ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

人差し指と薬指、どちらが長いのか

2024-10-11 10:34:07 | 自然
私は長い事ギターを演奏してきましたので、指の長さは気にしていたのですが、人差し指と薬指の長さを比べたことはありませんでした。

この長さを比べる「指比」の研究は世界中で行われているようです。指比研究が明らかにしてきた意外な人間の才能とホルモンの関係が分かってきました。ここでは北海道大学の研究を中心に紹介します。

精巣の発生が始まるのは、ヒトでは妊娠8週目ごろと言われています。胎児の身体に精巣が作られると、そこから男性ホルモンが大量に分泌されます。この大量分布は妊娠12週目ごろから顕著になり、16週目あたりをピークに22週目ごろまで続きます。

胎児期におけるこの一過性の男性ホルモン分泌は、「アンドロゲンシャワー」と呼ばれています。大量に分泌された男性ホルモンは、胎児の身体の隅々まで届けられ、後に男性型に発達していくためにさまざまな細胞、組織、器官を整えていくと考えられています。

このアンドロゲンシャワーをどれくらい浴びたのか、大人になってからも知ることができると言われています。それが人差し指と薬指の長さを比べる「指比」の研究です。

人差し指と薬指の長さの比は、第2指・第4指比(2D:4D比)と呼ばれ、人差し指の長さを薬指の長さで割った値のことです。男女で指比に差があることは150年前の1875年に報告されています。

日本人の双子300人を対象として指比を調べた研究では、男性の平均値が0.951、女性の平均値が0.968と報告されています。男性同士で比べた場合でも、胎児期にアンドロゲンシャワーをより多く浴びた男性ほど、薬指より人差し指が短い傾向があることが報告されています。

さらに1990〜2000年代には、指比がさまざまな特性と相関があるという報告が相次ぎました。身体能力や行動、判断力、性格や気質、病期のかかりやすさなど、成人してからの男性のさまざまな特徴に影響を及ぼすといったものです。

スオンジー大学はスポーツと指比の関係を調査する研究を行い、イギリスのサッカー選手の指比を調べた有名な研究があります。一般男性30名とサッカー選手30名の指比の値を比べたところ、一般男性の平均は0.98でしたが、サッカー選手では0.95と人差し指がより短いことが分りました。

さらに200名ほどのサッカー選手を対象に、そのクラス分けに応じて指比を比較したところ、活躍していた選手やコーチの値の平均は0.94と、さらに人差し指が短い傾向がわかりました。これは名プレイヤーほど、胎児期にあびたアンドロゲンシャワーの量が多いことを示唆しているようです。

私ははここで初めて指比という概念を知りましたが、指の長さとホルモン量(しかも胎児期の)に関係があるというのは、ヒトの面白さをあらめて感じたような気がします。

人の意識は「死んだら終わり」ではないのか

2024-10-04 10:34:25 | 自然
私は「死」とは生命が有機化合物の集合体に代わることであり、脳の活動も停止しますので意識も無くなると考えています。

当然死後の世界など存在しないと思っていますが、最近でも色々な大学の研究者たちが、死そのものを科学的に解き明かそうとしているようです。

こういった研究では臨死体験という話しがよく出てきますが、「臨死体験」とはなにか明確にはなっていない気がします。非常に難しい手術が奇跡的に成功して助かったとしても、脳は正常に機能していたはずで、別に死に近づいたとは言えないような気がします。

中部大学の研究員がある少年との話を例示しています。この少年は「戦艦大和で戦死した乗組員だった」という記憶がはっきりしているようです。その詳細は省略しますが、これは単に記憶が遺伝によって受け継がれる可能性があるという事だけのような気がします。

また海外では米国の女性が体験した「体外離脱」が有名なようです。この女性は脳動脈瘤の治療のため、「低体温心停止法」という仮死状態で行う特殊な手術を受けました。

体温を15℃に下げられて心肺停止となり、目隠しと耳栓をされていたにもかかわらず、自分が手術される様子を克明に見聞きしていたということです。これも詳細は略しますが、この件は「史上最も詳しく、科学的裏付けのある臨死体験の証言」と言われているそうです。

さらにこの女性の証言は、古今東西に残された「あの世」についての言い伝えとも驚くほど似通っていたとしています。ここで語られていた光景は、国や文化、宗教、時代を超えて多くの臨死体験経験者が証言する内容と一致しています。

この様な証言は、かつてなら「妄想だ」「幻覚だ」あるいは「捏造だ」などと切り捨てられていました。

現在では世界各国であまりに多くの報告があること、それらに不思議な一致が見られることから、「人の意識は、死後も何らかの形で存続する」そして「その形式には何らかの法則性がある」ということを少なからぬ研究者が認めるようになっているそうです。

ここで私はこうした臨死体験が、なぜ「意識が死後も存続する」という話しと結びつくのかがよく分かりません。バージニア大学では、すでに2600件以上の「死後の世界」や「生まれ変わり」に関する証言が集められ、分析されています。

もちろん信頼に足る証言が増えているからと言って、直ちに「死後世界が実存する」とは断言できません。ただ脳や身体の機能が止まるとその先は完全に無であるという考え方は、医学界や科学界でも過去のものになりつつあると言えるでしょう。

当然ですが私はこの意見に賛成できません。やはり「臨死」と「死後」は全く異なるものであり、臨死体験で死後の世界を推定することはできないと思っています。

地球温暖化が豪雨を産むメカニズムとは

2024-09-27 10:36:28 | 自然
今年の夏は本当に暑く、毎年最高の暑さを更新しているような気がします。

ただ私はどちらかと言えば暑い方が好きで、少々の暑さは苦にならないと言えそうです。ただ熱中症で搬送される人が増えるなど気を付けるべきことは多そうです。

今年7月は観測史上最も暑い7月となりました。熱中症で救急搬送された人は、7月29日から8月4日の1週間で、1万2272人となっています。

地球温暖化は、二酸化炭素など温室効果ガスの排出が関わっているとされていて、工業化が進められたこの200年ほどの間に、世界の平均気温が1.1℃上がっています。こういったことに対処するために本年7月、京都大学防災研究所に「気候変動適応研究センター」が設立されました。

ここでは温暖化で雨の降り方がどう変わり、豪雨がどのくらい増えるのかを調べています。研究では世界平均気温が2℃上がると、日本の梅雨豪雨の回数は2割ほど増え、4℃上がると豪雨の回数は5割増え、北海道でも梅雨が起きるようになると予測しています。

豪雨が増えるのに大きく影響しているのが、海面水温の上昇です。日本近海では、海面水温が極端に高い「海洋熱波」と呼ばれる現象が発生しています。北日本の海では、去年平年に比べて海面水温が5℃高い現象が起きていて、今年も高い状態が続いています。

温暖化で豪雨の原因となる水蒸気がどんどん増えて、日本各地に流入してくるようです。今年7月、山形県新庄市では24時間で389ミリの雨が降り、平年7月に降る1カ月の雨量の1.8倍にあたります。温暖化で豪雨が増えると、難しくなるのがダムの運用です。

2013年9月、京都府南丹市の日吉ダムでは、台風18号による大雨で水位が23.7mも上昇しました。この水位は洪水の時に想定していた最高水位を超えていました。

また2018年7月の西日本豪雨では、愛媛県のダムがほぼ満水になり、緊急放流されましたが、川が氾濫し5人が命を落としました。特に渇水が起きるようなダムでは、雨を貯めておく必要性と豪雨での放流の両方を考慮した運用が求められます。

地球温暖化による豪雨の増加は、ダムや堤防などハードの整備が不可欠となります。近代治水の以前は、洪水を受け入れていた日本の社会というものがありました。その頃の知恵を近代的な技術で、もう一度復活させる必要があるとしています。

川の近くに遊水池や田んぼを設けたり、地下に雨水をためる施設を作ったり、より安全な場所に引っ越したりと、流域の人たちで治水と防災に取り組み、災害時に備える時代と言えるようです。

私の自宅は水害とは無縁の土地ですが、防災意識は常に必要なのかもしれません。

宇宙にも生命はいるのか、海と生命の素朴な疑問

2024-09-06 10:34:28 | 自然
宇宙に生命はいるかという質問に、ほとんどの宇宙研究者はいると回答するようです。ただこの場合生命とは何かという定義が必要なのですが、これもまた難しい問題です。

ここでは地球型生命として定義の問題は置いておきますが、海があれば生命はいると考える人は多いでしょう。私は地球以外には生命はいないという論者ですが、この辺りも省略しておきます。

小学生に宇宙の生命の絵を書いてもらうと、タコに似た生き物を描く子が多いようです。SF映画などで描かれる宇宙人やエイリアンみたいな地球外生命体も、変わった形はしているものの眼鼻や手足など、基本的な仕組みは地球生命とだいたい同じです。

ほとんどの人が今の地球にいる生き物を基にした似たようなものをイメージするでしょう。しかし今の地球にいる生命だけが「生命」とは限りません。たぶんもっと広い意味での生命とは何かを考える必要があるのです。

結局この問題はまだはっきりとした答えが出ていないのも確かです。そこでここでは宇宙にも地球と同じような生命がいるかどうかという問題に絞って考えます。この文章のもととなる記事の筆者は、地球にいる生命は決して地球だけの特別なものではないと思っているようです。

どこの星であれそこに海がさえあれば、地球と同じように生命が生まれるはずとしています。地球の海は、深海の熱水噴出孔から湧きだす熱い水と岩石が反応することで、様々な物質が溶けたダシのきいたスープのようなものになったもので、それこそが「海」といえます。

地球で最初の生命は、およそ40億年前に海底の深海熱水噴出孔で生まれたと思われます。もし地球以外の星に地球と同じような海があれば、そこには必ず地球のような熱水噴出孔があるでしょう。そうであれば地球で最初に生まれたのと同じような生命ができあがるはずです。

それが地球生命のように何十億年も生き続け、植物や動物などさまざまな形に進化するかどうかは分かりません。それはその星の環境によるでしょう。しかし海さえあれば、地球生命の共通祖先(ルカと呼ばれています)と同じものが生まれる可能性は高いのではないでしょうか。

私はこの意見に全く賛成できませんが、もう少し続けます。「海」のある星は、既に太陽系の中で見つかっています。木星の衛星エウロパと土星の衛星エンケラドスは、どちらも表面を厚い氷が覆っていますが、その下には海があることが分りました。

とくにエンケラドスの海は、溶けている物質が地球とよく似ていると思われます。とはいっても太陽系でも探査機を送り込んで、地下の海のサンプルを持ち帰るのは私が生きている間には無理な気がします。

地球外生命というのはひとつの夢ではあるのですが、そのために膨大なコストを費やすのはやや疑問に思っています。

台風10号はなぜ進む方向を見失ったのか

2024-09-02 10:31:27 | 自然
今回の台風10号は異様に動きが遅く、8月29日には九州の方にいる割には神奈川県の自宅周辺も強い雨が降りました。

私の自宅は立地的に風水害を心配する必要がないのですが、31日には市内で冠水したり、駐車場で車が水に浸かった映像がテレビで流れ、何人か心配してメールや電話が来ました。

これを入力している9月1日はかなり強い雨が降っていましたが、11時現在は小降りになっています。このまま熱帯高気圧となって収束することを祈っています。

今回の台風は日本へ近づくにつれ進路が大きく変わり、いつまでも進路が定まらないうえに、スピードが遅くなるなど多くの人がイメージする台風とは異なる動きを見せました。この進路のずれに、温暖化の影響があるという説もあるようです。

台風が日本の南海上で進路が定まらず迷走することはよくあります。夏は台風を流す上空の風が弱いことから台風自身が複雑な風をもたらしたり、高気圧に進路を阻まれて停滞するからです。

しかし台風10号は上陸してからも動きが遅く、九州から近畿地方まで進むのに2日以上もかかりました。今回の台風の進路予想を振り返ると、発生当初(8/22)は関東から東海に直撃の心配もありました。それが日を追うごとに進路がずれて、日本列島に長い時間影響を与えました。

この理由の一因が寒冷渦といわれています。この寒冷渦は当初からその存在は分かっていて、多少は影響を及ぼすであろうと見込まれていました。実際はその予想以上に影響を受け、日本の南海上で大きく西へ進路をとることになったのです。

本来ならばどこかのタイミングで偏西風が南下してきてスピードが上がり、それとともに温帯低気圧化するのが台風のセオリーです。しかし今年は太平洋高気圧が日本の北東方向で強く、偏西風は北海道付近を流れたままでした。

そのため台風は太平洋高気圧やチベット高気圧、関東の南海上にあった寒冷渦など比較的速度の遅い、周辺の風に翻弄されノロノロと本州を縦断することになりました。今回10号の動きが見せた違和感は、迷走の場所です。

昨年の6号は沖縄近海(北緯25付近)でうろつき迷走台風となりました。今回と比較すると10号は北緯35度付近で迷走しているので、その位置が約1000キロ北へ上がっていることになります。これは大きな目線でいうと気候帯が北に上がっていると言えるのかもしれません。

温暖化が進むと、台風の移動速度が10%遅くなるという研究結果もあります。つまり温暖化という気候帯のずれが、台風の迷走位置にも影響を与えているという可能性があるのかもしれません。

どうもなんでも温暖化のせいにするという気もしますが、これからも迷走台風は増えるのかもしれません。