( てまりばな )
繍毬花雨のきざせる重みあり 小方史郎
鞠よりも手にあたたかし繍毬花 岡星明
曇天の耐へて耐へをるおほでまり 篠田悌二郎
◎今日は昭和の日
ちょっとだけ嬉しい事。先日27日NHKBS 列島俳句スペシャル
「蜂」「藤」「昭和の日」のお題で2句ファックスで投句、そのうち
「昭和の日」で稲畑汀子さんが予選で採ってくれました
現代俳句協会から賞品を送るとのメールあり
一昨年は図書券、今年も同じなら或るところへ寄付の約束済み
( ハンカチの花 )
泪ふく為ハンカチの咲きつぐよ 和気久良子
ハンカチの花降る八十八夜かな 岡田史乃
久しぶりに赤塚植物園へ散歩、まさに春、夏の花の繚乱
木々ではハンカチの木、花水木、潅木、五葉つつじ、三つ葉つつじ、牡丹
つくばねうつぎ、むべの花、藤、はくさんぼく、手毬花
草では鈴蘭、踊子草、チューリップ、都忘れ、れんげ、うずら葉たんぽぽ、
りゅうきんか、しらいとそう、舞鶴草、、むさしあぶみ、翁草、菖蒲 などなど
そろそろ植物園のシンボル、はんてんの木の開花がありそうです
( 藤棚 )
春愁や鏡の中に百鬼棲む
八十八夜友を送りし手を洗ふ
道標絶ゑて三辻の柳かな
縦横に酢の飯を切る花の冷え
春雷の野に残されし石仏 野仏
ころころの兄であり俳句の良きライバルだった俳号「野仏」の忌日です
56歳という若さで、悲しさよりも悔しさでいっぱいの急逝でした
行く春や石の湿りの石仏 ころころ
( 仲見世 夜景 )
浅草に喜劇の幟つばくらめ
燈の入りて大提灯の朧かな 喜多川水車
昨日は夏の季語、今日は春と季戻りしてますね・・・
さて、物の本にて「夏めく」「夏兆す」のちょっとした違いを知りました。
同じように使っていたような気がします
簡単に言えば「夏めく」は夏(立夏)になってから、「夏兆す」は晩春から
初夏に入った頃の感覚でしょうか。
季語集、歳時記、などでは同じところに載っていることが多いようです
夏兆す杉の吉野の水鏡 原裕 青垣
少年の鋭角の肩夏兆す 大西泰世
妹山の夏めく裾の白瀬かな 田中英子
袖かろし夏めく水仕はげまされ 及川 貞
ほとんど変わりが無いように思われますが、「夏兆す」には直線を感じ、
「夏めく」には光を感じます。例句が少しなのでそうとも言えませんが
何かの参考に・・・・