( 鳳神社のかっこみ {熊手守} )
この時期になると深川森下の叔父を思い出す。
夜の10時に店仕舞して本所の我家にやってくる
無口でいかにも頑固な叔父
迎いにくる時分になると母親が「そろそろ来るよ、早く支度しな・・」なんて
ころころのじいちゃんがそうだったように何だか頑固者が好きだった
親戚中で最年少だったためか?子供の頃から処世述を知っていたのか?
可愛がられた記憶しかない
まあ昔から出来の悪い子ほど可愛いと言われていますがね・・・
そんな叔父に連れられて歩いたお酉様
帰りに買ってくれた晒し飴屋の屋台も今は見かけない
そう言えば切山椒を売る店が一軒、境内に八つ頭を売る店が一軒
子供の頃見た風景と少し変わってきたようだ。
その叔父のけとばし屋ももう四代目、店の突き当りには大熊手が
昔のままに毎年かけられている。
俳諧の慾の飽くなき熊手買ふ 富安風生
( 鳳神社 二の酉風景 )
お多福の一人笑や酉の市 酒井土子
押され出て切山椒買ふ酉の市 石崎宏江
酉の市少し離れてけとばし屋 町田しげき
風おろしくる青空や一の酉 石田波郷
二の酉をはずれて点り飛不動 松田ひろむ
篝火の場所を変へたる三の酉 川井玉枝
( 高舘 義経堂 )
義経が藤原四代泰衡に襲撃され自刃したとされる場所。1683年伊達綱村が
建立したお堂で、中には義経の木像が安置されています。
金色堂で泰衡の首壺を見たとき、この義経(ぎけい)堂に登った時
胸が熱くなるものがありました。
芭蕉が曾良を伴ってここを訪れたのはそれから500年後のことでした。
義経堂木の根に溜まる秋の雨 展宏
義経末路の束稲山かけ野分雲 橋本夢道
義経の落ちし街道しぐれけり 猪俣 壽水