こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「ある地方金融機関の新商品開発」<その3>
山口がさらに話を継いだ。
「金融マンはやはり金融マンでして、なかなか変わったアイデアも出ません。私たちもそれは面白いなと思いました」
「うん」
「他の金融機関ででもやはり考えることが一緒で同じような金融商品を出していて、オリジナルなものがなかなか考えだされないんですね」
「それでもうたねが尽きた?」
「そうとも言えますが、そうでもないとも言えます」
「うん、ちょっとニュアンスが違うかな」
「結局こういった金融業界は、ほとんどすべて同じ土俵でお客様をとりあっているんです。最終的にお客様になっていただくためには、融資の場合は融資の条件が他よりもいいということが最大条件で、預金も他より利率がいいということが最大条件ですが、それ以上にお客様との信頼関係ですか、それが一番なんですね。よく言うとお付き合い、悪く言うとまあしがらみとでもいうんですか。そのために日頃営業サイドではお客様とのコミュニケーションに力を入れているわけです」
「そうですよね。スーパーをまわって安い商品だけ買い回るなんてことはできないですからね。一度この銀行と決めたら、だいたい何か嫌なことが起きない限りずっとお付き合いしますからね」
「そこなんですよ、本田さん」
「そうなんです。そこなんです。私たちが本田さんにお願いしたいのは」と部長がまた口を出してきた。
「なるほどねえ。そうでしょうね。商品だと言ってもお金を貸し出すか、預けてもらうかというもので、普通のモノとしての商品じゃないですからね、いくら商品だと入っても」
「商品なんで言葉で言い出したのはいつ頃だろうね」
「さあ、いつの間にかそのように呼ぶようになりましたね」
「すみません、話を進めてよろしいでしょうか、部長?」
「お、悪いなあ、ついつい口を出してしまって。すまん。山口君、進めてくれ」
「はい。それで本田さんにお願いしたいのは、まあ新しい考え方の商品というんですか、そんなもので少しアドバイスのようなものをいただきたくて、今回はご相談申し上げたようなわけです」
「なるほど」
「どうですか、考えられそうですか」
「いやむずかしいです。でもちょっと考えてみます。どうしてもギブアップの時は申し訳ないですが許してください。と、逃げを打ってから始めるのはちょっと卑怯な気がしますので、とりあえずお引き受けします。期限はいつまでですか」
「2週間です。2週間後に理事長に何らかの形で報告しなければなりませんので」
「厳しいですね。その期間で考えられる最大限のものを提案します」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
本田は苦しんだ。
広告会社に勤めている時は、その金融機関の広報誌の開発から実際の立ち上げ、そして取材、撮影、記事とすべて担当してきた。
さらには、その金融機関が扱っている金融商品のリーフレットや新発売の告知などは担当してきたが、このように実際の金融商品を考えるというようなことはなかった。
まず彼等はなぜ外部に、それも本田のようなものにそのアイデアを求めてきたのか、考えた。
それはやはり理事長が感じていたことで、内部だけで考えていると、自分たちの考えと実際の世間で考えられていることのギャップが、もしかしたらあるのではないかという危機感から、一度外部にもそのアイデアを求めてみようということになったのだろう。
そして常に消費者の目から見たマーケティングをスローガンにしている販売促進コンサルタントが身近にいたので、じゃあまあ彼に出してみようかということになったのかもしれない。
本田は考えた。
2週間といっても、それは2週間後にはきちんと考えをまとめて見せなければないのだ。
実質的には10日間ほどしかない。
それなのにもうあれから1週間もたっている。
何も浮かばない。
実際目に見える商品ではないというのが、そのひとつの理由でもある。
今までそんな金融商品を一から考えた企画マンなんていたのだろうか。
<4>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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群馬県前橋市天川大島町186-25
藤田販促計画事務所
http://www.shakatsu.co
E-mail:k1948f@nifty.com
TEL.027-261-6671(FAX.同様)
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「ある地方金融機関の新商品開発」<その3>
山口がさらに話を継いだ。
「金融マンはやはり金融マンでして、なかなか変わったアイデアも出ません。私たちもそれは面白いなと思いました」
「うん」
「他の金融機関ででもやはり考えることが一緒で同じような金融商品を出していて、オリジナルなものがなかなか考えだされないんですね」
「それでもうたねが尽きた?」
「そうとも言えますが、そうでもないとも言えます」
「うん、ちょっとニュアンスが違うかな」
「結局こういった金融業界は、ほとんどすべて同じ土俵でお客様をとりあっているんです。最終的にお客様になっていただくためには、融資の場合は融資の条件が他よりもいいということが最大条件で、預金も他より利率がいいということが最大条件ですが、それ以上にお客様との信頼関係ですか、それが一番なんですね。よく言うとお付き合い、悪く言うとまあしがらみとでもいうんですか。そのために日頃営業サイドではお客様とのコミュニケーションに力を入れているわけです」
「そうですよね。スーパーをまわって安い商品だけ買い回るなんてことはできないですからね。一度この銀行と決めたら、だいたい何か嫌なことが起きない限りずっとお付き合いしますからね」
「そこなんですよ、本田さん」
「そうなんです。そこなんです。私たちが本田さんにお願いしたいのは」と部長がまた口を出してきた。
「なるほどねえ。そうでしょうね。商品だと言ってもお金を貸し出すか、預けてもらうかというもので、普通のモノとしての商品じゃないですからね、いくら商品だと入っても」
「商品なんで言葉で言い出したのはいつ頃だろうね」
「さあ、いつの間にかそのように呼ぶようになりましたね」
「すみません、話を進めてよろしいでしょうか、部長?」
「お、悪いなあ、ついつい口を出してしまって。すまん。山口君、進めてくれ」
「はい。それで本田さんにお願いしたいのは、まあ新しい考え方の商品というんですか、そんなもので少しアドバイスのようなものをいただきたくて、今回はご相談申し上げたようなわけです」
「なるほど」
「どうですか、考えられそうですか」
「いやむずかしいです。でもちょっと考えてみます。どうしてもギブアップの時は申し訳ないですが許してください。と、逃げを打ってから始めるのはちょっと卑怯な気がしますので、とりあえずお引き受けします。期限はいつまでですか」
「2週間です。2週間後に理事長に何らかの形で報告しなければなりませんので」
「厳しいですね。その期間で考えられる最大限のものを提案します」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
本田は苦しんだ。
広告会社に勤めている時は、その金融機関の広報誌の開発から実際の立ち上げ、そして取材、撮影、記事とすべて担当してきた。
さらには、その金融機関が扱っている金融商品のリーフレットや新発売の告知などは担当してきたが、このように実際の金融商品を考えるというようなことはなかった。
まず彼等はなぜ外部に、それも本田のようなものにそのアイデアを求めてきたのか、考えた。
それはやはり理事長が感じていたことで、内部だけで考えていると、自分たちの考えと実際の世間で考えられていることのギャップが、もしかしたらあるのではないかという危機感から、一度外部にもそのアイデアを求めてみようということになったのだろう。
そして常に消費者の目から見たマーケティングをスローガンにしている販売促進コンサルタントが身近にいたので、じゃあまあ彼に出してみようかということになったのかもしれない。
本田は考えた。
2週間といっても、それは2週間後にはきちんと考えをまとめて見せなければないのだ。
実質的には10日間ほどしかない。
それなのにもうあれから1週間もたっている。
何も浮かばない。
実際目に見える商品ではないというのが、そのひとつの理由でもある。
今までそんな金融商品を一から考えた企画マンなんていたのだろうか。
<4>へつづく。
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
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