ヒトの腸の中には約40兆個、重さ1~1.5キロにもなる細菌が住んでおり、「腸内細菌叢」と呼ばれています。
その働きはまだ十分に分かっていませんが、腸内細菌叢の乱れが、様々な病気の発症と関係している可能性が指摘されています。
腸内細菌と大腸ガンの関係について6月に、大阪大学の研究グループが興味深い研究結果を発表しました。大腸ガンの発症に関係する腸内細菌を特定したという内容で、将来的には便の中に含まれる細菌の種類や量を調べることで、大腸がんを早期に発見できる検査法の開発が期待できるようです。
この研究の対象となったのは、国立ガン研究センターで大腸内視鏡検査を受けたガン患者の616人です。食生活などのアンケート調査を行ったうえで、採取した便を凍結し腸内細菌のDNAを丸ごと調べるメタゲノム解析などを行い、患者一人ひとりの腸内細菌の状態を分析し、大腸内視鏡検査の診断結果と突き合わせました。
その結果、ガンの進行によって、便の中に増殖している腸内細菌が大きく異なることが明らかになりました。
細菌の増減は大きく二つのパターンに分かれ、一つは早期の段階から増加して病気の進行とともに増えていくパターンです。このパターンの多くの細菌は、進行した大腸ガンで増えていることが既に報告されています。
今回新たに分かったのはもう一つのパターンで、ポリープや粘膜内ガンなど早期の段階でのみ増える、2種類の細菌が特定されました。研究グループは、これらの細菌が大腸ガン発症の初期に関係していることが強く示唆されたとしています。
特定の細菌が増えたり減ったりしたことが原因でガンを引き起こしたのか、ガンを発症した結果として特定の細菌の増減があるのかという点も問題です。
今回の研究ではあくまでその時点での腸内細菌の状態を調べたもので、変化がガンの原因か結果まではわからないようです。
細菌感染で引き起こされるガンと言えば、胃ガンとピロリ菌の関係がよく知られています。胃ガンでは抗生物質でピロリ菌を排除することで、発症を予防しようという除菌治療がすでに確立されています。
大腸がんの場合は、多くの種類の腸内細菌が複雑に影響していると考えられることから、胃ガンの除菌治療のように単純にはいかないようです。日本では1年間に大腸がんを発症する人は約15万人で、ガンの種類の中で最も多くなっています。
今回の研究成果が期待されるのは、患者の便から腸内細菌の状態を調べることで、大腸がんの早期発見に繋げられることです。まだ大腸がんを発症していなくても、ガンになりやすい腸内環境を持つハイリスクの人を見つけ出すことで、ガンの発症予防にもつながるようです。
その働きはまだ十分に分かっていませんが、腸内細菌叢の乱れが、様々な病気の発症と関係している可能性が指摘されています。
腸内細菌と大腸ガンの関係について6月に、大阪大学の研究グループが興味深い研究結果を発表しました。大腸ガンの発症に関係する腸内細菌を特定したという内容で、将来的には便の中に含まれる細菌の種類や量を調べることで、大腸がんを早期に発見できる検査法の開発が期待できるようです。
この研究の対象となったのは、国立ガン研究センターで大腸内視鏡検査を受けたガン患者の616人です。食生活などのアンケート調査を行ったうえで、採取した便を凍結し腸内細菌のDNAを丸ごと調べるメタゲノム解析などを行い、患者一人ひとりの腸内細菌の状態を分析し、大腸内視鏡検査の診断結果と突き合わせました。
その結果、ガンの進行によって、便の中に増殖している腸内細菌が大きく異なることが明らかになりました。
細菌の増減は大きく二つのパターンに分かれ、一つは早期の段階から増加して病気の進行とともに増えていくパターンです。このパターンの多くの細菌は、進行した大腸ガンで増えていることが既に報告されています。
今回新たに分かったのはもう一つのパターンで、ポリープや粘膜内ガンなど早期の段階でのみ増える、2種類の細菌が特定されました。研究グループは、これらの細菌が大腸ガン発症の初期に関係していることが強く示唆されたとしています。
特定の細菌が増えたり減ったりしたことが原因でガンを引き起こしたのか、ガンを発症した結果として特定の細菌の増減があるのかという点も問題です。
今回の研究ではあくまでその時点での腸内細菌の状態を調べたもので、変化がガンの原因か結果まではわからないようです。
細菌感染で引き起こされるガンと言えば、胃ガンとピロリ菌の関係がよく知られています。胃ガンでは抗生物質でピロリ菌を排除することで、発症を予防しようという除菌治療がすでに確立されています。
大腸がんの場合は、多くの種類の腸内細菌が複雑に影響していると考えられることから、胃ガンの除菌治療のように単純にはいかないようです。日本では1年間に大腸がんを発症する人は約15万人で、ガンの種類の中で最も多くなっています。
今回の研究成果が期待されるのは、患者の便から腸内細菌の状態を調べることで、大腸がんの早期発見に繋げられることです。まだ大腸がんを発症していなくても、ガンになりやすい腸内環境を持つハイリスクの人を見つけ出すことで、ガンの発症予防にもつながるようです。
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