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食糧不足とシステムの変換

2019-10-01 10:27:40 | 時事
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、生息環境の悪化や森林破壊、農業による土壌の疲弊など土地利用を巡る問題に対処しない限り、人類は気候変動に対処できないという報告書を公表しました。

私はこのIPCCをかなり怪しげな機関と思っていますが、人口増加と食糧生産は確かに問題になりそうな気もします。

現在氷で覆われていない土地のうち4分の3近くを利用していますが、そこで生産した食料の4分の1を無駄にしています。この食品ロスと、農産物の栽培方法と家畜の育て方を、根本的に見直さなければいけないようです。

持続可能なかたちで人類を養う方法を見つけなければ、気候変動はこのまま加速を続け、十分な食料の生産はますます困難になるだろうとしています。根本的な問題は、地球上の耕作可能な土地が限られていること、そして人口が爆発的に増加していることにあります。

社会的な視点から見れば、経済が急成長を遂げている中国などで貧困層を脱して中流層に仲間入りする人が増え、食肉の需要をさらに押し上げる結果となっています。

食肉用の家畜を育てることは、地球にとってあまり良いことでは無く、動物の飼育には大量の水が必要になります。牛1頭は年間約4.2万リットルの水を消費するといわれています。

世界各国の研究室では、畜産に変わる方法としてシャーレで肉の細胞を培養する取り組みが進んでいます。これがそれなりの規模で家畜にとって代われるようになるのは、まだまだ先のことです。

またインドには米国の3倍である3億頭もの牛がいますが、インド人の大部分は牛肉を食べません。こういった問題も解決策が難しいようです。人類が植物由来の食生活に切り替えるのも難しいし、森の伐採などの新たな問題も出てきます。

食料需要を減らすひとつの策として、日々廃棄される膨大なフードロスをなくすことが考えられます。しかしフードロスが出る理由は地域によって異なり、米国や日本ではフードロスの主な責任は消費者にあります。

途上国ではサプライチェーンの問題が大きく、食品を十分な温度で冷蔵保存できないため、市場に出回る前に食べられなくなってしまうようです。この問題もそう簡単には解決できそうもありません。

その他うまくロボットなどを使えば、労働不足解消とより効率の良い栽培ができるかもしれませんが、これもまだ先の話しのようです。このIPCCの報告書は、問題提起には力を入れていますが解決策はほとんど示されていません。

いろいろ難し問題が存在することは確かですが、食料に関しては人間は自然の知恵で、すべてが養えるようになっていくような気もします。


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