ごっとさんのブログ

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台風10号はなぜ進む方向を見失ったのか

2024-09-02 10:31:27 | 自然
今回の台風10号は異様に動きが遅く、8月29日には九州の方にいる割には神奈川県の自宅周辺も強い雨が降りました。

私の自宅は立地的に風水害を心配する必要がないのですが、31日には市内で冠水したり、駐車場で車が水に浸かった映像がテレビで流れ、何人か心配してメールや電話が来ました。

これを入力している9月1日はかなり強い雨が降っていましたが、11時現在は小降りになっています。このまま熱帯高気圧となって収束することを祈っています。

今回の台風は日本へ近づくにつれ進路が大きく変わり、いつまでも進路が定まらないうえに、スピードが遅くなるなど多くの人がイメージする台風とは異なる動きを見せました。この進路のずれに、温暖化の影響があるという説もあるようです。

台風が日本の南海上で進路が定まらず迷走することはよくあります。夏は台風を流す上空の風が弱いことから台風自身が複雑な風をもたらしたり、高気圧に進路を阻まれて停滞するからです。

しかし台風10号は上陸してからも動きが遅く、九州から近畿地方まで進むのに2日以上もかかりました。今回の台風の進路予想を振り返ると、発生当初(8/22)は関東から東海に直撃の心配もありました。それが日を追うごとに進路がずれて、日本列島に長い時間影響を与えました。

この理由の一因が寒冷渦といわれています。この寒冷渦は当初からその存在は分かっていて、多少は影響を及ぼすであろうと見込まれていました。実際はその予想以上に影響を受け、日本の南海上で大きく西へ進路をとることになったのです。

本来ならばどこかのタイミングで偏西風が南下してきてスピードが上がり、それとともに温帯低気圧化するのが台風のセオリーです。しかし今年は太平洋高気圧が日本の北東方向で強く、偏西風は北海道付近を流れたままでした。

そのため台風は太平洋高気圧やチベット高気圧、関東の南海上にあった寒冷渦など比較的速度の遅い、周辺の風に翻弄されノロノロと本州を縦断することになりました。今回10号の動きが見せた違和感は、迷走の場所です。

昨年の6号は沖縄近海(北緯25付近)でうろつき迷走台風となりました。今回と比較すると10号は北緯35度付近で迷走しているので、その位置が約1000キロ北へ上がっていることになります。これは大きな目線でいうと気候帯が北に上がっていると言えるのかもしれません。

温暖化が進むと、台風の移動速度が10%遅くなるという研究結果もあります。つまり温暖化という気候帯のずれが、台風の迷走位置にも影響を与えているという可能性があるのかもしれません。

どうもなんでも温暖化のせいにするという気もしますが、これからも迷走台風は増えるのかもしれません。