6月 30日

2024-06-30 05:23:44 | Weblog
                         蓮の花・白蓮・紅蓮・蓮華





                     




          てのひらに蓮の紅玉つゝみたし          沢木欣一


          蓮ひらく祈りの十指解くやうに          伊藤範子


          蓮咲いて浄土の風の中に村            富田範保


          白連の大揺れしたり一揆寺            中斎ゆうこ


          しののめや蓮見の関の緋毛氈           金田義子


          伸びきつて大蓮の花せめぎあふ          幸村志保美





                      




          蓮の花さくや淋しき停車場            正岡子規


          水暗し葉をぬきん出て大蓮華           杉田久女


          ほのぼのと舟押し出すや蓮の中          夏目漱石


          くれなゐの蓮鑑真のために咲く          津田清子


          あの世にて逢ふ人あまた蓮ひらく         林 翔


          一つづつ夕影抱く蓮かな             高浜虚子





                


               古代蓮・大賀蓮
               古代のハスの実から発芽・開花したハス(古代ハス)。1951年(昭和26年)、
               千葉県千葉市検見川(現・千葉市花見川区朝日ケ丘町)にある東京大学検見川厚生農場
               (現・東京大学検見川総合運動場)内の落合遺跡で発掘された経緯から「検見川の大賀蓮」
               として千葉県の天然記念物に指定されている。





          揺らぎては刻あをあをと古代蓮          鍵和田 秞子


          古代蓮開くや紅のほの暗し            久保田月鈴子


          古代蓮山よりの風あつめけり           原田 初枝


          古代蓮宝珠のごとき蕾あぐ            伊東とみ子





                     




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6月 29日

2024-06-29 05:10:33 | Weblog
                           凌霄花・のうぜんかずら





                     




       伸びきつて風捉へをり凌霄花           伊藤範子


          凌霄のなだれて咲けり間垣村           二村美伽


          のうぜんの花散る子規の土蔵裏          奥山ひろみ


          凌霄の高さを風の渡りけり            吉田明美


          凌霄花男住まひの塀上る             小原米子





                     




          凌霄を纏き曼陀羅となる一樹           福永耕二


          凌霄の高きより垂れ御師の家           能村登四郎


          くろぐろと夜空なだるる凌霄花          岡本 眸


          笠雲の岩木間近に凌霄花             佐藤鬼房


          凌霄花や問ふべくもなき門つゞき         中村汀女


          塞の神のうぜんの花うちかぶり          飴山 實
 





                     




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6月 28日

2024-06-28 04:56:28 | Weblog
                            桑の実・桑苺





                




          かくれ部落桑の実落ちて踏まれたり        細見綾子


          遠き日を語りて摘めり桑苺            国枝洋子


          桑の実に群がる雀枝揺らす            石原れい彩


          傘の柄で引きて摘みたり桑苺           山崎文江


          萱屋根に山桑熟れし実をこぼす          山本悦子


          たはむれに桑の実を食み渡船待つ         河合義和






                





          桑の実や湖のにほひの真昼時           水原秋櫻子


          桑の実や味噌つ歯の子にして雀斑         鷹羽狩行


          指の力抜いて摘みたき桑苺            中村芳枝


          鮮烈に桑の実あかき殉教址            佐藤国夫


          舐めてまだ渋い桑の実水の国           河合凱夫


          桑の実の少年の日を口中に            黒坂紫陽子






                




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6月 27日

2024-06-27 04:36:24 | Weblog
                    夏越(なごし)・茅の輪・夏祓・形代流す





             旧暦の6月末に行われる「夏越の祓」は、半年分のケガレを落とす行事で、この後の半年の健康と厄除けを
             祈願します。由来は神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)にまで遡るそうでが
             新暦に移った現在でも、6月30日ごろ日本各地の神社で行なわれている伝統行事です。






          大茅の輪傷む足よりくぐりけり          二村満里子


          夕まぐれ茅の輪くぐりて鳩あそぶ         山下美恵


          大仰に禰宜が絹裂く夏祓             武藤光晴


          ごめんねと言ふ母を負ひ茅の輪かな        高橋ミツエ


          神官の声のこだまや夏祓             本多俊枝


          男衆軍手で結へり大茅の輪            廣島幸子





                



          御船形石も注連縄夏祓              阿波野青畝


          あをあをと津軽が匂ふ茅の輪かな         鈴木鷹夫


          ためらはず雨の茅の輪をくぐりけり        片山由美子


          のれんかけ替へて夏越の祓かな          吉田みち子


          みづうみへゆらりとぬけて茅の輪かな       大石悦子


          茅の輪くぐり星降る夜空詣でけり         星野立子





                




             
             人形(ひとがた)とは、人の形を模した紙の形代(かたしろ)です。人形に自分の名前や年齢などを
             書き、それで体を撫でて人形に罪やケガレを移し、身代わりとして神社に納めます。人形を川に
             流したり、篝火を焚いたり、水や火を使う神事で清め、厄を落とします。




          人形の餅搗きてんやわんやかな          細見綾子


          蓮田風起ちて形代流しかな            石田波郷


          風に逆立ち形代の流れ出す            鷹羽狩行


          形代にうつす現身息をかけ            福田蓼汀


          禊川銀山を出てひびきけり            下田 稔


          惜命や形代に息吹きかくる            清水弓月





                     


                       人形(形代)流し



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6月 26日

2024-06-26 04:53:02 | Weblog
                         胡瓜・胡瓜もみ・一夜漬





                




          崖下に異形の胡瓜露厚く             沢木欣一


          朝採りの胡瓜手の平冷たくす           野﨑和子


          丹精の胡瓜見事に反り返る            武藤光晴


          糠漬の胡瓜の艶や母の味             太田滋子


          豊作の胡瓜を配る両隣              矢野愛乃


          一坪の舟屋の路地の胡瓜畑            角田勝代





                




          輪にもせず竪にもわらず胡瓜哉          正岡子規


          青き胡瓜ひとり噛みたり酔さめて         加藤楸邨


          しの字曲りのの字曲りの胡瓜かな         辻 桃子


          上げ板のきしむ厨の胡瓜もみ           高橋尚子


          糠床も母の形見よ胡瓜漬く            有里要子


          上げ板のきしむ厨の胡瓜もみ           高橋尚子





                




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6月 25日

2024-06-25 04:33:25 | Weblog
                               烏瓜の花





                     




             ウリ科の蔓性の多年草。山野に生え、巻きひげで他に絡みつく。葉は手のひら状に浅く裂ける。
             雌雄異株。夏の夕方、花びらの縁が糸状に裂けた白い花をつけ、実は楕円形で赤く熟す。塊根からとる
             でんぷんは天瓜粉の代用。たまずさ、狐の枕
             実が赤くなる品種を「烏瓜」実が黄色くなる品種は「黄烏瓜」と言います




          烏瓜の花よ鵜の巣の三番子         細見綾子


          一番星見えて咲きそむ烏瓜         国枝洋子


          断崖に烏瓜咲く隠岐の島          山下善久


          烏瓜今宵咲かんとうすみどり        金原峰子


          咲ききつて夜目にも白し烏瓜        坪野洋子


          花街の灯りに咲けり烏瓜          ころころ





                     




          烏瓜宵の蛾よりも花淡し          水原秋桜子


          烏瓜翁のごとく咲きにけり         阿波野青畝


          烏瓜咲く学童の肝だめし          太田土男


          烏瓜咲ききはまつてもつれなし       深見けん二


          咲き足りて夜明けを紡ぐ烏瓜        三橋迪子


          ほのぼのと泡かと咲けり烏瓜        松本たかし





                     




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6月 24日

2024-06-24 04:51:25 | Weblog
                            合歓の花・花合





                     


                       象潟や雨に西施がねぶの花.  芭蕉  (象潟・西施像)




           合歓の花沖には紺の潮流る            沢木欣一


           山峡を汽車あへぎ出て合歓の花          細見綾子


           師を偲ぶ虹の光の合歓の花            国枝隆生


           宮下に落ち合ふ流れ合歓の花           夏目悦江


           合歓戦ぐ皇女降嫁の峠道             坪野洋子


           鐘のなき火の見櫓や合歓の花           大平敏子





                




           合歓の花路ひたすらに空港へ           飯田龍太


           指重ね礼する家風合歓の花            林 翔 


           花合歓がをんなに見えるビール酌む        三橋鷹女


           七尾線昼ねむき花合歓の辺を           森 澄雄


           合歓ごしに鳥海うかぶいつかゆく         渋谷 道


           合歓の花葉騒の上にひろがれる          八木絵馬





                




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6月 23日

2024-06-23 05:20:42 | Weblog
                         睡蓮・未草(ひつじぐさ)




             「未」という漢字を「ヒツジ」と読むのはあまり馴染みがないでしょうが、日本では時間を漢字で表す
             ことがあり、「未の刻(ひつじのこく)」は午後2時を指します。 そこで、花が午後2時頃に咲くから、
             という理由で「未の刻に咲く草」つまり「未草(ヒツジグサ)」と呼ばれるようになりました。
             ヒツジグサは夜には花を閉じて水中に隠れ、昼はまた水面に浮かぶことから睡る( ねむる)蓮、睡蓮の
             漢名があてられています




                




          睡蓮の瞳に狂院の石畳           沢木欣一


          すいれんの池にひき鳴き雨誘ふ       細見綾子


          石臼に今朝一輪のひつじぐさ       栗田やすし


          睡蓮の花閉ぢてより夕長し        上杉美保子


          土砂降りや蕾の固きひつじ草       中山敏彦


          絞り屋の庭睡蓮の開き初む        日野圭子





                




          睡蓮の蕾一寸法師ほど          片山由美子


          漣の吸ひ込まれゆく未草         西村和子 


          睡蓮や目立の音に甕坐る         秋元不死男


          象たちの朝から遠見未草         金子兜太


          未草ひらく跫音淡々と          飯島晴子


          咲きつぎて睡蓮沼の名に恥ぢず      鷹羽狩行





                




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6月 22日

2024-06-22 05:17:58 | Weblog
                     罌粟の花・罌粟の実・罌粟坊主・芥子の花


             昨日全国的に梅雨入り宣言されました どうぞ体調管理を万全にお過ごしください



                




          白芥子を賞でたる眉や背には海          細見綾子


          国境の大草原に芥子の花             栗田やすし


          風の来て忽と鬼罌粟揺らぎけり          武藤光晴


          罌粟坊主揺るる国境検問所            伊藤旅遊


          江の電は風の径なり花ポピー           野島秀子


          旅の子の便り短し罌粟の花            栗田せつ子





                




          午後の日の暈に僧院は罌粟咲けり         水原秋櫻子


          罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき         橋本多佳子


          ひとの家に頽れたりし芥子を思ひ寝る       石田波郷


          スケッチの鉛筆軽し芥子然り           阿波野青畝


          めんどりの首立ててゐる罌粟の昼         鷲谷七菜子 


          午後からは頭が悪く芥子の花           星野立子





                




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6月 21日

2024-06-21 07:10:13 | Weblog
                               夏至


            二十四節気の一つ、節気は期間ですから六月二十一日から七月五日までの期間です 
            また一年で一番昼の時間が長い日. 夏至とは、この日を過ぎると本格的な夏が始まると意味でもありです
            冬至の南瓜 夏至の冬瓜 地域によっては焼き鯖、蛸、うどん だったりします






                 




          生れし嬰が足で空切る夏至の夜          片山浮葉


          峡の田へ夏至の入り日の輝けり          武藤光晴


          今日夏至の刻を告げたり鳩時計          岡島溢愛


          夏至の土間筵被せて壺干せり           梅田 葵


          夏至の海太陽ゆらぎつつ沈む           高橋孝子


          夏至の酒大徳利で酌み交はす           中山敏彦





                




          のびきつて夏至に逢ふたる葵かな         正岡子規


          夏至愉し牛と羊は野にあそぶ           阿波野青畝


          夏至の日の仲見世ぺたぺた歩きけり        吉田鴻司


          大槻に夏至の夕焼ふたたびす           亀井糸游


          葛飾や夏至のつばめをかほの前          黒田杏子

          
          渦で了る女醤の巻尺夏至時刻           渋谷 道





                




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