新型コロナウイルスを捕まえ、不活化する「人工抗体」を作製することに成功したと、名古屋大学と名古屋医療センターの研究グループが発表しました。
この人工抗体が付いたウイルスは細胞に感染しなくなることなども確認さています。新たな治療薬や抗原検査キット、さらにワクチンに代わる感染防止薬の開発につながる成果と期待されます。
研究グループは、ランダムに作製した約10兆種類にも及ぶ人工抗体の候補を用意しました。そのうえで新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」を付けた磁気微粒子を、人工抗体の候補が入った容器に投入しました。
磁石で磁気微粒子を引き上げる方法で、スパイクタンパク質と結合した人工抗体を多数捉えました。この中でウイルスの抗原であるスパイクタンパク質と強く結合する人工抗体を選び出しました。
これまでは人工抗体を作るのに数週間程度かかっていましたが、名古屋大学などの研究グループは今回「TRAP提示法」と呼ばれる新しい技術を使って4日間で複数の人工抗体を作製できたようです。
研究グループによる実験では、作製した複数の人工抗体が新型コロナウイルスだけに強く結合することを確認しました。ウイルスとこの人工抗体を混ぜることにより、ウイルスを細胞に感染させない効果があることも確かめました。
この人工抗体は大腸菌を使って大量生産できるようです。今回作製した人工抗体は、感染しても症状を重篤化させない治療薬や抗原検査キットの開発につながるほか、ワクチンなしでも感染を防ぐことができる中和抗体としても応用できる可能性があるとしています。
新型コロナに感染すると体内に抗体ができ、ウイルスに再び感染するのを防ごうとします。ワクチンはさまざまな方法がありますが、人体に擬似的な感染状態を作り免疫機構に抗体を作らせます。
新型コロナに対しては、遺伝子を使うDNAワクチンやRNAワクチンの開発が主流になっています。人工抗体は抗体となるタンパク質を体外で作製して体内に入れます。
ワクチンはその効果と安全性確認のために開発から承認までかなりの時間がかかりますが、人工抗体の開発期間はワクチンより短く、副作用も比較的少ないとされています。
人工抗体については海外でも盛んに開発研究が行われていますが、国内では北里大学の研究グループが5月に、今回の名古屋大学とは別な手法により人工抗体の作製に成功したと発表しています。
このように人工抗体については次々に新しい知見が出ており、期待できる治療法となりそうです。人工抗体という名前を使っていますが、いわゆる自然の抗体と同じような機能はないでしょう。その観点では、体内に入れてからの安定性が問題となるのかもしれません。
この人工抗体が付いたウイルスは細胞に感染しなくなることなども確認さています。新たな治療薬や抗原検査キット、さらにワクチンに代わる感染防止薬の開発につながる成果と期待されます。
研究グループは、ランダムに作製した約10兆種類にも及ぶ人工抗体の候補を用意しました。そのうえで新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」を付けた磁気微粒子を、人工抗体の候補が入った容器に投入しました。
磁石で磁気微粒子を引き上げる方法で、スパイクタンパク質と結合した人工抗体を多数捉えました。この中でウイルスの抗原であるスパイクタンパク質と強く結合する人工抗体を選び出しました。
これまでは人工抗体を作るのに数週間程度かかっていましたが、名古屋大学などの研究グループは今回「TRAP提示法」と呼ばれる新しい技術を使って4日間で複数の人工抗体を作製できたようです。
研究グループによる実験では、作製した複数の人工抗体が新型コロナウイルスだけに強く結合することを確認しました。ウイルスとこの人工抗体を混ぜることにより、ウイルスを細胞に感染させない効果があることも確かめました。
この人工抗体は大腸菌を使って大量生産できるようです。今回作製した人工抗体は、感染しても症状を重篤化させない治療薬や抗原検査キットの開発につながるほか、ワクチンなしでも感染を防ぐことができる中和抗体としても応用できる可能性があるとしています。
新型コロナに感染すると体内に抗体ができ、ウイルスに再び感染するのを防ごうとします。ワクチンはさまざまな方法がありますが、人体に擬似的な感染状態を作り免疫機構に抗体を作らせます。
新型コロナに対しては、遺伝子を使うDNAワクチンやRNAワクチンの開発が主流になっています。人工抗体は抗体となるタンパク質を体外で作製して体内に入れます。
ワクチンはその効果と安全性確認のために開発から承認までかなりの時間がかかりますが、人工抗体の開発期間はワクチンより短く、副作用も比較的少ないとされています。
人工抗体については海外でも盛んに開発研究が行われていますが、国内では北里大学の研究グループが5月に、今回の名古屋大学とは別な手法により人工抗体の作製に成功したと発表しています。
このように人工抗体については次々に新しい知見が出ており、期待できる治療法となりそうです。人工抗体という名前を使っていますが、いわゆる自然の抗体と同じような機能はないでしょう。その観点では、体内に入れてからの安定性が問題となるのかもしれません。