10月 1日

2013-09-30 23:51:19 | Weblog
               ( 稲架・稲架襖・はざ・稲干す )



棒列ね屋根より高き稲架襖                栗田やすし


稲架襖裾の越後の子守唄                 細見綾子


しばらくは新稲架として雨はじく              能村登四郎


高稲架に鯖街道のうち晴るる                西村和子


棒稲架や母には遠き衣川                  岸風三樓


稲架を組む男のおけさ夕日を呼び             福田甲子雄


姨捨や田毎の稲架に後の月                 林 翔


荒縄の結び目揃ふ山の稲架                 篠田悦子







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9月 29日

2013-09-29 05:21:39 | Weblog
                ( 秋海堂・断腸花 )



秋海堂の別称「断腸花」命名は中国「恋人 が来ないのを悲しんだ女性の断腸(腸が千切れる思い)
の涙が美しい花となった」と言うところから付けられた



役立たぬ夫を許せよ断腸花            沢木欣一


断腸花妻の死ははや遠きこと           石原八束


秋海堂まだ降りたらぬ空の色           中野千代


秋海堂ほろほろ言葉染まるなり          河野多希女


欣一忌雨に滲める断腸花             小野千枝子


筆洗ふ水を切りたり秋海堂            中西舗土







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9月 26日

2013-09-25 20:43:15 | Weblog
               ( 秋刀魚 )


>火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり            秋元不死男


船傾げ海ごと掬ふ秋刀魚かな                岡本日出男


荒海の秋刀魚を焼けば火も荒ぶ               相生垣瓜人


働きし化粧のままに秋刀魚焼く                依光陽子


秋刀魚焼くいつしか君の妻となり               大高 翔


塩秋刀魚おのが油の火に焼かる               きくちつねこ


ぼうぼう焼く男盛りの青秋刀魚                武田和郎


窯焚きの燠で焼きたり新秋刀魚               矢野孝子



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9月 24日

2013-09-23 20:57:50 | Weblog
                ( 紫苑。紫苑の菊・しをに )



綾子師の掌の温かりし紫苑咲く           栗田やすし


山晴れが紫苑切るにもひびくほど          細見綾子


この壺を最も好む紫苑さす              富安風生


蓼科は紫苑傾く上に晴れ               木村蕪城


供へたる紫苑に低し定家塚              鈴鹿野風呂


寄り添ひてみたき丈なる紫苑かな           片山由美子


紫苑刈る浅間の雲の中に入り             宮坂静生






野紺菊





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9月 23日

2013-09-23 00:23:02 | Weblog
               ( 瓢箪・ふくべ・ひさご・へうたん・青瓢 )



青ふくべ漁師の町の共同湯              栗田やすし


剃刀あてて数へてゐたる青瓢              森 澄雄


ふくべ棚声透くころとなりにけり             山田弘子


颱風に傾くままや瓢垣                  杉田久女


遅れても急がぬ子なり青ふくべ             菅原哲男


庭せまき酒屋の裏の瓢哉                鈴木杏村


島住みや長く短かく青瓢                 辻桃子


瓢箪の尻に集る雨雫                   棚山波朗


抱く嬰の日毎に重し青ふくべ              奥田恵美













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9月 22日

2013-09-22 08:46:50 | Weblog
                    ( 曼珠沙華・彼岸花 )


今朝の朝日新聞によれば、埼玉県日高市の巾着田曼珠沙華公園でヒガン花が
見ごろを迎えているようです。巾着形の水田跡地に500万本が群生して
その一面が朱色に染まる。異空間に入ったような感覚にとらわれます



曼珠沙華空を映せし水たまり            栗田やすし


行く水のまがね光りや曼珠沙華           沢木欣一


寂光といふあらば見せよ曼珠沙華          細見綾子






奪衣婆と彼岸花



つきぬけて天上の紺曼珠沙華             山口誓子


昔へも行けそうな橋彼岸花              西尾千佳子


西国の畦曼珠沙華曼珠沙華              森澄雄


どこそことなしに一気や彼岸花            深見けん二


出雲路の雲紡ぐかな曼珠沙華             吉田鴻司
























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9月 20日

2013-09-20 00:56:29 | Weblog
                 ( 萩・白萩・萩の花 )



>暗がりに子規の小机萩咲けり             栗田やすし


驟雨来て瑠璃岩盤に萩散りぬ             沢木欣一


白萩の触るるたび散る待ちて散る            細見綾子










萩咲いて家賃五円の家に住む              正岡子規


白萩の走りの花の五六粒                 飴山實


浅草に舟宿のあり萩月夜                 黒木千代子


駄菓子屋の木箱に萩の咲きそめし            三枝正子


萩咲くや馬籠に古りし石だたみ              相馬 遷子


眼に溜めて風の色見ゆこぼれ萩              福永 耕二


散りごろの萩にやさしき雨ひと日             能村登四郎

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9月 16日

2013-09-16 18:54:29 | Weblog
                ( 敬老の日・老人の日 )


久しぶりの更新です 大きな台風が過ぎて行きましたが
皆さんの周りでは如何でしたでしょうか?
被害など出ていない事をお祈りしております



敬老日干菓子配られ戸惑へり          栗田やすし


ジヤズを聴く指はづみをり敬老日         杉本寛


老人の日よ晩学の書架貧し            馬場移山子


敬老の日や句敵はみな鬼籍            小路紫峡


理髪椅子神父をのせて敬老日           朝倉和江


世話役が世話をやかれて敬老日          高崎和音


老人の日喪服作らむと妻が言へり         草間時彦


雀来て敬老の日の雨あがり            吉田鴻司



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9月 10日

2013-09-10 01:22:49 | Weblog
                ( 蕎麦の花 )


蕨姫杉間に白し蕎麦の花                沢木欣一


そば畑の花の盛りを富士晴るる            細見綾子


花蕎麦や十戸に満たぬ隠里               石丸美代子


秩父路や天につらなる蕎麦の花             加藤楸邨


月光のおよぶかぎりの蕎麦の花             柴田白葉女


遠山の奥の山見ゆ蕎麦の花               水原秋櫻子


紫に暮るる山河や蕎麦の花               関根切子







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9月 8日

2013-09-08 01:00:33 | Weblog
             ( 秋めく・秋づく )


例年なら一週間ほど早くなのでしょうか?東京もやっと秋を感じる朝夕です


秋づきぬ間引菜飯をたべてゐて            細見綾子


絵手紙に描く草花や秋めく日              向井リイ子


日のさしてをりて秋めく庭の草             深見けん二


高原の秋めく日ざし小雷                 星野立子


秋めくや一つ出てゐる貸ボート             高橋悦男









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