
瞽女とは、三味線を携え農村・山村を巡る盲目の女性遊行芸人である。ゴゼサン・ゴゼサなどと呼ばれた。「一年のほとんどが旅で明け暮れ、目的の村に着くと<瞽女宿>という泊まりつけの家に荷をおろしては、家々を門付けし、夜になれば、村人が集まり瞽女の本領である段物や口説、民謡などをきかせ、喜捨の米や祝儀が収入となった。」(「新潟県県民百科事典」)新潟県内では、高田瞽女・長岡瞽女が2大組織だが、柏崎近辺では刈羽瞽女とよばれる集団が存在した。
水上勉原作の「はなれ瞽女おりん」の映画を観たのはかれこれ20年もの前の事だった
主演は岩下志摩、原田芳雄だったと思う。
俳句を始めて知った瞽女という存在だが、それに関する書物を読めば読むほど心うつ
ものが有った。当時の「雲母」のなかに西本一都という俳人の句を目にして俳句が
短詩ゆえに伝わるものの大きさを感じた。
子別れの瞽女唄なれば息白し
瞽女のやど雁木づたひの小暗がり
着ぶくれていやしからざるおとな瞽女
これは西村一都の「瞽女無明」24作の中の3句。
瞽女と生活をともにして得た連作だと聞く。
日本海側の風土はそこで生活をしてみなければ到底詩にできない、私は書物や映画等
での感動を詩に詠うしかないのだが・・・

瞽女唄に時折はげし冬の雷

現俳の選句締切り日、やっと選句をすませたが・・結果はいかに・・

源流をくしけづりゐる芒かな 細見綾子