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ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

「大腸ガン」早期治療で必要なことは

2023-07-26 10:33:26 | 健康・医療
私の周りにはいないのですが、「大腸ガン」は日本で新たに診断されることが最も多いガンのようです。

大腸ガンの増加の原因などいろいろ議論されていますが、ガンが遺伝子変異による細胞の病気である以上、自然現象のひとつと考えています。早期ガンであれば治癒が望めるため、定期的に検査を受けることが重要とされています。

大腸は食べ物の水分を吸収する長さ1.5〜2メートルの臓器です。腹部の右下から時計回りに伸びる「結腸」と肛門につながる長さ約20センチの「直腸」に分けられます。日本人は結腸末端部の「S状結腸」と直腸にガンができやすいとされます。

2019年に新たに診断された人は、結腸ガンが10万3338人、直腸ガンが5万2287人で、患者は増加傾向にあります。初期は自覚症状がなく、進行すると血便や下血が見られ、さらに悪化すると貧血や便秘、下痢などの症状が出てきます。

早期発見のため40歳以上は年1回、便に血が混じっていないか調べる「便潜血検査」が推奨されています。この検査は私も受けていましたが、スティックの先に便を付けるだけですので、非常に簡単なものでした。

陽性であれば、大腸内視鏡検査や病理検査を勧めます。肛門から挿入する大腸内視鏡検査はつらいイメージがありますが、鎮静剤で痛みを緩和し楽に受けられるようになりました。

この検査はかみさんが受けたことがありますが、前日から飲みにくそうな下剤を大量に飲んだりと、かなり負担の大きい検査といえます。

ガンが粘膜の表面やその下に留まる早期ガンでは、大腸を内視鏡で切除できます。粘膜下層に薬剤を注入してガンを持ち上げ、ワイヤに電流を流して焼き切るか、電気メスではがします。進行ガンで手術できる場合は、ガンの周辺の腸管、リンパ節、血管を扇型に切除します。

腹部に4.5カ所の小さな穴を開けてカメラや器具を入れる「腹腔鏡手術」が主流です。手術支援ロボットを使った手術も広がっています。従来より緻密な手術ができ出血も少ないとされ、2018年4月から直腸ガンで、昨年4月から結腸ガンで医療保険の対象となりました。

肛門に近い直腸ガンは手術後に人工肛門が必要でしたが、肛門から2センチ以上離れたガンでは、自分の意思で動かせない「内肛門括約筋」を切除し、意識して動かせる「外肛門括約筋」を残すISR手術で、肛門を温存できるようになりました。

この様に手術方式も進歩しており、大腸ガンは完全に治癒できるガンとなりつつあるようです。そのため早期発見が重要ですので、非常に負担の少ない便潜血検査ぐらいは受けておく必要があるのかもしれません。

ここまで来た「iPS細胞」の驚きの進化

2023-07-25 10:33:46 | 健康・医療
「iPS細胞」の発見で山中先生がノーベル賞を受賞されてからすでに10年が経過しました。

このiPS細胞はどんな細胞にも変化できる万能細胞で、「再生医療」の分野が飛躍的に発展すると期待していました。ところが実際には小さな治験は行われているものの、再生医療らしさは全く出てきていません。

この辺りは、私もどんな細胞にもなり得るという事と、どんな臓器も作り出せるという事を混同していたのかもしれません。つまり心筋細胞は作り出すことはできても、複雑で精密な臓器である心臓を作るという事は全く異なる次元の話でした。

私はひとつの研究は10年が区切りだと思っており、ひとつの発見がされてから基礎研究が終了し、その後の展開が見えなければ、その後何年かけても進展しないと思っています。

そういったことからこのiPS細胞は実用化され広く使われるようにはならないと感じていました。最近タイトルのような記事が出ていましたが、まあこのブログでも取り上げたような内容ですが、iPS細胞研究のこの10年の進展という事で紹介します。

まず大阪大学での実験ですが、顕微鏡でしか見えないiPS細胞に特別なタンパク質など加えて約1か月培養すると、肉眼でも見える大きさの細胞シートとなり、3000万個ほどを集めると拍動していました。

この心筋シートを患者に移植するわけですが、免疫の拒絶反応の問題もあり、患者の型にあわせた物にする必要があり、当然大量培養はできません。この心筋シート作成にどのぐらい時間がかかるかは分かりませんが、おそらくかなりの長期間必要であり、コストも数千万円となるようです。

2020年世界初の移植に成功し、iPS細胞から作った心筋シートを弱った心臓に直接貼って、元気にする手術でした。これは大阪大学だけで3例の知見を積み重ねています。さらに大阪大学だけではなく、全国で治験を行うこととして、誰でも治療を受けられる段階に入ったとしています。

そこで大阪で作った心筋シートを九州大学病院まで運んで、虚血性心不全の患者への移植が行われました。生きた心筋シートを大阪から福岡に運ぶだけですので、それほど問題はないような気がしますが、実際はかなり大掛かりな移動となったようです。

実際に運んだ心筋シートが機能するかの検査などを経て、九州大学病院で無事移植手術に成功しました。今回使用した細胞は、拒絶反応を起こしにくい細胞で、現在適合するのは日本人の約4割といわれています。

以上のような経緯により、iPS細胞からの臓器細胞が広く使われるようになったとしていますが、非常に疑わしい気がします。実際拒絶反応のリスクが低い自分だけのiPS細胞を作るサービスも始まっているようですが、日本人のどこまでカバーできるのでしょうか。

結局10年経っても実用化できない技術は、特殊な高額治療法から出ることはないような気がします。

65歳以上が「高齢者」になるのはおかしな風習か

2023-07-24 10:33:42 | その他
日本の高齢者の定義は「65歳以上」とされ、65歳以上74歳以下を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者として定めています。

私は現在76歳の後期高齢者ですが、週1回テニススクールに行ってそれなりに楽しんでいます。退職後就職して68歳まで働いていましたが、自分が老人という意識はありませんでした。いまや65歳で高齢者というのはナンセンスといいえるのかもしれません。

私の祖母と母親を比較しても、祖母は記憶にある限りおばあちゃんでしたが、母は65歳ぐらいではまだ若かった様な気がします。私の親しい友人も2名亡くなっていますが、まだ若いのに残念と思っていました。

つまり日本人はだんだん若返っており、現在の65歳はひと昔前の55歳くらいのイメージとなっています。

これは平均寿命にも表れており、1980年の平均寿命は男性が73.35歳、女性が78.76歳でした。これが2020年になると男性が81.56歳、女性が87.71歳と上昇し、40年前と比べて10歳以上寿命が延びています。

また日本老年医学会が運動機能、認知機能、病気の発症率、死亡率などを比較したところ、現在の75歳以上は昔(65歳を高齢者と定義づけた当時)の65歳以上に匹敵するほど若返っていることが分かっています。

この「若返り」について同学会は、国民の栄養状態の改善、公衆衛生の普及、医学の進歩などが要因としています。この実態に即して高齢者の定義年齢を繰り下げてみると、日本の抱える社会問題に光明が差すようです。

例えば年金制度ですが、現役世代が納めた保険料を高齢者に受け渡す「賦課方式」を採用しています。少子高齢化により、現役世代と高齢者のバランスは悪化の一途となっています。

そこで高齢者の定義を「75歳以上」と繰り下げれば、2021年時点で65~74歳の人口は1745万人、総人口に占める割合は14%となっています。これだけのボリュームが「高齢者」ではなく「現役世代」としてカウントされれば、年金問題はかなり改善されるでしょう。

さらに高齢者の医療費削減にもつながりそうです。「現役時代」が長くなると、健康寿命が延びる傾向にあるようです。人間は不思議なもので、働いていると老けにくいと言われています。

専門家によれば、65歳以上の人は社会的責任の有無のよって寿命が7〜8歳も違ってくるとしています。適度な張り合い、忙しさ、ストレス、責任感が健康に直結するようです。こうして見ていくと65歳を高齢者とする定義はおかしなものであり、変えざるを得ないような気がします。

かみさんはすでに72歳になっていますが、いまだに「ばあさん」扱いをすると非常に怒ります。実際に現在は若返っていますので、老人としての自覚がでるのがどんどん遅くなっているのでしょう。

老化を制御する仕組みによって「治療」できるかもしれない

2023-07-23 10:35:22 | 健康・医療
「老化は病気であり治療できる」と老化研究の専門家が著書で述べているようですが、老化のメカニズムの解明が進んでいます。

老化のモデルマウス「ICEマウス」が作られ、これを使った研究が進められています。ICEマウスとは人工的に老化のスイッチを入れたマウスで、遺伝子の特定箇所のDNAにダメージを与えています。

このICEマウスは遺伝子そのものが変異するのではなく、遺伝子の発現の仕方が変化して起きる現象を「エピゲノム」と呼んでいます。ここでは遺伝子発現が変わるエピゲノムを面白い例えで説明しています。

DNA全体つまりゲノムを1冊の分厚い料理本に例えています。この本にはざっと32億ぐらいの文字(DNA)によって、約2万2000もの料理のレシピ(特定のタンパクの作り方)が書き込まれています。

ただしこの本にはとても厄介な点があり、仮にフレンチのコース料理を作りたいとしても、そのレシピがまとまっているわけではありません。コース料理を作るためには、あちこちのページに分散して書かれているレシピを参照しなければなりません。

そのための目印として、何種類もの付箋紙が貼り付けられています。フレンチのコース(特定のタンパク質群)を作るときは、付箋紙を目印にすればよいのです。

ところが付箋紙が剥がれてしまったり、何かの拍子に本来とは別のページにつけられてしまうと、思っていたのとは異なる料理ができてしまいます。この付箋紙がエピゲノムです。

本当ならフレンチのコースを提供しようとしているのに、不完全な料理になってしまいますが、これはレシピ本の文章そのものが書き替えられたわけではありません。あるいはコース料理なのに最初にデザートが出てきて、その後にサラダが続くなど料理を出すタイミングがおかしくなってしまうことがあります。

このように付箋紙(エピゲノム)の変化が老化の原因であるとしています。レシピ本のページがバラバラになったり、中身が書き換えられたりすると、食べられないものができてしまいます。これが遺伝子の変異の結果起こる、特定のガンやアルツハイマー病となります。

この様な疾患と老化とは根本的に異なり、食事や運動による影響、紫外線によるストレスなどによって付箋紙の位置が変わってしまい、本来のレシピ通りにいかなくなっているだけが老化ではないかとしています。

だとすれば希望が持て、付箋紙の位置がおかしくなっているだけならば、その位置を元にもどせばまた本来のレシピ通りの料理をつくれる、つまり老化を制御できるはずです。

この付箋紙を元に戻す方法は非常に専門的であり、私もよく理解できませんが、こういった考え方から老化を制御することが可能になってきているようです。

遺伝子変異ではなくその発現をコントロールするというのは新しい発想といえるのかもしれません。

はしか(麻疹)の報告が各地で増加

2023-07-22 10:34:16 | 健康・医療
新型コロナが5類となり増加しているかどうかは分かりませんが、やっとコロナ前の日常が返ってきた感があります。

その一方季節外れのインフルエンザが出たり、最近ははしか(麻疹)の患者が東京や大阪、鳥取などから報告されているようです。

本来この麻疹は2015年に排除状態にあるという認定を受けています。これは日本国内では循環している麻疹ウイルスは存在しないはずですが、海外からの入国が増えると増加してしまうのかもしれません。

このはしかについては、もう40年も前のことですが記憶に残っていることがあります。上の子供が2,3歳で、下の子供がまだハイハイしている頃のことです。上の子のはしかの予防接種の日が決まっており、その数日前にはしかに罹ってしまいました。

熱などの症状はそれほどひどくなかったのですが、全身の発疹がひどくその手当てが大変でした。はしかの感染力は非常に強いと言われていましたので、ついでに下の子にもうつしてしまった方が楽だろうと一緒に寝かしたりしましたが、感染しませんでした。

後から思うとひどいことをしたと感じますが、当時はそれほど重篤な病気と考えていなかったようです。現在でも麻疹ウイルスに効く抗ウイルス薬はなく、対症療法のみで患者の約30%が中耳炎や肺炎、脳炎といった合併症を起こし、亡くなることもあります。

先進国でも致死率は0.1%程度で、麻疹に罹ると約千人に1人が亡くなるといわれています。麻疹ウイルスは極めて感染力が強く、マスクで防ぐのは難しいため、自身や家族が麻疹かもしれないと疑ったときは、いきなり受診せずかかりつけ医などに電話で相談し、指示に従う必要があるようです。

ただし現在は安全で効果の高いワクチンがあり、前述のように日本が麻疹の排除状態になったのも多くの人が麻疹ワクチンを接種したためと考えられています。

そのため専門家はワクチンを接種していない人や、接種してもうまく免疫が付かなかった人が一定割合いると、麻疹は流行するとしています。そのため麻疹ワクチンを接種しておらず、麻疹に罹ったことのない人はワクチン接種を推奨しています。

接種歴や罹患歴がはっきりしない場合は、血液検査で抗体価を測定する方法もあるようですが、抗体価を測らずにワクチンを接種するという選択肢もあるとしています。

ただし日本には麻疹ウイルスは存在しないという認定を受けているのに、ワクチン接種をする必要があるというのはやや無駄なことのように感じます。

確かに患者が発生していますので、海外から入っているのかもしれませんが、医師など関係者が騒ぎすぎているような気もします。