました。
いけないんですが、まあこういうこともあるさと思いながらのだらだらでした。
あなたはいかがでしたか?

今朝は朝から曇り空。時々薄日が射しますが、だんだんと曇っていきそうな気配です。
今夜になると、札幌では雪が降るかもしれないなんて天気予報では言っていました。

また今朝のニュースでは、各地で桜が咲き、秋の異変と騒いでいるようです。
でもそんなことって、何だか毎年どこかで聞くようなことで、さしていへんではないと、わたしは思うんですが、それがいったんマスコミの手にかかると、あたかも世の中がおかしくなってきたというようにすり替えられてしまうわけで、何も疑わない人たちにとっては、それはたいへんだと思いこまされてしまうわけですね。

それでこのところ思ったのは、世田谷で発見されたという放射能を含む物質のことです。
床下にそんなものがあるなんて知らないで、何十年もその上で生活していた人に何の異常もないということ。

結局みんなーーみんなって誰だよーーがセシウムだなんだのって騒ぐけど、それらはほんの一過性のもので、それがすぐに人体に影響を及ぼすというものではないんだと、そんなことを思い、結局マスコミに乗った人たちが騒いでいるだけのような気がします。

まあこれはわたし個人の考え方だし、放射能についてそれほどの知識のないものが言ってることなんで、間違っているかもしれないけど、とにかくわたしは騒ぎ過ぎだと思っています。

マスコミだって、今は他に大きなことが起こらないから、それを中心になんだかんだと視点をあちこち変えて報道しているだけであって、他に何か大きな事件でも起こると、すべてそちらの方へ視点を変えて、気がついたら、あれ放射能ってどこへ行ってしまったの?ということになるから。


マスコミ、特にテレビで紹介されて今までぜんぜん表だっていなかったお店が、急に脚光を浴びるということがよくあります。
これだって、マスコミの興味が他に向いたら、そのお店は、乗せられた台を外されてしまって、こけてしまうということも多々あります。

今まで脚光を浴びたこともなく堅実に経営していたところが、急にマスコミから光を当てられ、調子に乗ってしまったところで、さっと引き上げられてしまうと、もうどうしていいか分からずに、もし脚光も浴びていなければこの先何十年も続いたかも分からないお店が、風船がしぼむように消えていったということもしばしば聞くことです。

もしあなたのお店でもテレビの取材が来ればいいのに、なんて思っているのであれば、忠告します。
そんなことは望まないで、今までこつこつとやってきた営業をこれからも営々と続けていくことです。
それが商いというものです。

マスコミに乗ると、マスコミによってつぶされてしまうことも多いのです。

マスコミの乗る場合は、きちんと対応策を考えてからにしましょう。

それでは今日はこれで。


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あなたの一日が今日も普段通りの良い一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。

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