ごっとさんのブログ

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地球温暖化が豪雨を産むメカニズムとは

2024-09-27 10:36:28 | 自然
今年の夏は本当に暑く、毎年最高の暑さを更新しているような気がします。

ただ私はどちらかと言えば暑い方が好きで、少々の暑さは苦にならないと言えそうです。ただ熱中症で搬送される人が増えるなど気を付けるべきことは多そうです。

今年7月は観測史上最も暑い7月となりました。熱中症で救急搬送された人は、7月29日から8月4日の1週間で、1万2272人となっています。

地球温暖化は、二酸化炭素など温室効果ガスの排出が関わっているとされていて、工業化が進められたこの200年ほどの間に、世界の平均気温が1.1℃上がっています。こういったことに対処するために本年7月、京都大学防災研究所に「気候変動適応研究センター」が設立されました。

ここでは温暖化で雨の降り方がどう変わり、豪雨がどのくらい増えるのかを調べています。研究では世界平均気温が2℃上がると、日本の梅雨豪雨の回数は2割ほど増え、4℃上がると豪雨の回数は5割増え、北海道でも梅雨が起きるようになると予測しています。

豪雨が増えるのに大きく影響しているのが、海面水温の上昇です。日本近海では、海面水温が極端に高い「海洋熱波」と呼ばれる現象が発生しています。北日本の海では、去年平年に比べて海面水温が5℃高い現象が起きていて、今年も高い状態が続いています。

温暖化で豪雨の原因となる水蒸気がどんどん増えて、日本各地に流入してくるようです。今年7月、山形県新庄市では24時間で389ミリの雨が降り、平年7月に降る1カ月の雨量の1.8倍にあたります。温暖化で豪雨が増えると、難しくなるのがダムの運用です。

2013年9月、京都府南丹市の日吉ダムでは、台風18号による大雨で水位が23.7mも上昇しました。この水位は洪水の時に想定していた最高水位を超えていました。

また2018年7月の西日本豪雨では、愛媛県のダムがほぼ満水になり、緊急放流されましたが、川が氾濫し5人が命を落としました。特に渇水が起きるようなダムでは、雨を貯めておく必要性と豪雨での放流の両方を考慮した運用が求められます。

地球温暖化による豪雨の増加は、ダムや堤防などハードの整備が不可欠となります。近代治水の以前は、洪水を受け入れていた日本の社会というものがありました。その頃の知恵を近代的な技術で、もう一度復活させる必要があるとしています。

川の近くに遊水池や田んぼを設けたり、地下に雨水をためる施設を作ったり、より安全な場所に引っ越したりと、流域の人たちで治水と防災に取り組み、災害時に備える時代と言えるようです。

私の自宅は水害とは無縁の土地ですが、防災意識は常に必要なのかもしれません。

宇宙にも生命はいるのか、海と生命の素朴な疑問

2024-09-06 10:34:28 | 自然
宇宙に生命はいるかという質問に、ほとんどの宇宙研究者はいると回答するようです。ただこの場合生命とは何かという定義が必要なのですが、これもまた難しい問題です。

ここでは地球型生命として定義の問題は置いておきますが、海があれば生命はいると考える人は多いでしょう。私は地球以外には生命はいないという論者ですが、この辺りも省略しておきます。

小学生に宇宙の生命の絵を書いてもらうと、タコに似た生き物を描く子が多いようです。SF映画などで描かれる宇宙人やエイリアンみたいな地球外生命体も、変わった形はしているものの眼鼻や手足など、基本的な仕組みは地球生命とだいたい同じです。

ほとんどの人が今の地球にいる生き物を基にした似たようなものをイメージするでしょう。しかし今の地球にいる生命だけが「生命」とは限りません。たぶんもっと広い意味での生命とは何かを考える必要があるのです。

結局この問題はまだはっきりとした答えが出ていないのも確かです。そこでここでは宇宙にも地球と同じような生命がいるかどうかという問題に絞って考えます。この文章のもととなる記事の筆者は、地球にいる生命は決して地球だけの特別なものではないと思っているようです。

どこの星であれそこに海がさえあれば、地球と同じように生命が生まれるはずとしています。地球の海は、深海の熱水噴出孔から湧きだす熱い水と岩石が反応することで、様々な物質が溶けたダシのきいたスープのようなものになったもので、それこそが「海」といえます。

地球で最初の生命は、およそ40億年前に海底の深海熱水噴出孔で生まれたと思われます。もし地球以外の星に地球と同じような海があれば、そこには必ず地球のような熱水噴出孔があるでしょう。そうであれば地球で最初に生まれたのと同じような生命ができあがるはずです。

それが地球生命のように何十億年も生き続け、植物や動物などさまざまな形に進化するかどうかは分かりません。それはその星の環境によるでしょう。しかし海さえあれば、地球生命の共通祖先(ルカと呼ばれています)と同じものが生まれる可能性は高いのではないでしょうか。

私はこの意見に全く賛成できませんが、もう少し続けます。「海」のある星は、既に太陽系の中で見つかっています。木星の衛星エウロパと土星の衛星エンケラドスは、どちらも表面を厚い氷が覆っていますが、その下には海があることが分りました。

とくにエンケラドスの海は、溶けている物質が地球とよく似ていると思われます。とはいっても太陽系でも探査機を送り込んで、地下の海のサンプルを持ち帰るのは私が生きている間には無理な気がします。

地球外生命というのはひとつの夢ではあるのですが、そのために膨大なコストを費やすのはやや疑問に思っています。

台風10号はなぜ進む方向を見失ったのか

2024-09-02 10:31:27 | 自然
今回の台風10号は異様に動きが遅く、8月29日には九州の方にいる割には神奈川県の自宅周辺も強い雨が降りました。

私の自宅は立地的に風水害を心配する必要がないのですが、31日には市内で冠水したり、駐車場で車が水に浸かった映像がテレビで流れ、何人か心配してメールや電話が来ました。

これを入力している9月1日はかなり強い雨が降っていましたが、11時現在は小降りになっています。このまま熱帯高気圧となって収束することを祈っています。

今回の台風は日本へ近づくにつれ進路が大きく変わり、いつまでも進路が定まらないうえに、スピードが遅くなるなど多くの人がイメージする台風とは異なる動きを見せました。この進路のずれに、温暖化の影響があるという説もあるようです。

台風が日本の南海上で進路が定まらず迷走することはよくあります。夏は台風を流す上空の風が弱いことから台風自身が複雑な風をもたらしたり、高気圧に進路を阻まれて停滞するからです。

しかし台風10号は上陸してからも動きが遅く、九州から近畿地方まで進むのに2日以上もかかりました。今回の台風の進路予想を振り返ると、発生当初(8/22)は関東から東海に直撃の心配もありました。それが日を追うごとに進路がずれて、日本列島に長い時間影響を与えました。

この理由の一因が寒冷渦といわれています。この寒冷渦は当初からその存在は分かっていて、多少は影響を及ぼすであろうと見込まれていました。実際はその予想以上に影響を受け、日本の南海上で大きく西へ進路をとることになったのです。

本来ならばどこかのタイミングで偏西風が南下してきてスピードが上がり、それとともに温帯低気圧化するのが台風のセオリーです。しかし今年は太平洋高気圧が日本の北東方向で強く、偏西風は北海道付近を流れたままでした。

そのため台風は太平洋高気圧やチベット高気圧、関東の南海上にあった寒冷渦など比較的速度の遅い、周辺の風に翻弄されノロノロと本州を縦断することになりました。今回10号の動きが見せた違和感は、迷走の場所です。

昨年の6号は沖縄近海(北緯25付近)でうろつき迷走台風となりました。今回と比較すると10号は北緯35度付近で迷走しているので、その位置が約1000キロ北へ上がっていることになります。これは大きな目線でいうと気候帯が北に上がっていると言えるのかもしれません。

温暖化が進むと、台風の移動速度が10%遅くなるという研究結果もあります。つまり温暖化という気候帯のずれが、台風の迷走位置にも影響を与えているという可能性があるのかもしれません。

どうもなんでも温暖化のせいにするという気もしますが、これからも迷走台風は増えるのかもしれません。

人間は44歳と60歳で急激に老いるという理論

2024-08-31 10:34:26 | 自然
私は既に77歳となり、色々な場面で老いを感じています。特に今年2月に新型コロナで肺炎となり、10日ほど入院して以来その時に減った体重が半年もたっているのにまだ回復していません。

ところが人は徐々に老いるのではなく、特定の年齢で急激に老化するという研究成果が発表されました。アメリカのスタンフォード大学などの研究チームは8月に「人間は急に老いる時期が2回ある」と発表しました。

研究チームは108人を対象とし、数カ月ごとに血液や皮膚などのサンプルを採取しました。最長で7年間の追跡調査を行ったところ「44歳と60歳前後」で身体機能の低下を始めとする急激な老化が認められたとしています。

この発表により、老化の概念が全く変わってしまったようです。これまで人間は年を重ねるごとに老いていくというのが常識でした。今回の発表によると、例えばコーヒーや紅茶、緑茶に含まれているカフェインを代謝する能力は、40歳前後で一度著しく低下します。

しかしその後は50代後半まで顕著な変化を示しません。そして60歳前後になると、再び代謝は大きく低下するのです。日本には昔から厄年という概念があります。男性の本厄は数えで25歳、42歳、61歳の3つであり、これは医学的に見ても非常に示唆的なようです。

まず生物としての人間は20歳で頂点を迎えます。20代後半の社会人などが高校生を見て、若くていいなと感嘆しますが、医学的には間違っていません。その後いよいよ老化が現実味を帯びる40代となると、研究チームが「44歳で老いる」と発表した通り、この年代の患者が増えてくるようです。

日本人は生死を見つめ続け、40代は健康に注意した方がいい時期だと経験から分かっており、それを厄年という概念で表したとしています。臨床の観点から40代はまだまだ健康だが、精神的なストレスが体調に影響を与えることもある時期だと言えます。

44歳で急激な老化を迎えると、さらにストレスの影響を受けることは当然と言えます。それでもまだまだ40代が元気な年齢であることも事実です。老いを実感するのはやはり60代からで、60歳は老いの入り口だと言えます。

ひとつの特徴として、どんなに節制しても遺伝的な要因で症状が出ることが挙げられます。40代の高血圧は不摂生を疑われますが、両親のどちらかが高血圧の場合、その子供は60代になると高血圧になる確率が上がってしまいます。

このように遺伝的な特質が出てくるのが60代といえるようです。「44歳と60歳前後でヒトは急激に老いる」という研究を実際に当てはめると、色々と適合することが出てくるようです。

私自身は全く実感がありませんので、知らず知らずのうちにこの時期を過ごしたのかもしれません。

悪夢に隠された意味と現実との関連

2024-08-27 10:36:50 | 自然
私はどうも夢を覚えていない体質のようで、ある意味全く夢を見たことがないと言っても良いのかもしれません。たぶんレム睡眠中には夢を見ているはずで、朝起きると忘れているのが現実でしょう。

非常に面白い夢を見て目が覚め、これは明日かみさんに話そうと思って寝たところ、かみさんに話そうと思ったことは覚えているのですが、夢の内容は全く思い出せなかったという事がありました。

従って夢の話は私と全く関係がないのですが、夢についての面白い解説がありました。夢の中には、単に日中の出来事を整理しているだけのものもあります。しかし特に悪夢の場合は、現実世界での課題や感情的な葛藤を処理しようとする心の働きの可能性もあるようです。

追いかけられる夢では、正体不明の人物、恐ろしい動物、あるいは得体のしれない力から逃げている状況を経験することがあります。差し迫った危険を感じ、どんなに早く走っても追手が迫ってくるように感じます。

今年7月に発表された研究によると、この様な夢は現実世界での人間関係の悪化と関連していることが分りました。研究者たちは、これは夢の「脅威シミュレーション理論」によって説明できると示唆しています。

この理論によれば、夢は現実世界における脅威の認識と回避のメカニズムを練習し、改善するために驚異的な出来事をシミュレートするという進化的な機能を果たしているとしています。これは安全な環境で潜在的な危険に対する反応をリハーサルするのに役立つようです。

この理論はこのような夢は単なる偶然の出来事ではなく、生存のための祖先の必要性に深く根ざしていることを示唆しています。過去において追いかけられることは、捕食者や敵対的な個人からの現実の物理的な脅威を意味していた可能性があります。

現代社会では、これらの脅威はしばしば社会的または感情的な課題として現れ、脳はそれらを処理するために夢を利用しているとしています。窒息する夢は、しばしば非常に苦痛を伴います。

これらの夢では目に見えない力が胸や喉を圧迫しているかのように、呼吸がどんどん苦しくなる状況に陥ることがあります。

これに関してはイスラエルの研究チームが発表した研究では、窒息する夢は現実世界における心理的苦痛と一般的な睡眠障害を経験することと関連していることが示されています。

生理学的には、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸器系の問題や、覚醒時に呼吸の問題を抱えている人は、窒息する夢をより頻繁に見ると報告されています。

この様に夢の研究は活発に行われていますが、昔からある「夢判断」の延長のような感じがするような気もします。