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「大腸ガン」の新しい検査法

2024-01-20 10:31:59 | 健康・医療
私は現役のころは定期検診の一環として、便潜血検査を行っていましたが、引退してからは大腸ガン検査はやっていません。

76歳になりましたので、このブログでも述べているように、ガンが見つかっても治療をしないつもりですので、もう検査の必要がなくなったと思っています。

アメリカのワシントン大学の研究グループは、「mt-sRNA検査(マルチターゲット便中RNA検査)」という新しい大腸ガンの検査が、従来の便潜血検査と比較してより良好な検出感度を示すと発表しました。

研究グループは、平均的な大腸ガンのリスクがある45歳以上の1万4263人に便検体採取キットを提供し、便検体採取後72時間以内に採取キットを中央検査施設に送付してもらいました。その後検体提出者には各地域の内視鏡センターで、大腸内視鏡検査を受診してもらっています。

便検体は従来のFIT(免疫学的便潜血検査)、便中の8種類のRNA転写物濃度と自己報告の喫煙状況を組み込んだmt-sRNA検査を行い、結果を判定しました。

便検定採取キットを提供したうち、mt-sRNA検査及び大腸内視鏡検査をいずれも完遂し、検査対象として認められた8920例を対象に解析が行われました。対象のうち全体の0.4%の36例に大腸ガン、6.8%の6060例に進行腺腫が認められました。

大腸ガン検出感度はmt-sRNA検査が94.4%、従来のFITが77.8%となり、mt-sRNA検査の感度が優位に高くなりました。また進行腺腫検出感度はmt-sRNA検査は45.9%、従来のFITは28.9%で、こちらも感度が優位に高い結果となりました。

なおここでは大腸ガンではないのに陽性となる、いわゆる偽陽性がどのくらい出てきたかも分かっているはずですが、記載はありませんでした。私はこの偽陽性頻度がガン検診では大きな問題と考えていますので、これを如何に抑えることができるかも重要な点だと思っています。

大腸ガンの検査というと、大腸を直接診察する検査を思い浮かべるかもしれませんが、大腸ガン検診は便を検査することでガンかどうかを調べることができます。この検査で異常が見つかった場合、大腸内視鏡検査や注腸X線検査などの精密検査を行い、ガンであるかどうかを診断します。

今回のワシントン大学の研究のmt-sRNA検査は、大腸ガンと進行腺腫の検出感度が高く、従来の便潜血検査と比較して感度を優位に改善することが認められました。

大腸ガンは早期に見つかれば治る可能性の高いガンなので、検診で早期発見することが重要です。便の検査は非常に負担も少ないので、こういった新しい検査法がどこでも調べられるようになることを願っています。


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