須賀余年さんのこと

2005-08-31 18:07:03 | Weblog

私が句会というものに初めて参加した「レッドポニー句会」
その中の最高齢の余年さん。句会になると私の隣が定席でであった
。私は寛ちゃんの隣・・そんな風に言ってた。
始まる少し前にお気に入りにのお煎餅やら手作りのお菓子を提げて
現れる。句会が始まる、兼題は前月の句会で主宰から発表があるため
まずは投句、短冊に書く役どころは兄野仏と私(当時は寛歩)、そして
選句に入る。いつも余年さんのところに短冊が滞る。ふと気付くと寝ている。
最初の内は皆驚いていたが,回を重ねるごとに余年さんの前を短冊が素通り
していく、さすが大人の集団!!誰一人として苦情を言うわけでもなく、
ましてや主宰はニコニコしている。
選句に入る、各自選披講・・「早春の菜を取り合せ喜寿の膳」
少しの間合い・・はい!余年です。おっ,起きてる。
するとすかさず主宰「長考でしたねぇ,余年さん」一同大笑い。
いつもこの通りである。
仕事の関係で句会に参加出来なくなった。その時余年さんから句集を頂いた。
「比翼」と題された余年さんらしい清楚な装丁である。

須賀余年さん,平田拾穂の愛弟子,帆船の発刊に携わっている。
大正2年埼玉県上福岡生まれ,南柯同人,帆船同人。
その後、お体を悪くされて入院生活をされていたが、近況は分からない。
ふっと、昔の句会の事を考えていると優しい皺のお婆ちゃんの顔が浮ぶ。

     ころころの今日の俳句

       夕野分仔馬は睫毛ふせて過ぐ

     ころころの独り言

    俳句をやってて良かったと思う事。それは素晴らしい人たちに
     巡り会えたこと。

  ころころのお気に入り

        秋の夜の障子に鳴かす指きつね   須賀余年


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心しずかに  飯田龍太

2005-08-30 17:10:18 | Weblog

「俳句はしばしものの言えない文学だと言われますが、私はむしろ、言わない文学
、言わなくとも共感の得られる世界を考えています。諦感よりもむしろこの積極的
な意思に、短詩としての強い魅力をおぼえるのです。それが作品として理解され
共感される為には,よろこびにつけ悲しみにつけ、自分を他人のように眺める静けさ
が求められます。いわば合せ鏡のように,正面の顔だけでなく,後ろにも目を持つ事」
    *中央公論「女性のための俳句教室」飯田龍太

何年俳句をやっていても,時として自我がでてしまう。俺が俺が・・という男の
仕事社会にもまれて,反発しながらも流されて行く。無理もないと言訳も考えて・・
俳句に迷った時。ふと上の一説を思い出す。一度だけ龍太氏の講演を聴いたことが
ある。そのときの静かな遠い目を思い出しながら読み返す事にしている。

       ころころの今日の俳句

       送る師はすでに青田の青の中

       ころころの独り言

    平均、公平,平等って人の社会だけのこと、動物や植物は
    摂理によって保たれているのに。平等にするにはどこかで
    誰かが無理をしていくことなのかも知れない。

  ころころのお気に入り

       ひとり来て一日ひとり冬の耕  湯浅辰巳
 
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俳句での出会い 別れ(その1)

2005-08-29 12:30:57 | Weblog


 俳号 宇佐美野仏 享年56歳  兄である。
 
 けまん咲き弥陀来迎を疑わず  野仏

このブログを立ち上げようと考えた理由の一つに野仏の句にもう一度
風を当てたいと思うところがあった。この時期のお風入れである。
私と3っつ違いの兄でこよなく仏像、寺社、古都を詠んだ。
田中茶能行門下では私のほうが先輩で、私とは全く句風が違う。
私が飯田龍太、石原八束が好きだと言えば、彼は鈴鹿野風呂、森澄雄と言う。
唯一、能村登四郎だけが共通であった。昭和55年から、姉との共同経営である
茶房(夜はスナック・・姉の部。)レッドポニーで句会を開くようになる。
当時千葉の新興住宅地 新松戸 不思議なことに主婦、ご隠居、青年と
10人ほどが集まっていた。後から知ったことだが、沖同人、帆船同人が
含まれていたのだ。その仲間の句などもこれから書き加えて行きたいと思う。
今思うと兄、弟としての思い出よりも俳句のライバルとしての兄への思いが強い。
俳句を始めて、句を通して兄が理解できたところもある。
平成15年4月25日 誰にも何も告げずに心不全で急遽した。無念。

        ころころ今日の俳句
      
        優曇華や誰に甘えし長電話


       ころころの独り言
 
        長男の代わりは出来ないけど、野仏の分まで詠むぞ!

    ころころのお気に入り

         虫鳴くや恋はこころの片隅に    竹久夢二              


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俳句の仲間のこと

2005-08-28 08:47:16 | Weblog

俳句仲間とは不思議な関係を持つことになる。
一般的に親友を除けば本音や家庭の環境その他プライベートな
ことは余り語らないものだと思う。しかし俳句は個人の詩情、感情、
視野、生い立ち、環境、生活などを詩に昇華して、あからさまな表現ではなく
例えば季節の木々や天象や生き物などを媒体にして自分の感性をさらけ出す。
自分を隠しながら自分を表現する文学だから、厄介だし難しい。
「分かって欲しい」を隠す、なんだこりゃ?である。

連衆と座友ともなれば感情を共有することになる、親兄弟、夫婦間にも
見せたことがない心の顔を見せてしまう。
私にとって俳句の仲間はかけがえのないものになっている。
郎党?かもしれない。俳句をしない人々にとっては「電車男」のような
秋葉系にか見られないかも知れないが・・・・

       ころころの今日の俳句

       木の実拾ふその手で廻す車椅子

       ころころの独り言

   独り善がりの文章にまたまた反省・・反省しても学習能力がないのかも。

   ころころのお気に入り

        妹はずっと妹桜の実    大塚和子
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ころころ二人の師匠(その2)

2005-08-27 15:42:50 | Weblog
もう一人の師匠
2年前の2月、何とも無しにPC検索、いやPC遊びが正しい。
ここのところの数年は働き盛りの年齢でもあり、少ない左脳を
働かせて俳句どころではなかった。
そしてIT句会の検索をしていたところ「GH俳句」(知る人は知っている)句会を
目にすることになる。本当のところ過去の俳句に自信があったし、
新聞の俳句欄やNHKの俳句を見ていてもこれといって俳句心を大きく
揺さぶられるものではなかった。ところがである・・・
GH俳句の企画句会なるものを閲覧していたら!!!

「月の出へもやい解かれし小舟かな 」
「満月のどこからみても真正面」
「七色の暈りんりんと望の月 」  この3句に出会う。参った

さっそく入会手続きをした。そして図々しくもこの作者のもとへメールを
する。「あのお句で入会を決断しました。どうぞ弟子にして下さい。」
ざっとこのような内容だったと思う。きっと唐突にこんなメールがきたら
うさんくさい物だ。でもその方は否定も、肯定もせず「楽しく俳句を致しましょう」
と仰ってくださった。勝手にそれからは押しかけ弟子を名乗っている。

   ころころ今日の俳句

         佐渡今日は見へし弥彦の菊日和
  
   ころころの独り言

   長い文章を書いたので頭が痛くなった。学生時代国語で3以上を
   貰った事がない。ちんぷん漢文である。

  ころころのお気に入り

      星涼し洋上三百六十度    やまだみのる 
      

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ころころ二人の師匠(その1)

2005-08-26 16:39:18 | Weblog


   俳句との出会いはもう27年、真面目にやっていればどこぞの同人に
でもなってたろうに・・でも生涯一俳人で満足なのだ。
なにより、俳句をしてから出合った人々の素晴らしさは何もにも
変えられない。
まず、この膨大な俳句宇宙に引き込んだ先師、田中茶能行先生。
沖の能村登四郎先生膝下で勉強された。俳句の神が降りている。
生涯テーマは「戀」、生涯研究テーマは「渡辺崋山」
 
  戀すれど戀すれど夕焼け近寄らず   茶能行

姉の店の常連さんであった師匠、姉から弟です、と紹介された
5分後には「おい、今ここで二人で句会やろう・・」と・・トホホ
私はもう免許取り上げられるほど酩酊してるのに・・
その時詠んだ句など覚えてなんていない。
しかし、誉め上手の師匠と煽てられれば天まで登る、典型的な下町
末っ子体質の私はみごとに田中先生門の自動ドアのセンサーに
掛かっていたのです。 でもでも感謝。尊敬しています。

  ころころの今日の俳句

  この世から声をかけられ昼寝覚め

  ころころの独り言

  あるIT句会に参加して、年間1位なんて目標立てちゃったけど・・
  無理・無理・  でもなぁ~何人かの人に言っちゃった。切腹!

  ころころのお気に入り

   優曇華や寂と組まれし父祖の梁   能村登四郎

  
 
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毎日が俳句・ハイクたまに絵手紙

2005-08-25 21:11:31 | Weblog
今日ころころのブログを開設しました。
今日の気分を俳句にしたり、絵に描いたりして楽しみながら、
進めていきます。


今日のころころの俳句

   蜩や山も裾野も秋田杉 

  ころころの独り言
  
父の故郷の景色、添削を受けたけどやっぱりこれがいい


ころころのお気に入り

         冷やされて牛の貫禄しづかなり  秋元不死男



    



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