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頭がいい人と悪い人はどこが違うのか

2021-02-02 09:49:31 | 自然
頭が良いということは何をもって言うのかなかなか難しいところです。子供のうちは勉強ができるとかしっかりした受け答えがができるといったことですが、大人になってからはなかなか定義が難しいようです。

頭の良さは脳のどの部分のどのような働きで決まるのか、脳研究者たちが取り組んできたこの問題が少しずつ明らかになったという記事が現代ビジネスに掲載されていました。

ここでは頭の良さは「速く」て「精密」で「効率が良い」というようなまとめ方をしています。脳の中で速くて精密な情報処理を行っているのはニューロンと呼ばれる脳細胞で、頭が良いというのはニューロンによるものと考えられてきました。

しかし最新の研究では、「ニューロン以外の脳」の要素が、頭の良さに関わっているという証拠が出ています。約1300グラムの脳の中には、数千億個という途方もない数のニューロンがあり、さらに非常に複雑に枝分かれした突起が他のニューロンと接続して回路を形成しています。

この接続部分はシナプスと呼ばれ、数千個ものシナプスが存在しています。ニューロンは電気的な活動で信号を送りますが、シナプスで化学物質に置き換えて情報を伝達しています。

2018年にドイツの研究者らが報告した結果では、IQが高い人ほど脳の体積が大きいにもかかわらず、脳の配線がシンプルになっている可能性が示唆されました。シンプルならばなにが体積を増やしているかというと、ニューロン以外の脳細胞として「グリア細胞」が注目されています。

このグリアとは接着物質という意味で、レンガの隙間を埋めるパテや日本語では膠(にかわ)という意味となっています。グリア細胞は脳の構造を支えている支持細胞としてだけではなく、脳内環境を一定に保つ働きをしているようです。

グリア細胞のような支持細胞は、線虫などの原始的な動物でも確認されており、神経細胞群が巨大化するにつれてグリア細胞も増えていきました。現在ヒトではニューロンとグリア細胞の比率は部位にもよりますが、ほぼ1:1であると考えられています。

いろいろな動物の大脳皮質で、ニューロンの数に対するグリア細胞の数の比が推定されています。ラットなどのげっ歯類やウサギでは0.3、鳥類では0.4〜0.6、ネコでは1.1、ウマは約1.2、ヒトは1.3〜2と進化により複雑な脳を持つにつれ、着実に増加する傾向にあります。

この数値を見ると、「頭の良さ」はグリア細胞が決めているのかもしれません。このように最近はグリア細胞が注目されていますが、具体的にどんな働きをしているのかはまだよくわからないようです。

脳科学自体が新しい領域で近年急速に進歩していますので、どんどん新しい知見が集まってくるのかもしれませんが、脳の不思議はあまり解明されてほしくないような気もしています。


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