12月 1日

2013-11-30 20:58:17 | Weblog
               ( 十二月 )


竹割つて鵜籠つくろふ十二月              栗田やすし


植木屋の妻の訃知りぬ十二月             沢木欣一


武蔵野は青空がよし十二月               細見綾子


借りて読む獄書のくさき十二月             秋元不死男


削るほど紅さす板や十二月               能村登四郎


空井戸に青竹の蓋十二月                鷹羽狩行


仲見世の裏行く癖も十二月               石川桂郎


鷲老いて胸毛ふかるる十二月              桂信子


胸中に聖句かがやく十二月               古賀まり子
















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11月 27日

2013-11-26 21:00:56 | Weblog
                ( 三の酉 )


十一月の酉の日を順に一の酉、二の酉、三の酉となります 酉の日は十二日ごとですから
六日以降に一の酉があるとその年は二の酉までと言うわけです
昔から三の酉がある年は火事が多いと言われています
浅草の大鷲神社では三の酉の日にだけ火除けのお札が授与されます



世の中も淋しくなりぬ三の酉                正岡子規


うなぎやのせまき梯子の三の酉               車谷弘


三の酉母の縫糸買に出て                  古賀まり子


三の酉舌に冷たき鮨の貝                   野沢節子


横降りの雨の手締や三の酉                  金原登志子


浅草や友散りじりに三の酉                  鈴木としお


一と二はしぐれて風の三の酉                 百合山羽公


三の酉居酒屋へ寄るあてありぬ                小原紫光









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11月 25日

2013-11-25 00:49:49 | Weblog
                ( 干大根・懸大根・大根干す )


母病んで掛大根に夕日濃し           栗田やすし


日ざし来て干大根が喜べり           細見綾子


大琵琶の今日は高波大根干す          大峯あきら


一村が懸大根の中にあり             杉村義昭


富士山に竿を渡して大根干す           上道直美


真白な掛大根の一日目              太田土男


大根干す土蔵の紋の仮名一字          鍵和田釉子


掛大根一茶の国を明るくす            岩崎源一郎


大根干す家から聞こゆアベマリア         野間 裕




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11月 24日

2013-11-24 01:38:27 | Weblog
                ( 実南天・南天の実 )


南天の実に惨たりし日を憶ふ           沢木欣一


ふるさとに南天の実と石路の花         細見綾子


山寺の鳥の楽園実南天              秋山晃子


実南天華やぐ友の京言葉             田中千加


とやかくの家相を払ふ実南天           能村登四郎


実南天鴎外旧居北向きに             松崎鉄之介


存命の父母を軽んず実南天            正木ゆう子


小雪の朱を極めたる実南天            富安風生


多摩の水引く酒蔵や実南天            阿久津都子





美男蔓





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11月 23日

2013-11-23 00:19:11 | Weblog
                ( 一葉忌・樋口一葉の忌日 )


明治29年11月23日 文京区丸山福山町で逝去。享年24歳




針山に小さき抽斗一葉忌              栗田やすし


頼まれし妻の足袋買ふ一葉忌            福永耕二


石蹴りの子に道きくや一葉忌            久保田万太郎


廻されて電球ともる一葉忌              鷹羽狩行


一葉忌折目を六ッに薬包紙             秋元不死男


赤電話が人待つ路地や一葉忌            鍵和田釉子


霧の香のなかの菊の香一葉忌            飯田龍太


昏れ際の露地に豆腐屋一葉忌            菖蒲あや


一葉忌旅にあがなふ手漉き和紙           河野順子






一葉井戸



一葉忌母にまだある糸きり歯    こころ






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11月 22日

2013-11-21 19:02:50 | Weblog
               ( 山茶花 )


烈公の蟄居の庭や白山茶花              栗田やすし


山茶花に遺影の眼鏡はし光る             沢木欣一


句碑の背の白山茶花の白静か             細見綾子


山茶花の散るとき人の起ちあがる            林 徹


山茶花に入日を惜しむ時津風             飯田蛇笏


山茶花の咲くだけ咲いて星出づる           永井龍男


山茶花のととのふときのなかりけり          長谷川櫂


山茶花の咲くか散るかの目白押し           武田和郎


また逢へた山茶花も咲いてゐる            種田山頭火













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11月 17日

2013-11-17 07:58:23 | Weblog
              ( 冬桜 )


藪抜けて偕楽園の冬ざくら               栗田やすし


舞うほどの花びら持たず冬桜               宇咲冬男


人一人寄せず亭午の冬ざくら               菖蒲あや


一片を散りもこぼさず冬桜                園 敦恵


朝の道夢かと見はる冬ざくら               矢澤春子


冬桜相模の湾を一望に                  山本 幸代


咲き競ふことなく二本冬ざくら              片山由美子






冬桜は一重、写真は十月桜







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11月 16日

2013-11-16 01:16:35 | Weblog
           ( つわぶきの花・石蕗 )


石蕗咲いて母亡き庭を明るくす            栗田やすし


石蕗卑し湯屋の煙の一すじに             沢木欣一


石蕗の花の大株昔のまま               細見綾子


石蕗の花言葉短くあたたかく              林 徹


明るさのしばらく胸に石蕗の花             深見けん二


日もすがら碧空を恋ひ石蕗の花             飯田龍太


尼寺の蝶花石蕗の光輪に                野沢節子


石蕗の黄に十一月はしづかな月             後藤比奈夫


石蕗の花膝を掴みて跼みけり              岡本眸


新聞をざつとたたみて石蕗日和             正木ゆう子







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11月 14日

2013-11-13 16:26:44 | Weblog
              ( 冬苺 )



春雷句碑蔓ごと供ふ冬苺           栗田やすし


冬いちご摘みて猪垣づたひかな        細見綾子


蔓ひけばこぼるゝ珠や冬苺           杉田久女


誕生日昨日と過ぎし冬苺            菖蒲あや


日あるうち光り蓄めおけ冬苺          角川源義


日の力落ちし小藪に冬いちご          神田 岩魚


冬いちごパリにも白き雲浮くや         鎌倉佐弓


冬苺海一枚となり光る             深見けん二












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11月 11日

2013-11-11 01:12:10 | Weblog
                ( 冬薔薇 )


おかげさまで、ブログを開設してから今日で3000日目となりました
当初は8名の方にお知らせしただけのブログも最近では一週間で1500名の方に
ご覧頂いています
もっと俳句の事など記事も書きたいのですが、ブログの編集の時間がいつも夜中で
睡魔に勝てなくなってきました
これも齢とあきらめています
これからも拙いブログの応援よろしくお願いします


待つ人あり睫毛の影と冬の薔薇              沢木欣一


冬薔薇日の金色を分ちくるゝ                細見綾子


散るまへの光にゆだね冬薔薇                鍵和田釉子


孤高とはくれなゐ深き冬の薔薇               金久美智子


冬薔薇たつた二輪の誕生日                 星野椿


冬の薔薇祈りはいつもひとのため              片山由美子


日の翼まつすぐに来る冬薔薇                山崎千枝子


落款の朱のきびきびと冬の薔薇               池上不二子









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