ごっとさんのブログ

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膵臓ガンの早期発見を期待される方法

2024-09-24 10:36:18 | 健康・医療
もう10年前ぐらいになりますが、私の家ではかみさんとガンマーカーの検査をしていました。

これは指先から採血して、血清を分離し(装置が付いていました)それを検査機関に送ると腫瘍マーカーを調べてくれるというものでした。当時は腫瘍マーカーの信頼度などが低く、この値によってガンがあるかどうかは怪しいという評価でしたが、何となく興味があり実施していました。

結局陽性になることもなく、3年程度で止めてしまいましたが、現在はその精度や信頼度は向上しているようです。それでもマーカーのうちPSAという値で、前立腺ガンを判定するくらいしか実用化していません。

これは腫瘍マーカーではないのですが、早期発見が難しい膵臓ガンについて判定する方法が開発されました。

京都大学と医療機器メーカーなどの研究チームが、血液中の約100種類の分子を測定し、人工知能(AI)に機械学習させて作った判別モデルで患者を高い精度で見分ける手法を開発しました。

今後膵臓ガンリスクが高い人らで有効かさらに検証を進め、新たな検査法として国への承認申請を目指すとしています。膵臓ガンは国内では年約4万4千人(2020年、国立がん研究センター調べ)が診断されます。

大腸ガンや胃ガン、肺ガンに比べると発症率は低いのですが、5年生存率は8%台で年約3万9千人が亡くなっています。

臓器別のガン死者数では男性で4位、女性で3位を占めています。ガン細胞が周囲の組織に入り込む「浸潤」で広がり、肝臓や肺などに転移しやすく、約半数がガンが最も進行したステージ4で見つかります。

早期に見つけられれば生存率は高いのですが、初期のガンは無症状が多く、有効な診断方法がないのが課題となっていました。研究チームは遺伝子の働きを制御する、リボ核酸(RNA)のごく短い断片である「マイクロRNA」に注目しました。

血液中にある2500超の種類のうち量が多い100種類と、従来ある腫瘍マーカーの「CA19-9」を、京大病院など17施設の92人の膵臓ガン患者と93人の健康な人からデータを集めました。これをAIに機械学習させて判別モデルを作り、別の患者ら240人で有効か検証してみました。

その結果、腫瘍マーカーだけなら、進行度が低いステージ1の患者で陽性は29%でしたが、この新たな手法で83%まで高まりました。

ごく初期でガンを見つけるのが難しいステージ0では、0%と全く見つかりませんでしたが、新たな手法では50%まで上がるなど、進行度が低いガンを診断するのに有効なことが確認できました。

この新しい手法がいつごろから実用化されるのか分かりませんが、膵臓ガンの早期発見法として期待が持てる手法といえるようです。