言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

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コピーライターになりたいか<49>「良くしようと手を入れて悪くなる」

2012-03-19 10:01:12 | コピーライターになりたいか
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日2回目の投稿です。

この<コピーライターになりたいか>というカテゴリーでは、50回連載限定で、コピーライターになりたい人や、キャッチコピーを作りたい経営者の方向けにコピーとは何だということを解説しています。
かつてメルマガで配信していたものの再録ですが、貴重なアドバイスが含まれていますので、読んで損はありません。
(なお配信は原則毎週1回月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)

それでは第49回目です。いよいよラス前というところまで来ました。
来週配信分がラストになります。

49.良くしようと手を入れて悪くなる

良くしようと手を入れて悪くなる。
そんな経験ありませんか。

身近な例では、テレビ番組があります。深夜枠で放送されて面白いと人気が出ると、不振のゴールデンタイム(プライムタイム)の番組に代わって、乗り込んでくる。
しかし、ゴールデンにくると、とたんに面白くなくなる。

こんな番組。ずいぶんありますよね。
「やはり 野に置け れんげ草」なんですよ。
それはその時間帯だから、面白いのであって、さらにはその時間帯に見る視聴者が、そういったものを面白がる傾向があるからの面白さで、ごく一般的な人々が見ても、そのコアな面白さが理解できないのです。

さらに、もうひとつ。
一番の悪いところ。それは、せっかくの面白いプログラムに手を入れること。
30分番組だからこその面白さであったものが、1時間物になるからというので、中にもうひとつ面白いものを入れよう、さらには人気コーナーをもっと面白くさせようと、何かもうひとつアイデアを加えて、グレードアップさせる。それがほとんどの失敗を招く原因なのです。
そんな番組、あなたもきっと2、3、すぐに思い当たるでしょ。

もっと面白くしようとして手を入れると、失敗する。だいたいゴールデンに来て潰れる番組はそんなものです。余計なことをするな、です。
ことわざにあるじゃないですか。

    『蛇足』

まさにそれですね。

その番組やコーナーの面白さは、それだから面白いのであって、そこにもうひとつ何か「足」を入れてもっと面白くしようとすると、そのコーナーのコンセプトが違ってしまうんですね。
それを分っているディレクターなり、プロデューサーって、案外少ないんですね。

判っている人は、悩むでしょうね。
これはこの時間帯だから面白いのに。そんな時間帯に持っていってしまうと、面白さが半減してしまうんだよとか。
たとえば以前面白いという評判の「時効警察」ってドラマがありましたよね(ちょっと古いか?)。
あれを夜の8時台にそのまま持ってきたと考えてください。きっと評判は落ちると思います。
あのドラマが持っているコアな面白さの判る人はいると思いますが、
見る人が多くなれば、全体的に見る人の嗜好範囲が広まり、それと共に薄くなってしまうんです。

皿の上に出した濃い醤油を、水のたくさん入った大きいボウルに入れてしまうようなものです。
醤油の味は少し残りますが、全体に大味になってしまいますよね。
そういうことです。

また、15分とか30分とか短いから切れ味があるんであって、倍の長さにすると、その切れ味が鈍ってしまうということもあります。

「すべらない話」という人気番組。
あれだって特番で2時間もゴールデンタイムで何回もやりましたよね。
それぞれの芸人さんの話そのものは相変わらず面白かったけれど、そのあとにゲストの話やら表彰などという、やらなくてもいいようなことをやったおかげで、面白かった話がどこかへすっ飛んでいってしまった感がありました。
かといって、あのすべらない話を2時間聞いているのもちょっと苦痛かな、とも思います。
やはり深夜枠でやっているあの時間がちょうどいいのでしょう。

現在注目されている番組を、よほど力のあるディレクターでなければ、さらに面白くすることはできないでしょうね。


コピーだって、デザインだってそういうことなんです。
もっと良くしよう、これも入れればさらに良くなると思って、あとひとつふたつ情報を追加してみる。
そうなるとまるで別物のくだらないコピーになってしまう、ということが多々あります。



経験ありませんか。

自分ではこれが一番いいと思っているのに、上司に、これ入れればもっと良くなるから入れてみろ、なんて言われて、それをクライアントに持っていって、けなされる。
余計なことをしなければ良かったのにねえ。
かといって、上司の命令には逆らえないし。

そんなときはどうします?

自分でクライアントと話せれば、そのときに、じゃあ、このコピーちょっと取ってみましょうと言って、取ってしまいましょう。
それでOKが出ればしめたもの。

上司には、クライアントの意向ですと言えば、それでOKですからね。
でも、コピーの追加修正をクライアントに言われたら、ちょっときついですね。

そんなときには、自信のあるコピー案と、クライアントの言うコピー修正案2点を見せてみることをお勧めします。
よく分っているクライアントなら、きっとあなたの案を採用してくれるでしょう。
担当者がデクノボウだったら、それはそれであきらめましょう。
金を溝に捨てるのは、あちらさんなんですから。


とにかく、コピーにたくさんの情報を詰め込むのは、やめた方がいいです。
せっかくの言いたい部分が、その他の余計な情報で霞んでしまうからです。

しかし、最初作る段階では、ほとんどすべての情報を入れこんでみることが必要です。
そして、何回も読みながら推敲し、少しずつ削っていくんです。
もうこれ以上削ったら、情報は伝わらなくなってしまうところまで、ギリギリ切りつめます。

そしてもう一度、今までに削った情報が必要でないかどうか、検討してできあがるのが、本当のいいコピーではないかな、と思います。

それが凝縮された、素晴らしいコピーなのではないでしょうか。


<ラスト50>へつづく。

それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサーの藤田でした。

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「社長専用」

2012-03-19 09:14:43 | 販売促進コンサルタントの日記
こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もよろしくお願いします。

北風が強いせいか、朝から目がかゆい。
鼻も詰まり気味。
ピークですね。
3日ぶりぐらいに晴れた朝です。


さて、今日は「社長専用」ということでお話をしてみますね。

わたしがまだ会社勤めをしていたときのことですが、クライアント先へよく出かけました。
そこでいつも感じたことですが、ある程度大きくなった(といっても地方でということで、中小企業の方の「小」の方ですが、だいたい)会社の玄関付近まで行くと、だいたい一番いい場所に「社長専用」とか「役員専用」という文字をペンキで書いてありました。

専用駐車場ということで、社員はもちろんですが、出入り業者も、そこには車を駐めるな、ということですね。
もちろんお客様にもそう宣言しています。
偉そうですねえ。
まあそこでは社長ですから、一番偉いんでしょうが。

バブル崩壊以前まではそれが当たり前ということで、誰も不思議には思わなかったでしょう。

しかし21世紀に入ってまで、そのように「社長専用」という線引きを駐車場にしている会社があるんでしょうか。
最近はやはり時代の趨勢ということでしょうか、ほとんどお目にかからなくなりました。
よかったですね。

まだあるよ、という会社はありませんか。
即刻やめしょう。

やめるわけにはいかないのなら、「社長専用」駐車場は一番端っこにしませんか。


玄関に一番近い駐車場はお客様専用にすべきです。

お客様とはもちろんその名称の通りのお客様も入りますが、お取引先もお客様であるという発想を持っていただきたいと思います。

あなたの会社に利益をもたらせてくれるのは、「お客様」なんです。
その「お客様」の中には、お取引先も含まれます。
たとえ下請け先であっても、重要なお客様です。

なぜ?
それが分からなければ、今の時代、これからの時代の経営者としては失格ですよ。
よく勉強してください。
ひとつだけヒントを。


あなたの会社の製品なり、商品なりを一番先に購入するのは誰でしょうか。
それはお取引先の社員であり、その家族なんです。
一般的にな商品ほど顕著ですよね。

だって、自分たちが取引している先の会社の商品を率先して購入することで、その会社がうるいます。
そして、そのためには自分たちが卸している部品なり、材料なり食材などが使われるわけですから、自ずと多くの注文が入り、それだけ自社も潤うわけですね。
だから、あなたの会社の商品を一番たくさん購入するのは、お取引先だというわけです。

たぶんライバルの会社の商品を率先して買うわけにはいかないですよね、心情としても。
そういうわけです。

逆に下請けいじめなんかをしていると、そうした取引先から恨まれて、ライバル会社の商品をわざと買うということにもなってしまいますよ。

単純な思考ですが、案外そうした心情は、日本人はしっかりともっていますよ。


それでは今日はこれで。
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