私はAI(人工知能)に興味を追っており、そういった記事には大体目を通しています。そのなかでかならず「いつの日かAIは自我を持ち、人類を排除するのではないか」という文があります。
しかしほとんどがそれを否定しており、これは単なる杞憂ではないかと思っています。その理由は簡単で、AIと人間の知能は本質的に異なっているからです。ただ知能とは何かという問題にはまだ明確な答えが出ていません。
コンピュータの同義語が電子計算機という名前になってしまっているのは、一種の誤謬といえます。コンピュータは別に電子回路で作らないといけないという訳ではありません。
今の計算機は半導体を用いて作られていますが、初期の電子計算機は真空管という全く別のデバイスを用いて作られていました。真空管というのは今ではすっかり見かけなくなってしまいましたが、私が若いころはどの家庭でも見かけるありふれた電子部品でした。
テレビ(ブラウン管の古いテレビ)の裏側の板を外すと中には真空管が一杯刺さった回路版があったものです。真空管は概略を述べると、電子的に電流の大きさを制御する部品です。
一定の電圧下で流れる電流を制御するには、回路の電気抵抗をコントロールすればいいのですが、電気抵抗は簡単には制御できず、どうしても物理的な構成を変えないといけないという問題があり、電気的な制御だけでやろうとすると無理があります。
真空管は真空を移動する電子の流れを、外から電場をかけて制御する方法で、簡単に電流の量を制御できます。
これに対して半導体はその名の通り導体という電気が流れる状態と絶縁体という電気が流れない状態の中間の物質なので、これに微小な電圧を付加的にかけることで真空管と同じような電流の制御ができます。
そのうえ物性科学で作られているため顕微鏡サイズの微細加工で製造でき、真空管よりもはるかに小さなサイズになります。
世界初のプログラム可能なコンピュータの構想として有名なバベッジの階差機関は、電子回路など夢想もできない時代の代物なので、動力を伝達するベルトと歯車で作られていました(後年動くことが確認されている)。
余談ですが日本も当時、パラメトロンという微細な磁石を論理素子に使った計算機を構想し、実際に動作する実機まで制作されたそうです。しかし計算速度の点で電子計算機には対抗できず、世間に普及することはありませんでした。
この脳という人間の器官で実現している知能というが、脳というハードは独立にソフトウエアだけで代替できるという、コンピュータでも実現できると考えたところに、大きな飛躍があったようです。
それでもAIに人間と同じような知能を持たせるというのは、今後に託された夢といえる気がします。
しかしほとんどがそれを否定しており、これは単なる杞憂ではないかと思っています。その理由は簡単で、AIと人間の知能は本質的に異なっているからです。ただ知能とは何かという問題にはまだ明確な答えが出ていません。
コンピュータの同義語が電子計算機という名前になってしまっているのは、一種の誤謬といえます。コンピュータは別に電子回路で作らないといけないという訳ではありません。
今の計算機は半導体を用いて作られていますが、初期の電子計算機は真空管という全く別のデバイスを用いて作られていました。真空管というのは今ではすっかり見かけなくなってしまいましたが、私が若いころはどの家庭でも見かけるありふれた電子部品でした。
テレビ(ブラウン管の古いテレビ)の裏側の板を外すと中には真空管が一杯刺さった回路版があったものです。真空管は概略を述べると、電子的に電流の大きさを制御する部品です。
一定の電圧下で流れる電流を制御するには、回路の電気抵抗をコントロールすればいいのですが、電気抵抗は簡単には制御できず、どうしても物理的な構成を変えないといけないという問題があり、電気的な制御だけでやろうとすると無理があります。
真空管は真空を移動する電子の流れを、外から電場をかけて制御する方法で、簡単に電流の量を制御できます。
これに対して半導体はその名の通り導体という電気が流れる状態と絶縁体という電気が流れない状態の中間の物質なので、これに微小な電圧を付加的にかけることで真空管と同じような電流の制御ができます。
そのうえ物性科学で作られているため顕微鏡サイズの微細加工で製造でき、真空管よりもはるかに小さなサイズになります。
世界初のプログラム可能なコンピュータの構想として有名なバベッジの階差機関は、電子回路など夢想もできない時代の代物なので、動力を伝達するベルトと歯車で作られていました(後年動くことが確認されている)。
余談ですが日本も当時、パラメトロンという微細な磁石を論理素子に使った計算機を構想し、実際に動作する実機まで制作されたそうです。しかし計算速度の点で電子計算機には対抗できず、世間に普及することはありませんでした。
この脳という人間の器官で実現している知能というが、脳というハードは独立にソフトウエアだけで代替できるという、コンピュータでも実現できると考えたところに、大きな飛躍があったようです。
それでもAIに人間と同じような知能を持たせるというのは、今後に託された夢といえる気がします。