こんにちは。
前橋の販促経営コンサルタント、藤田です。
今日もこのブログページを開いてくれてありがとうございます。
少しばかりあなたの時間をいただきますが、よろしくお願いします。
風もあまり吹いていなくて、少しは穏やかさも感じられる、晴れた春の朝です。
このままやっと暖かめの春を進めていくのでしょうか、季節の気まぐれ屋さんも。
昨日はまだ冷たさが残っていて、日中は暖房を入れないでキーボードを打っていると、指先が冷たくなってきました。
さて本題ですが、今回のは長めなので、今日と明日の2回にわたって進めます。
で、今日はその上段の話です。
あ、ちなみにこの話は、基本的にはノンフィクションなんですが、少しフィクションも入っています。
「本業はブランドでもある(上)」
地方の街に、あるお米屋さんがありました。
古くから家業として営業してきたというのではなくて、ある脱サラした人が始めたお店です。
なぜ米屋なのかという理由は置いておくとして、どんなお店をやるかということについては紆余曲折があったとは聞いていますが、結局最終的には米屋をひらくことになったわけです。
で老舗というか古くからその地域に根付いて営業しているお店ではないわけで、立地的にも厳しい郊外の小さな空き家を借りて始めました。
普通の米屋でしたらすでに下り坂の業種ですので、どうしようもないわけで、その主人は、自分で各地の産地に出向き、自分でそのお米を実際に食べて、自分のお店で扱うお米を決めていったそうです。
もちろん農家の方は、全然見ず知らずの者が訪ねてきても、なかなかそのお米を出してくれるはずもなく、何度も足を運び、自分の思いを口を酸っぱくして訴え、少しずつ何とか開業できるぐらいの量を確保して、オープンに間に合わせました。
もちろんいくらオープンしたといっても、すぐにそんな郊外のお店にお客様がやってきてくれるわけもなく、さらには有名どころのブランド米を扱っているというわけでもなく、扱っているのはどこのものとも知れない小さな農家のお米ばかりでしたので、初めはやってきてくれたお客様も、おそるおそるという感じで少しだけ買っていきました。
なかなか苦しい経営がしばらく続きました。
そこで、とにかく販売しているお米はすべて自分で確かめているので、うまいんだということをお客様に分かってもらいたくて、お米のPOPには、今では当たり前のことですが、「○○県○○さんのお米」と品名を入れ、食味やその特徴を自分が感じたことを書き入れました。
そうすると、少しずつですが、手応えのある売れ方をしてきました。
そんなときに、あるお客様が漏らした一言で、さらに開眼しました。
「ここの○○○、うまいねえ。弁当におにぎりにしてやったら、うまい、うまいと言ってたよ。だからまた買いにきた」
この一言で、「そうか! おにぎりか!」
主人はさっそく奥さんに頼み込み、店内でおにぎりを作って販売し始めました。
『このおにぎりには、店で販売している○○○を使っています。
冷めてももおいしい、おにぎりにぴったりのお米です。』
POPでもアピールし、ポスティングチラシも手作りし、近隣に配りました。
そうすると、そのおにぎりから火がついたように、お客様がグ~んと増えてきました。
さらに、おにぎりに使っているお米はもちろん、そのお店で扱っている無名のブランド米が、どんどん売れるようになっていったのです。
そして、おにぎりが有名になった頃、今度はお弁当まで作り始めました。
そのお弁当も、ごはんそのものがおいしいということで、これにも火がつき、いつしか気付くと、そのお店はお弁当屋さんのようになっていました。
それにつれて、主人はお弁当の拡販に走るあまり、お米の仕入については以前のように産地に行くことも少なくなり、今までにお世話になった産地の農家のお米を中心に販売するにとどめるようになり、いつしかそのお店はお米屋さんというよりも、お弁当屋さんというような店構えになってしまいました。
そんなある日、主人は、お米はスーパーでもホームセンターでも販売されるようになったこともあり、そろそろお米販売はやめて、お弁当一本でやっていった方がいいんじゃないかと思い始めました。
お米販売をやめても、お弁当販売にさらに力を入れていくので、仕入れ先に迷惑をかけることもないし、お米とお弁当併売では、人員の配置にもムダなところが出てきている。
実際お弁当で忙しいときにお米のお客様がやってきたら、そちらにも手がとられて、お弁当を作る時間が数分でも遅れることになる。
(つづく)
それでは、また明日。
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藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
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