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日本は「解雇しにくい国」か、世界解雇しやすさランキング

2022-12-19 10:35:31 | その他
現役のころ人事の友人とどんなことをすると「クビ」になるのかという話しをしたことがありましたが、予想外に難しいようで労働者はずいぶん守られているという印象を持っていました。

たぶん日本は解雇しにくい国となっているようですが、世界の「解雇しやすさランキング」という記事を見ました。

日本は労働契約法、労働基準法、男女雇用機会均等法などの法律で解雇を規制しています。それでも世界では法規制が緩いという評価があるようです。

最近ではアメリカの大手IT関連企業のツイッター、アマゾンなどで大量の解雇が報道されていますが、日本ではこんなことは難しそうな気がします。OECD(経済協力開発機構)では解雇規制の強さを指標化した「雇用保護指標」のランキングを出しています。

このなかで最も解雇規制が強いのは42か国中トップがチェコとなっています。これはトルコ、オランダ、ポルトガル、イタリアと続き、これらの国は世界でも解雇しづらい国といえるでしょう。

一方雇用保護指標の低い解雇しやすい国は、トップはコスタリカ、続いてウルグアイ、アメリカ、スイス、カナダと続きます。日本はどれほど順位は上なのかを見ていくと、42か国中28位で世間的なイメージとは異なり、日本はどちらかというと「解雇しやすい国」に分類されているといって良いようです。

しかしこれはあくまで法律上での規制の強さであって、前述の色々な法律での解雇規制は世界から見るとそれほど厳しくないということのようです。実際は日本はアメリカのように大量解雇はしづらいケースが多いといえます。

その理由としては「雇用契約の内容」が欧米と日本では大きく異なります。日本では正社員の総合職や一般職として採用していますが、会社として業務を特定した雇用形態とはなっていません。

これをメンバーシップ型雇用、つまり契約によってその組織の一員(メンバー)としての地位を与えるというものです。業務を特定していないので、所属部署を整理することになった時、他の部署への移動により社員としての地位を維持します。

そのため所属部署の廃止などは、解雇理由にならないということです。それ以外に労働組合の存在も大きいと考えられます。日本は企業内組合で、労働者の多くは組合に所属しています。会社が解雇するためには、労働組合の同意が必要となっているところがほとんどです。

つまり労働組合は法律よりも格段に厳しい解雇条件を会社と締結しています。最近は労働組合の組織率の低下などが問題になっていますが、それでも日本の労働者は先の雇用形態や労働組合によって「解雇」から何重にも守られているのです。

そういった点も含めて考えると、日本は世界でも有数の解雇しにくい国といえるのではないでしょうか。


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