手賀沼アララギ短歌会

千葉県我孫子市で開催している短歌会のブログです。一緒に短歌を楽しみませんか。

会員募集

千葉県我孫子市で歌会を開いています。 初心者歓迎。。一緒に短歌を楽しみませんか。 歌会は原則毎月第2日曜日13:00-16:30。。 場所は我孫子市内(駅前けやきプラザ他)。 講師は「新アララギ」代表の雁部貞夫先生および「新アララギ」選者の今野英山(当会代表)が交互に務めます。。。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 内容は短歌作品の相互批評、および講師による添削指導や関連知識の講話などです。。 会費は月1500円(2012年3月改訂)。。見学は1回まで可能で、無料です。 問合せは次のアドレスにお願いします。 eizan@plum.ocn.ne.jp(手賀沼アララギ短歌会)

関宿吟行会紀行

2024年08月02日 | トピックス
「次回は関宿か将門を巡るのもいいね。」
という雁部先生のお言葉で早くから行く先の候補は出ていた。ただどの様なルートで、移動手段は何を使って行くかが大きな課題だった。というのも関宿は千葉県の最北端茨城埼玉との県境で、鉄道その他の公共交通機関が無く最寄駅からバス利用三十分下車徒歩十五分という立地である。そこでマイクロバス利用ということに落ち着いた。手賀沼アララギ短歌会初のバス利用の吟行会となった。
 六月十五日、十時バスは柏駅を出発した。朝から眩しい陽光に溢れ、猛暑が心配されるほどだ。しかしバスの中は快適で緑豊かな車窓を眺めつつ関宿へと走った。車内では雁部先生から関宿についてお話を伺うことができた。江戸時代の関宿城の役割やそれに伴う城主は代々幕府の中でも重要な役割を担う大名が努め、中でも久世氏の治世は長く幕末まで続いた。全国歌会の会場の清澄庭園は久世氏の下屋敷だったという。また、この地に縁の俳人大岡頌司と彼の作品三句を紹介された。
 柏を発って一時間余り、開けた田園風景の中に白いお城が目に飛び込んできた。目的地の千葉県立関宿城博物館である。利根川と江戸川に挟まれたスーパー堤防の上に建つお城はかつての関宿城を模した天守閣を再現している。利根川流域における洪水・治水、利根川東遷の歴史、河川交通と舟運、そこに育まれた産業や文化などをテーマとした展示が充実している。
 出迎えてくれた学芸員から立体地図を見ながら概略をお聞きして館内を各自見て回った。
最上階の展望室からは筑波山がくっきりと姿を見せ、足元には利根川が豊かに水を湛えて流れていた。四方に遮るものも無く遠く日光連山や日本アルプスが一望された。条件が良ければ富士山を望むこともできる。
 昼食は城下にある「けやき茶屋」で鰻丼を食した。何故かこの会の昼食は鰻が定番である。驚いたことにこの店の主の先祖は久世の殿様入城の際付き従って共にこの地に来たという。壁に貼ってあるセピア色をした古い写真を指しながら城下の変遷を語ってくれた。このような交流が何ともうれしい。久世家の家臣の長男として生まれ、この地に育ちこの地に眠る鈴木貫太郎(第二次世界大戦の終結時の総理大臣)を今でも閣下と呼び心酔しきりの様子である。
 食後は関宿城本丸跡と関宿水閘門を訪ねた。江戸川の土手や旧河川敷は日差しの中ではあったが、水門を流れる水音と心地よい風が爽やかで気持ちの良い散策となった。
 帰りのバスの中では各々三十一文字を練り上げていたに違いない。新アララギ誌上にてご覧あれ。

宮本通代

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会員の作品(2024年7月)

2024年08月02日 | 会員の作品
*新仮名遣い

今野英山:月桃の花咲く丘は悲しみの極まるところ今も変はらず(新アララギ2024.7)
高橋毬枝:ぼんぼりの灯りに並ぶ吾が雛(ひひな)面(おも)拭ひつつ母の手想ふ(新アララギ2024.7)
麦島和子:夕闇に湯宿の明かり灯り初め山肌華麗にライトアップす(新アララギ2024.7)
大倉康幸:*町内会役員不足は明白で問い合わせれば仕事降り来る(新アララギ2024.7)
相川盈子:*眠れずにスマホに写真探したり亡き夫飼い犬孫いとおしき(新アララギ2024.7)
宮本通代:廃校の庭に桜の咲き満ちぬ幾千人の児を見守り来しや(新アララギ2024.7)
丸山幸子:*玄関前にチューリップの花咲き初めて散歩の園児ら唄いつつ行く(新アララギ2024.7)
東寿美枝:日向ぼこ日向残して夫はベッド寝息微かにカーテン閉める(新アララギ2024.7)
今野礼子:*鎖場を胸突き八丁を導きし君の背中の頼もしかりき(新アララギ2024.7)
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講師の歌(2024年7月)

2024年08月02日 | 講師の作品
新アララギ7月号より抜粋

雁部貞夫先生(新アララギ代表)
・最上川春うららにて雪代の水ゆたかなり柳萌えつつ 大石田・早春
・向川寺かうせんじつひに無住となるといふ禅修行する若者なきや

今野英山 手賀沼アララギ短歌会代表(新アララギ選者)
・地震予知かなはぬことと割り切りてたんたんと生く今を詠みつつ
・揺れあらば時たま感じる浮遊感わが人生は砂の楼閣
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