kimitsuku独り言

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塩野七生 『想いの軌跡』

2020年04月08日 | 日記

       

 塩野七生さんは、以前『ローマ人の物語』で挫折して以来どうも苦手な作家のひとりでした。

古代ローマ帝国は如何にして誕生し、そして滅びてしまったのかを描いた膨大な読み物は

只のイタリア好きミーハーKimitsukuには、かなり荷が重すぎたってことでしょう。

その後は、息子アントニオ・シモーネとの対談『ローマで語る』を読んだくらいで

「敬して遠ざける」状態でしたが、今回ふと手に取ってみた『想いの軌跡』

イタリア滞在歴ウン十年の歴史作家が、1975年から2012年にかけて書いたエッセイです。

冒頭の「グーグルアースで観た地中海はホンモノではない」という文章で

此のエッセイ集の方向性が想像できました。

とにかく痛快で明晰で小気味よい短文が並んでいます。

『ローマ人の物語』誕生秘話から、交遊録、ライフスタイル、祖国への想い‥などなど

ゆっくりじっくり腰を据えて読みたい一冊です。

同じようにイタリアを愛した須賀敦子さんとは、また一味違う

知性豊かな日本女性の、超パワフルな生き方に魅了されます。

恐らく長い闘いになる自粛生活を、優しく慰めてくれることでしょう。

コメント
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