5月 1日

2018-04-30 17:17:30 | Weblog
                 (  メーデー・労働祭  )



主婦たたら踏むメーデーやヒロシマに         沢木欣一



老守衛口あけ歌ふ労働祭               轡田進



ガスタンクが夜の目標メーデー来る          金子兜太



吊革に顔一つづつ労働祭               奈良文夫



メーデーや我が青春のコッペパン           原 昭二



ごみ箱に乗りメーデーの列を見る           加倉井秋を



メーデーの行くさきざきの赤躑躅           山田みづえ



メーデー歌うたふ踵に力こめ             菖蒲あや



メーデーの列動きだす土埃             こころ





「May Day」のルーツは、ヨーロッパに古くから伝わる五月祭といわれ、初夏の若草の出づる野に集い、花を摘み、歌い踊る楽しい祝日だったという。現在のメーデーは、1886年5月1日、米国の労働者が「8時間の労働、8時間の休息、8時間の教育」を
叫びストライキ、デモを行ったことに始まる。3年後の第二インターナショナル創立大会で、この日を<万国労働者団結の日>と定め、労働者の祝日とした。翌年に第1回メーデーを開催。日本でのメーデー初集会は、1905年(明治38)に平民社で開催された「メーデー茶話会」だが、労働組合主催で公然と行われたのは、1920年(大正9)5月2日の上野公園でのメーデーが最初。戦後の1952年のメーデーは、デモ隊と武装警官の流血事件となった。
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4月 30日

2018-04-29 19:24:23 | Weblog
                (  四月尽  )



薔薇植ゑし手足のよごれ四月尽          細見綾子



四月尽出しそびれたる踏み一つ          栗田やすし



文机に陀羅尼助丸四月尽             磯田なつえ



四月尽だらだら坂を試歩の杖           武藤光晴



青邨の下図緻密や四月尽             中川幸子



虎杖をむかし手折りぬ四月尽           石田波郷



四月尽く抽斗深く真珠秘め            菖蒲あや



わが書屋わが掃き坐り四月尽           亀井糸游



白雲へ杉まつすぐに四月尽            寺井治

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4月 29日

2018-04-28 19:32:01 | Weblog
              (  卯の花・花うつぎ・空木の花  )



卯の花や白川郷へ橋一つ             栗田やすし



朝霧の晴れて山見ゆ花うつぎ           細見綾子



峠路にまぶしき白さ花うつぎ           内田陽子



虚子へ向く立子の墓や花卯木           熊澤和代



九頭竜に沿ひたる山路紅うつぎ          金田義子



卯の花や釣瓶井残る生家跡            佐藤とみお



空木切り春雷句碑に供へけり           佐藤春子



花卯木使ひ込みたる志野茶碗           清水聡子



水の鳴る木橋のほとり花空木           田畑 龍



卯の花や板張り粗き外厠             武藤光晴



国盗りの城にこぼるる花空木           市江律子



踊り子のドガのスケッチ姫空木          山下帰一



喪に籠る雨の一日や花卯木            利行小波



卯の花や喘ぎて登る謡坂             河合義和



師の庭の光あふるる花卯木            長江克江



廃鉱の錆色の路はなうつぎ            岡田佳子







          


          谷うつぎ



          


          箱根うつぎ
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4月 29日

2018-04-27 20:28:42 | Weblog
                (  蜜柑の花・花蜜柑  )



みかんの花浪のしぶきの墓数基         細見綾子



旅一夜蜜柑の花を枕辺に            山口波津女



花蜜柑匂ふ新任校に馴れ            本西 満穂子



吹き上ぐる風の匂へり花みかん         関野さゑ子



ヴィオロンの止みて蜜柑の花匂ふ        澤田正子



花蜜柑庭の片隅明るうす            三田誠子



吹き上ぐる瀬戸内の風花蜜柑          田端 龍



花みかん匂ふ峠や海の風            山下善久



陵(みささぎ)へ蜜柑の花の匂ひ立つ      中山敏彦



雨兆す風に匂へり花みかん           熊澤和代



師と歩く蜜柑の花の匂ふ畔           大島知津


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4月 29日

2018-04-26 20:27:10 | Weblog
                 (  鉄線花・クレマチス<園芸品種>・てつせんかづら  



一葉の路地一輪の鉄線花             栗田やすし



てつせん花新聞記者の賜ひたる          細見綾子



鉄線花うづ巻く蕊をのこしけり           正木ゆう子



垣越して風ともみあふ鉄線花           清水弓月



鉄線花藍工房の垣のぼる             伊藤範子



鉄線の花幾鉢も寡婦の家             武藤光晴



晴れてなほ空の重たく鉄線花           山 たけし



大八の輪に鉄線のからみ咲く           山下 護



むらさきの鉄線光悦垣のぼる           森 靖子



嵐去り鉄線の花野放図に             高橋幸子



牧水の遺愛徳利や鉄線花             上田博子




いつ見てもどこか揺れをり鉄線花         近藤文子



          

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4月 26日

2018-04-25 16:25:03 | Weblog
              (  芍薬・玉芍薬・糸葉芍薬  )



うら若き墨染衣玉芍薬              細見綾子



芍薬に逢瀬のごとき夜があり            森澄雄



芍薬の芽のほぐれたる明るさよ           星野立子



芍薬や月山拝む山の邑               水原秋櫻子



芍薬を抱くほど剪りて妻戻る           丹羽康碩



芍薬が咲いたと母へひとりごと          松平恭代



散り際の芍薬の芯萌黄色             平松公代



芍薬の蕾ほぐれて虫出づる            中山 ユキ



芍薬を活けて一日香の中             鈴木真理子



木の臼に芍薬活くる紙問屋            兼松 秀



山からの風に芍薬首振れり            中村修一郎



          


          玉芍薬



          


          糸葉芍薬



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4月 25日

2018-04-24 16:11:22 | Weblog
               (  都忘れ・野春菊  )



家移る都忘れを置きざりに            栗田やすし



教へ子の来る日よ都忘れ買ふ            辻 恵美子



祇王寺の都忘れに籠る尼              竹内万紗子



日溜りの都忘れや比丘尼寺            武藤光晴



都忘れ活け落柿舎の二畳の間           平松公代



移り来て三月や都忘れ買ふ            近藤文子



山涼し都忘れと聞くからに             阿波野青畝



愁なき紫都忘かな                 後藤夜半



庭隅に都忘れを紺屋かな              松崎鉄之介



駕忘れ都忘れの金剛杖               平畑静塔
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4月 24日

2018-04-23 16:41:14 | Weblog
                 (  薔薇、花薔薇・薔薇園  )



背を曲げて古寺の路傍の薔薇を嗅ぐ        沢木欣一



バラ園のホースの水を天に放つ          栗田やすし



夜雨はげし薔薇近づけて食事する         細見綾子



みどりめく少女の裸像薔薇盛り          梅田 葵



薔薇の雨立子の小さき硯箱            伊藤範子



繚乱と薔薇咲く家に忌中札            森 靖子



ひとり居に一人のリズム薔薇の花         井沢陽子



雨近き庭の白薔薇剪りにけり           水野時子



ペルシャ猫見ゆる出窓や薔薇屋敷         千葉ゆう



たそがれといふ薔薇淡きすみれ色         小柳津民子



薔薇の門くぐる画集を繰るやうに         米元ひとみ



海原にバラの匂へる美術館            井上靖代



壺の薔薇おおきくゆれし昼の地震         牧野一古



朝摘みし花匂ひ立つ薔薇の風呂          服部達哉



口ずさみ薔薇園巡る車椅子            神尾知代



仏間にも薔薇活け母へ香を分つ          桜井節子



落日の光に薔薇の透きとほる           漆畑一枝





          


          モモカ



          


          ゴールデンメダイオン




          


          コトネ



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4月 23日

2018-04-22 17:48:14 | Weblog
               (  杜若・燕子花  )



天然の風吹きゐたりかきつばた          細見綾子



綾子亡し風と遊べるかきつばた          栗田やすし



蓬莱も比良も雲中かきつばた            鷲谷七菜子



かきつばた男川女川のひゞき合ふ         下里美恵子



杜若茶室に白湯のたぎる音            日野圭子



こーひーの湯気のむかふに杜若          長谷川しげ子



雲映す流れかそけし燕子花            宇田鈴枝



水音の絶えぬ木曽路や杜若            清水聡子



咲き揃ふ花びら重き杜若             内田陽子



産卵の鮒が揺らせり杜若             中本紀美代



湿原の風の粗さよかきつばた           幸村志保美



かきつばた触れ合ひて色濃くしたり        鈴木真理子



縄文土器大目まんまる燕子花           山 たけし



綾子師と吹かるる心地かきつばた         熊澤和代



風渡るばかり綾子のかきつばた          角田勝代



戒壇を叩く雨粒かきつばた            金原峰子



池の面の光やまずよ杜若             利行小波



花どきの水のふくらみかきつばた          鷹羽狩行



雨の日の庇は長し杜若               古舘曹人




           






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4月 22日

2018-04-21 16:16:22 | Weblog
              (  著莪の花・花著莪・姫著莪  )



名園に扇子を使ふ著莪の花            細見綾子



著莪の花白きに湧きて雲絶えず           加藤楸邨



西行を葬りし寺の著莪の花             関戸靖子



擦れ違ふ禰宜と会釈や著莪の道          丹羽康碩



十二支を祀る山道著莪の花            山本法子



花著莪や古墳に著き獣道             熊澤和代



そり返り鐘撞く僧や著莪の花           生田美貴子



山寺のくづれし土塀著莪の花           水野時子



花著莪に沈む小ぶりの羅漢佛           巽 恵津子



浄智寺の磴の湿りや著莪の花           武藤光晴



著莪の花母校に今も尊徳像            加藤百世



著莪咲くや川音響く塩の道            岸本典子



芭蕉碑や雨に色増す著莪の花           森垣昭一



白虎隊自刃の跡や著莪の花            上田博子





          
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