( パプリカ・ピーマン )
ピーマン切って中を明るくしてあげた 池田澄子
ピーマンを浮かべて水に朝のいろ ふけとしこ
漲れるピーマンに在りがらんどう 須川洋子
秋茄子もピーマンもみなほとけさま 千田稲人
( 葉鶏頭・雁来紅・かまつか )
硝子戸に傘立透ける葉鶏頭 岡本眸
葉鶏頭出窓一杯燃えてをり 草間時彦
湖国より雨の近づく葉鶏頭 吉田鴻司
かまつかや坐りくぼめし轆轤の座 本多静江
かまつかに信濃夕ぐれ炎えゐたり 村野鶴諒子
照り曇る空や照る日の雁来紅 石塚友二
花眼また少しすすみぬ雁来紅 鷹羽狩行
誰が植ゑて雁来紅や籠堂 河東碧梧桐
( 十六夜・十七夜 )
大荒れの十六夜・十七夜ですね
十六夜の雨の日記をつけにけり 五所平之助
十六夜の小腹に納む里の栗 高澤良一
十七夜水の宮こそかぐろしや 山田みづえ
一本づゝ老杉浮べ十七夜 殿村莵絲子
( 中秋の名月・十五夜の月・芋名月 )
旧暦の8月15日、秋の真中にあたるこの日の月は,中秋の名月と呼ばれ古くは
芋などの収穫物を供えたことから芋名月とも呼ばれるようになりました
ちなみに、満月は明日23日秋分の日になります
十五夜に扉を放ちある大伽藍 河合佳代子
十五夜の醤油とくとく匂ひけり 岡本眸
中秋や土間に掛けたる山刀 原 石鼎
墨水に妓と遊ばむか芋名月 筑紫磐井
名月や門の欅も武蔵ぶり 石田波郷
名月や一廓をなす坊十二 河東碧梧桐