ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

疲れた状態を作り出す「慢性神経炎症」とは

2024-04-20 10:36:07 | 健康・医療
私はあまり疲れたという感じになることはなかったのですが、新型コロナで肺炎になって以降は少し歩いただけできつい感じが出ています。

これは肺機能が低下してしまったためですが、脳の健康が悪化することにより、意図的に身体が疲れた状態を作り出してしまうことがあるようです。

脳に関わる健康及びエネルギーの問題は、元をたどると「神経炎症」と「血液脳関門の漏れ」に行きつきます。脳には全長600キロに及ぶ血管がつながっていて、酸素と栄養素をを脳に届けると同時に、代謝廃棄物を脳から運び出しています。

この長い血管は、不必要な分子が脳の中に漏れ出さないように血液脳関門でコーティングされています。血液脳関門はいわば脳を守る門番と言えるようです。血液脳関門は外部の悪い物質、毒素、病原菌、誤った免疫細胞などから脳を守るのに欠かせません。

一方グルコース、炭水化物、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、サイトカインやホルモンなどは積極的に脳内に通す必要があります。

問題は環境に存在する毒素や慢性的なストレス、質の良くない食事のせいで血液脳関門が徐々に機能不全を起こし(漏れるようになり)、通してはいけない分子を通してしまうようになることです。

慢性疲労を覚える人たちには、この血液脳関門機能不全の兆候があることが明らかになっています。これが頭に靄のかかった状態や認知機能の衰え、気分障害が見られる理由です。血液脳関門に漏れがあると、脳は2つの打撃を受けます。

1.「神経毒性分子」が脳内に侵入し、神経炎症とニューロン損傷を引き起こします。2.代謝上の廃棄物および側性廃棄物が排出されなくなり、脳にさらに被害をもたらします。血液脳関門の不調が、神経変性と認知機能障害の必要十分条件だという事は、疑う余地ののない事実と言えます。

神経炎症はニューロンの起動を遅くしたり、異常なほど活発にさせて消耗させたりします。それによって脳細胞間の連絡に不具合が生じ、認知機能が低下するようです。

ここまで認知機能について述べてきましたが、脳が信号を読み違えるなどという事もあり、これがひどい疲労感につながるという説もあります。脳と身体は無意識のうちに常に連絡を取り合っています。

例えば体がウイルスや細菌と戦っているときに起こる「疾病行動」があります。こうした信号を受け取ると、脳はあえて疲労を引き起こすことを選び、覚醒して活動するのに必要な神経伝達物質の産生を減らします。

脳が誤ってこの信号を受けてしまうと、慢性疲労の原因となるとしています。脳科学は進歩していますが、まだまだ分からない部分も多いようです。

大麻は本当に健康に「害」を及ぼさないのか

2024-04-19 10:34:51 | 
若者の間に大麻が広まっているようです。私はこういう話しを聞くと入手経路がどうなっているのかが不思議ですが、予想外に多くのいわゆる売人がいるのかもしれません。

大麻には健康に害がないという情報が流れており、こういったことから気軽に手を出す傾向があるようです。少し前タバコより大麻の方が害が少ないという記事がありましたが、私は大いに疑っています。

警視庁が発表した2023年の犯罪白書によると、全国の警察が大麻関連で摘発した検挙者数が覚醒剤関連のそれを初めて上回りました。

大麻関連の検挙者の半分以上が若い世代で、「大麻には健康への悪影響はない」というネットなどで流布する間違った情報を鵜呑みにすることもその要因のようです。

大麻については100種類以上の成分が確認されていますが、その中ではTHC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)、CBN(カンナビノール)の3種類が主な成分です。

THCの薬理作用を利用した医療用大麻、CBDやCBNを含んだ健康食品などと、欧米の一部で解禁されているTHCを含んだ娯楽用大麻とでは健康への意味合いが大きく異なります。抗けいれん剤や鎮痛剤などのために使用され、研究されているのが医療用大麻です。

日本では2023年末に大麻取締法の改正案が成立し、大麻の医療目的の使用が認められました。それ以外は依然として罰則の対象であり、また新たに使用罪が適用され、医療以外の大麻の使用(吸引など)は犯罪になっています。

娯楽用大麻として使用される場合、強い向神経作用と依存性のあるTHCが問題になります。大麻成分が入ったグミ、いわゆる「大麻グミ」を食べた人の健康被害も記憶に新しいが、これらはTHC成分が混在してしまうことに由来しています。

THCが脳内のカンナビノイド受容体を刺激し、快感や幻覚といった向精神作用などの神経への悪影響が現れ、健康にも悪いようです。また大麻の使用によってタバコをはじめ、ニコチン依存症になることもあり、これはタバコと一緒に大麻を吸う方法が多いからとしています。

その他血管機能への悪影響など健康に悪いことを列挙していますが、こういった研究はどうしても強調されますので、本来はそれほど悪いものではないような気がします。

この記事は大麻反対派が書いているようですので、否定的なことだけが出てきますが、良い面も併せて知りたいです。

ただし合法化されたとしても、それほど吸ってみたい類のものではないような気がしています。

地球沸騰化時代、5月から熱中症に注意

2024-04-18 10:34:14 | 自然
私は若いころから寒がりで、暑さには比較的強い方でした。冬はもこもこに着て本当に外に出たくありません。

ですから夏は好きで、少々の暑さはあまり気にせず汗をかきながら平気で暮らしています。熱中症にはなったことがありませんが、こういったことも体質と関連があるのかもしれません。

昨年の日本の夏は史上最も暑かったようです。6〜8月の平均気温は明治31年(1898)の統計開始以降で最も高く、各地で猛暑日日数の歴代最多を更新しました。酷暑はもはや地震や台風などと並ぶ「災害」に位置付けられ、命を守るための対策が必須な状況となっています。

日本気象協会はこのほど「地球沸騰化時代の熱中症対策」として、情報発信を開始しました。気象協会は平成25年から、熱中症予防に向けた情報発信を進める「熱中症ゼロへ」プロジェクトを開始、公式サイトで啓発を続けています。

今年は「地球沸騰化時代の対策」をテーマに据え、4月1日から活動をスタートさせています。暑さへの備えでは、徐々に体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」の重要性を周知し、通勤通学のほか入浴やサウナなど、日常生活の中で取り入れられる順化シーンをまとめています。

毎年のように犠牲者が出る高齢者に向けては、温度に対する感覚が弱くなって「暑い」と感じにくく、喉の渇きなども自覚しづらいと指摘しています。室内に気温計や湿度計などを置き、視覚的に現状の環境の危険度を把握できるようにするといった対策を求めています。

酷暑は日本のみならず、世界規模で緊急の課題となっており、昨年7月には国連が「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と表明しています。NASA(アメリカ航空宇宙局)は今年1月、昨年の世界の平均気温が過去最高だったとの分析結果を公表しました。

暑さの激甚化を背景に、同協会のサイトでは今年から新たに、一連の対策ポイントをまとめたイラスト動画も公開しました。より分かりやすい情報発信を進めており、今後さらに関連コンテンツを拡充させていくとしています。

同協会の予測によると、日本国内の今年4〜6月の気温は、北日本で平年並みか高く、東日本や西日本、沖縄は平年より高いと予測しています。熱中症の警戒度は、5月に関東甲信の一部で「注意」ランクに達する日があるとしています。

昨年どうだったかあまり記憶にありませんが、今年も「災害級」の暑さになるのかもしれませんので、早めの対策が必要と言えそうです。

ワクチンや薬で老化細胞を除去

2024-04-17 10:34:52 | 健康・医療
加齢によって生じる老化細胞がいろいろ問題を起こしていることは、このブログでも時々取り上げています。

最近老化細胞をいかに除去するかの研究も進んでいるようですが、これに有効なワクチンが開発されたという記事が発表されました。

ヒトの細胞は、神経細胞や心筋細胞などを除いて常に分裂・増殖を繰り返していますが、無限に分裂し続けられるわけではありません。分裂回数には「ヘイフリックの限界」と呼ばれる法則があり、一定の回数を超えると分裂できなくなります。

ヒトの場合の限界値はおよそ50回とされ、細胞分裂できなくなった状態が細胞にとっての老化となります。このヘイフリックの限界を決める要因は、「DNAダメージ」と「テロメア」にあるようです。

細胞にはDNAダメージが一定以上蓄積すると細胞を老化させる機能が備わっています。またテロメアは染色体の末端にある構造体で、染色体の末端を保護したり細胞分裂時のDNA損失を防いでいます。

テロメアは細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき、一定以上短くなると細胞分裂できなくなります。テロメア短縮もまたDNAダメージの一種として細胞に認識され、細胞老化が生じ分裂を停止します。

細胞老化は、ある意味では避けがたい自然の摂理と言えますが、老化した細胞が増えていくと全身の老化に繋がり、様々な問題を引き起こします。そこで画期的な手法として開発されたのが、老化細胞除去ワクチンです。

老化細胞に特異的に発現する物質が多数あるのは、近年の網羅的研究で明らかになっています。その物質を標的とすれば、より少ない副作用で老化細胞を標的とした治療法が開発できます。

ここでは老化細胞のマーカーとなる分子GPNMBを選択し、この老化抗原を標的として攻撃する抗体を生み出しました。作成された老化細胞除去ワクチンをマウスに投与したところ、老化細胞は取り除かれ、早老症マウスの寿命を延ばすことができました。

ただワクチンは効果が長続きするという特徴があり、有害な副作用をきたしてしまう場合、対処が難しくなります。どのような形で社会実装、市場提供していくのが良いのか慎重に考える必要があるようです。

まず特定のアルツハイマー病などの疾患を対象として臨床試験を行うとしています。このワクチンは5年後ぐらいをめどに開発を進めるようですが、老化をスローダウンさせるひとつの選択肢として有用な手法になりそうな気がします。

ただしこういった研究が進み老人が増加することが、社会にとって良い事かどうかは別な問題と言えそうです。

ビタミンDとカルシウムのサプリメントは効果なし

2024-04-16 10:37:33 | 
 現在は色々なサプリメントにあふれており、ドラッグストアなどでは広いスペースがこれに当てられています。

私は基本的に必要な成分は食事からとれるはずと考えていますので、こういったサプリを飲んだことはありません。

最近ビタミンDのサプリメントの摂取が骨折予防に役立つかどうかの検証が、2万6000人を対象とした実験結果が報告され、効果なしとなっています。

さらに新たに3万6000人以上の閉経後の女性を対象に、ビタミンDとカルシウムの併用が及ぼす影響を22年間にわたって調べた大規模な研究が、医学誌に掲載されました。被験者は7年間サプリメントを摂取し、その後15年間追跡調査を受けるという長期にわたるものです。

この研究では、サプリメントが股関節骨折に及ぼす影響だけでなく、ガンや心臓病で死亡する割合がサプリメントによって変化するかについても検証されています。その結果、サプリメントを服用しても股関節骨折のリスクは低下しませんでした。

以前の研究で同じ結果が出ていることを考えれば、驚くべきことではありません。またこの研究では、サプリメントの摂取でガンによる死者数はわずかに減少した一方、心臓病による死者数はわずかに増加しました。

実験の概要は、約半数にあたる女性1万8000人強がビタミンDとカルシウムの両方を毎日摂取するよう割り当てられました。このグループには毎日1000mgの炭酸カルシウムと400IUのビタミンD3の錠剤が与えられました。残りの半数にはプラセボ(偽薬)となっています。

実験期間の22年間のうち、ガンで死亡したのはサプリメントを摂取したグループでは1817人だったのに対し、プラセボ群では1943人でした。この差は統計的に有意なギリギリの数字ですが、私の感覚でも有意差はないという気がします。

また心臓病で死亡した女性は、サプリメント接種群では2621人だったのに対し、プラセボ群では2420人となっています。これも両群とも差がないと言えるような数値の気がします。

すなわち全般的に、ビタミンDやカルシウムのサプリメントを摂取しても何の効果も得られず、死亡率が低下することもないという結果となっています。結局のところ欠乏症でない限り、ビタミンのサプリメントをとる必要はないようです。

それだけのお金がをかけるとしたら、新鮮な果物を買った方が健康的と言える気がします。こういったサプリメントには何らかの効果があるというデータがあるはずですが、どこまで科学的かは怪しいような気がしています。