1月 31日

2024-01-31 06:07:16 | Weblog
                           紅梅・薄紅梅・濃紅梅 




                

                        薄紅梅 道しるべ




          紅梅の空いささかも混濁せず        細見綾子


          紅梅や灰均されし切炬燵          栗田やすし


          紅梅や筆塚に日の廻り来し         下里美恵子


          紅梅や花器となる土足で練る        森 靖子


          紅梅へ寄せやり妻の車椅子         梅田 葵


          紅梅の蕾きざせり義民の碑         清水弓月





                



                




          伊豆の海や紅梅の上に波ながれ       水原秋櫻子


          紅梅の一枝に憑かれ来し歩み        福永みち子


          尼寺の褪せたりといへ濃紅梅        下村梅子


          うす紅梅ふるさとの酒ふふみけり      伊藤京子


          紅梅や枝々は空奪ひあひ          鷹羽狩行


          紅梅や病臥に果つる二十代         古賀まり子





                



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1月 30日

2024-01-30 06:31:49 | Weblog
                                 白梅




                




          白加賀といふ白梅のうすみどり         細見綾子


          白梅や釘含み打つ宮大工            栗田やすし


          縁切寺出て白梅を振りあふぐ          下里美恵子


          山窪に朝の日差しや梅真白           矢野孝子


          白梅やぴんと張り干す割烹着          溝口洋子


          海鳴りの届く御堂や梅真白           武藤光晴





                




          白梅のあと紅梅の深空あり           飯田龍太


          白梅の仄か色めく夕日ざし           林 翔


          まばたきに似て白梅の二三輪          朝倉和江


          白梅や室千軒の点りそむ            石原八束


          夕白梅吐息のごとく谿灯る           鷲谷七菜子


          白梅の盛りの枝の飛沫くごと          西村和子





                




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1月 29日

2024-01-29 06:35:41 | Weblog
                          ものの芽・草の芽・名草の芽




             春に萌えだす全ての草の芽をいう。春の大地の息吹の現れであり、新しい命の芽生えである。
             名のある草の場合は名草の芽といわれる。 < 季=春 >





                




          川べりの芽木にふれゆく男の子          細見綾子


          観音に瀬音高まる芽木の里            栗田やすし


          ものの芽に光の雫とどまれり           国枝洋子


          虎御前の墓を囲めり名草の芽           下里美恵子


          明日葉の若芽つややか流人塚           高橋孝子


          韮の芽の雨に匂へり陶干場            山本光江





                




          海越えて芽ぐむものなき野のひかり        沢木欣一


          にわとりの忍び足なる名草の芽          永沼千代子


          ものの芽のひしとかこみて元興寺         鷲谷七菜子 


          にわとりの忍び足なる名草の芽          永沼千代子


          神々の意のこまごまと名草の芽          藤田湘子


          草の芽にかゞみて母も素足なる          白澤よし子





                




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1月 28日

2024-01-28 06:35:44 | Weblog
                     蕗の薹・蕗の芽・蕗の花・蕗のしゅうとめ




          泥靴で歩きし一日蕗の薹             細見綾子


          蕗のたう屈みて摘めり石道寺           栗田やすし


          蕗のたう沢音尖る峠道              山下善久


          地震跡の崖の崩れに蕗のたう           上杉美保子


          かに味噌に刻みて加ふ蕗の薹           高島由也子


          天婦羅のさみどり透けり蕗のたう         井坂壽子





                




                




          蕗の薹おもひおもひの夕汽笛           中村汀女


          土の香も携へて来し蕗の薹            稲畑汀子


          まろびくるものに子の声蕗の薹          林 翔 


          こみあぐる土のあくびや蕗の薹          和田 祥子


          包み紙しっとり濡らし蕗の薹           能村登四郎


          ほろ苦き恋の味なり蕗の薹            杉田久女





                




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1月 27日

2024-01-27 06:16:18 | Weblog
                          冬温し・冬暖か・暖冬




                     



          穀倉の鼠返しや冬ぬくし          栗田やすし


          池底に鷺の足跡冬ぬくし          岸本典子


          円空の伐折羅の笑まふ冬ぬくき       山下智子


          冬ぬくし婆振り売りの京野菜        石川紀子


          ビートルズ鳴らす酒蔵冬ぬくし       森垣一成


          竹皮に包む佃煮冬ぬくし          中村たか





                    




          暖冬や砂丘をのぼる身の重さ        秋元不死男


          冬ぬくし重なり合ひて恋の絵馬       高橋悦男


          冬あたたか嬰が母の手を食べんとす     池田澄子


          冬温く穴熊不眠症かこつ          津田清子


          生命線見せあうて旅冬ぬくし        大野林火 


          冬暖の濃き夕焼に橋の白          野澤節子





                    




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1月 26日

2024-01-26 06:07:12 | Weblog
                             冬菫・寒菫




                




          言葉少き日の縁下の冬すみれ          細見綾子


          教会の庭に屈めば冬すみれ           栗田やすし


          冬すみれ咲く王陵の珊瑚垣           倉田信子


          城郭の日当たるところ冬すみれ         武藤光晴


          燭揺るるガラシャの墓や冬すみれ        松原 香


          椅子ひとつほどの日溜り冬すみれ        ころころ





                




          ふるきよきころのいろして冬すみれ       飯田龍太


          冬すみれ汝も平家の裔として          津田清子


          子を生まぬこと冬菫愛さぬこと         夏井いつき


          犬より荒き少年の息冬すみれ          鍵和田釉子


          しやがむとき女やさしき冬菫          上田五千石


          冬菫校舎の上に海展け             宮津昭彦





                



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1月 25日

2024-01-25 05:42:13 | Weblog
                           鷽替え神事




             1月25日は菅原道真公の生まれ日と亡くなられた日になります。「いままでのあしきもうそとなり」と、
             幸運を招く鳥「うそ」。前年の「うそ」の人形を神社へ返納して取り替え、1年の幸運を祈る神事となり
             福岡の太宰府天満宮では1月7日、東京の亀戸天神では1月25日(正月の季語)執り行われます





                




          鷽替ふる大き太鼓を一つ打ち        栗田せつ子


          鷽替へてすぐ方便の嘘をつく        片山浮葉


          手から手へ渦にもまれて鷽替ふる      福田邦子


          鷽替や三つ編みの子に福当たる       岡島溢愛


          鷽替のねんごろに振る御神鈴        近藤節子


          大楠の木洩れ日浴びて鷽替ふる       野島秀子





                



                




          吉凶の顔や等しく鷽替へぬ         吉田鴻司


          鷽替やどうせこの世は嘘ばかり       菖蒲あや


          病む母の産土神の鷽替へて         能村研三


          鷽替の勢子先づ禰宜の神酒を受く      福井大節


          鷽替へてあをき空ある太鼓橋        喜多みき子


          八十路なほ恃むものあり鷽替ふる      千原満恵





                




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1月 24日

2024-01-24 06:15:13 | Weblog
                          冬夕焼・寒夕焼・冬夕映




          風鐸の鳴るにまかせて冬茜         沢木欣一


          暗くなるまで冬の夕焼見てをりし      細見綾子


          寒茜校塔の玻璃富士映す          栗田やすし


          切絵師に渡すフランや寒茜         河原地英武


          斑鳩の九輪くつきり冬夕焼         小山 昇


          母乗せて軽き自転車冬夕焼         関根切子





                




                




          行くピエロ帰るピエロよ寒夕焼       小沢昭一


          旅なほも遙かへ誘ふ冬夕焼         山田弘子


          東京やつくづく遠き冬茜          加藤秋邨


          冬夕焼空に森あり牧場あり         石田あき子


          冬夕焼人をあやむるごとき色        加藤三七子


          西の都の冬夕焼の崩れしか         夏井いつき





                




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1月 23日

2024-01-23 05:54:45 | Weblog
                冬銀河・冬の星・寒星・凍星・星寒し・星冴ゆ・荒星・寒昴




             荒星とは木枯しの吹きすさぶ、荒れた夜の星。《季 冬》
             銀河冬とは冬の夜空にかかる天の川のこと。冴え冴えとした趣がある。秋の天の川と違っていくらか
             明るさが弱い。《季 三冬》
             凍星とは空気が凍りついたように冴え渡る冬の夜空の星。《季 冬》
             寒昴「すばる」はもともと日本語で星が集まってひとつになるという意味でプレアデス星団のこと。
             おうし座の中に位置し、蒼白い星が六つほど固まって見えるので六連星(むつらぼし)とも呼ばれる。

             すべてネットからの書き写しですが季語の本意を理解しつつ掲句を鑑賞すると少し違った趣を感じます





                




          再びは生れ来ぬ世か冬銀河         細見綾子


          師を見舞ひ新宿で見る冬の星        栗田やすし


          大正モガ令和まで生き冬星に        矢野孝子


          凍星や杉の木立の軋む音          関根切子


          カモミール飲みて眠れり冬銀河       太田滋子


          炊出しの列に寒星瞬けり          ころころ





                



          寒星をつなぐ絲見ゆ風の中         福永耕二


          冬銀河夜干の工衣のしたたらす       吉田鴻司


          いくたびも震ふ大地や寒昴         桂 信子


          見舞ふたび母遠くなる冬の星        成田清子


          天上に師も弟子もゐて寒昴         能村登四郎


          凍星へまつしぐらなる大樹あり       奥坂まや




                



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1月 22日

2024-01-22 05:32:06 | Weblog
                              室咲・室の花



             温室で、春や夏の花を冬に咲かせること。古くは、厳冬に梅を咲かせて楽しみ、現代では、
             バラやランなど多種の花が栽培される事が多い< 三冬の季語 >





                




          冴え冴えと顔に来るもの室の花       細見綾子


          室咲の増えたる二人暮しかな        河原地英武


          ほほゑみし遺影を包む室の花        福田邦子


          サイフォンで点つる珈琲室の花       渡辺慢房


          あかちやんの寝息すこやか室の花      月光雨花


          七七忌までを盛りに室の花         ころころ






                



                



          室咲きや午前十時は主婦の刻        石川文子

          
          室咲の花淡くして日も薄し         水原秋櫻子


          片仮名の名はすぐ忘れ室の花        松本泰志


          室咲の散りたる花も葉の上に        波多野爽波


          室咲きに水やることも旅支度        片山由美子


          加湿器に室咲の花潤ふよ          石川桂郎







                



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