(赤塚公園 噴水)
噴水にすこし触れたき夕ごころ
昨日より細見綾子さんの句集を読み続けています
中でも「和語」の中から少しだけ夏の句を紹介します
麦刈りてバケツで顔を洗ひけり
浅草寺の線香に咳く夏の果
定めなき運河の日紋夏は行く
毛布工場のわきに人参密生す
染め汁の虎色の川よおしろい花
5句ほどあげましたが、改めて写生のしっかりした基盤を
感じ、さらに句集から学び続けたいと思う
私がかつて入っていた結社では、女流俳句には厳しかった
蔑視でも差別ではなく、性に甘えることを
先生は許さなかった、昨今のIT句会を見ていたら、また
それを奨励するかのような主宰者が多くあらわれた
特に口語の俳句は女性のひとり言のような句が賛美されて
それはそれで許される世界なのだろうけど・・・・
そこであえて細見綾子さんの句を鑑賞して欲しいと思った
掲句の中には女性と感じるものはない
人間の一個性として女性の感性は感じることができるが
それも綾子句集として読むからだろう
(しろね 赤塚植物園)
今夜は両国の花火だった、高校2年生まで過ごした家は
物干し台ほどの高さからも仕掛花火が半分見えた
それほど隅田川までの間に高い建物が無かった
近い将来ここに東京タワーより高い建物が建つらしい
いつか川端に行かないと花火が見えなくなるのでは無い
だろうか・・
力士来る寒の両国橋長し 恩田秀子
あらぬ方に両国を見し花火かな 麦人
かはほりやさらば汝と両国へ 一茶
( はちす 乗蓮寺 )
現俳の選句中、今月は1086句 ん~うなるばかり
仕事も少し忙しいので選句ももう7日目に入る
目の具合も芳しくない・・・・・
選句は自由なのだから休むこともできるが、それも
環境によって出来まい。
(ほおずき 区民農園)
大門に鬼灯市の灯のつづく
阿部そう人著の「俳句 四号目からの出発」の中から
何かの参考になればと記載します
(対照法)
釣鐘にとまりて眠る胡蝶かな 蕪村
「この句は硬軟、大小、 剛弱、姿など複雑に対比するもので
成功した数少ない例で、初学で陥りやすいのは顕かに
色を出してしまうことだろう
新緑を出づるや滝の帯白く
白靴や青春かえる術もなし
といったように文字として色そのものを入れることは
一見効果があるようで、色ばかりに引かれて成功は
望めない 」
ころころも必ずここは避けて推敲をします、特に季語に
色が多く含まれているので、間接的な色を季語以外に
対比させることは一つの手法としては良いと思いますが
隠すように見せることが大切です
**今日は河童忌(芥川龍之介忌)と友人のブログで知る
河童忌や口端に残る粉薬
(みそはぎ 赤塚植物園)
禊萩(みそぎはぎ)略称で千屈菜(みそはぎ)というらしい
精霊花、水懸花 溝萩と色々な呼び名が有る通り
盆花として用いられてます
千屈菜の水影ささら彩たちぬ 石原八束
千屈菜に雲の変幻かぎりなし 福田蓼汀
(きつねのかみそり 赤塚植物園)
きつねのかみそり咲く東雲の茜もて
彼岸花科の植物でやはり有毒です
もう咲いていました 昨年より2週間ほど早いと思われます
やはり気象の異常は草花にすぐ現れますね
そうそう、姥百合も咲いていましたが携帯のカメラでは
少し遠く、近くのものはまだ蕾でした
咲いたらまたアップします
きつねのかみそりの名の由来を調べても。はっきりととした
、記述は無く その葉の形からかみそりと付けられた事は
確かなのですが・・・狐が髭を剃るわけも無く、きっと狐が
通るけもの道あたりに咲くのでしょうね
私は詠んだことが無かったのですが秋の季語になると
思います。検索したら4句ありました
きつねのかみそり赤子を抱きし男立つ 八牧美喜子
きつねのかみそり未だ咲かず寺の庭 田中冬二
きつねのかみそり一人前と思ふなよ 飯島晴子
裏門や狐のかみそり総立に 大木あまり