医療技術や医薬品の進歩によって難しい病気やケガから回復でき、ガンになってもその7割が10年後も生きていける時代になりました。
しかしこれだけ医療が発達しても、ガンや感染症などの予防や治療として、科学的根拠のない健康食品や療法を選ぶ人も少なくありません。
こういった代替医療や健康法を選ぶには、「生きるとはどういうことか」という根本的な課題が潜んでいるような気がします。
現代医学では数字で表されるデータを重要視しています。俗に「エビデンスがある」というフレーズで説明される、科学的に確からしい正解を数字やグラフと共に示し、これが最適だと訴えても自分が治ること、この苦痛がなくなることが重要だと思う患者には響かないものといえます。
例えば医師が標準治療と代替の療法の生存率の違いで、5年生存率は代替療法のみだと50%、標準療法では75%と示したとします。患者はつらい標準治療でなくとも50%は生きる、最善という治療をしても25%は亡くなるという風に感じてしまうものです。
エビデンスが示すことができるのは、絶対的な正しさではなく、確からしさであるため、当事者や家族の安心感を生み出しにくくなっているようです。
現代の医療も治療後の期間、あるいは亡くなるまでの期間のQOL(生活の質)を重視しようという考え方は増えつつありますが、「長く生きることが最上」という価値観はまだ大きいようです。
病気をかかえながら唯一の人生を生きていくことと、生存率の差を示しより長い方が良いというエビデンスに基づく医療の考え方は、うまく交叉しないことがあります。例えば患者によっては寿命が短くなっても酒やタバコを吸いたい、しかし医学的には二つともやめて長く生きた方が良いといったところです。
こういった対立や迷いの根底には、前述の「生きるとはどういうことか」という本質的な問いが流れています。エビデンスに基づく医学は「こういう確率です」としか言えませんが、代替療法は「こうすれば治る」ときっぱり語ってくれます。
しかも代替療法の多くは「副作用がない」と宣伝するものが多いようです。医師は事実を正確に伝えるため、100%を保証することはできない、ということも患者の満足度が下がる原因となっています。
代替医療はこの原因を取り除ければ治るといった、非常分かりやすいストーリーを提供します。ここでは患者の受け止め方を主に標準医療と代替医療について述べてきましたが、現代の医療体制も色々な問題を抱えていることは確かです。
患者の生存期間を如何に伸ばすかだけではなく、心の問題にも配慮した医療が必要とされているのは確かと思われます。
しかしこれだけ医療が発達しても、ガンや感染症などの予防や治療として、科学的根拠のない健康食品や療法を選ぶ人も少なくありません。
こういった代替医療や健康法を選ぶには、「生きるとはどういうことか」という根本的な課題が潜んでいるような気がします。
現代医学では数字で表されるデータを重要視しています。俗に「エビデンスがある」というフレーズで説明される、科学的に確からしい正解を数字やグラフと共に示し、これが最適だと訴えても自分が治ること、この苦痛がなくなることが重要だと思う患者には響かないものといえます。
例えば医師が標準治療と代替の療法の生存率の違いで、5年生存率は代替療法のみだと50%、標準療法では75%と示したとします。患者はつらい標準治療でなくとも50%は生きる、最善という治療をしても25%は亡くなるという風に感じてしまうものです。
エビデンスが示すことができるのは、絶対的な正しさではなく、確からしさであるため、当事者や家族の安心感を生み出しにくくなっているようです。
現代の医療も治療後の期間、あるいは亡くなるまでの期間のQOL(生活の質)を重視しようという考え方は増えつつありますが、「長く生きることが最上」という価値観はまだ大きいようです。
病気をかかえながら唯一の人生を生きていくことと、生存率の差を示しより長い方が良いというエビデンスに基づく医療の考え方は、うまく交叉しないことがあります。例えば患者によっては寿命が短くなっても酒やタバコを吸いたい、しかし医学的には二つともやめて長く生きた方が良いといったところです。
こういった対立や迷いの根底には、前述の「生きるとはどういうことか」という本質的な問いが流れています。エビデンスに基づく医学は「こういう確率です」としか言えませんが、代替療法は「こうすれば治る」ときっぱり語ってくれます。
しかも代替療法の多くは「副作用がない」と宣伝するものが多いようです。医師は事実を正確に伝えるため、100%を保証することはできない、ということも患者の満足度が下がる原因となっています。
代替医療はこの原因を取り除ければ治るといった、非常分かりやすいストーリーを提供します。ここでは患者の受け止め方を主に標準医療と代替医療について述べてきましたが、現代の医療体制も色々な問題を抱えていることは確かです。
患者の生存期間を如何に伸ばすかだけではなく、心の問題にも配慮した医療が必要とされているのは確かと思われます。