7月 1日

2019-06-30 14:22:42 | Weblog
                 七月一日・山開き


     根岸子規庵より徒歩7~8分にある下谷・小野照崎神社の山開きが6月30日、
     7月1日の両日行われています。
     境内にある富士塚は実際の富士山の溶岩で築いたもので230年をへています
    「学問・芸能の神様」といわれる小野篁(おののたかむら)と菅原道真
    (すがわらのみちざね)をまつる神社で
     芸能関係者の参拝も多いようです
     もともと江戸時代にあった富士信仰の一つとして、富士山に登りに行けない
     人が、同じご利益を得ようと各地に築かれたようですが現存するのは少なく
     なりました




     七月や相模大山の神の札             細見綾子


     革靴で巡査来てゐる山開             栗田せつ子


     日を浴びて切幣舞へり山開き           藤田岳人


     玉串は早苗よ苗場山開き             山下智子


     山開幣振るたびに霧動く             長江克江


     山開一位の枝で祓はるる             平松公代


     護摩焚の煙の太し山開              中村たか


     指切れるほどの流れや山開き           生田美貴子


     木道にかはす笑顔や山開き 



          



     七月や既にたのしき草の丈            日野草城


     枇杷の種弾みて富士の山開き           飯田龍太


     お山開きし甲州街道となりにけり         富安風生


     撒く塩の草に音たつ山開き            福田甲子雄



        
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6月 30日

2019-06-29 14:51:16 | Weblog
              夏越(なごし)・茅の輪・夏祓・形代流す


          陰暦六月晦日に行う祓いの称、この神事は形代に半年間の穢れを託し川に流したり
          茅の輪をくぐる  深川八幡の大祓いの写真です




     惜命や形代に息吹きかくる            清水弓月


     白絹を禰宜が引き裂く夏祓            坪野洋子


     形代を流して瀬音高鳴れり            日野圭子


     山裾の社に小さき茅の輪かな           夏目悦江


     日を弾く禰宜の木靴や夏祓            武藤光晴


     里宮に響く夏越の触れ太鼓            内田陽子


     神官の声のこだまや夏祓             本多俊枝


     大茅の輪傷む足よりくぐりけり          二村満里子


     丹念に名を書き形代納めけり           上田博子


     音たてて白絹裂けり夏祓             中村たか


     ごめんねと言ふ母を負ひ茅の輪かな        高橋ミツエ




          



     御船形石も注連縄夏祓               阿波野青畝


     いびつなる島の茅の輪をくぐりけり         岸田稚魚


     あをあをと菰の座のある御祓かな          百合山羽公


     蓮田風起ちて形代ながしかな            石田波郷


     風に逆立ち形代の流れ出す             鷹羽狩行
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6月 29日

2019-06-28 17:36:33 | Weblog
                梅雨晴・梅雨晴間




     梅雨晴れの海の匂ひに休みたる          細見綾子


     梅雨晴れや棹いつぱいに野良着干す        藤田岳人


     古稀の師の大いなる夢梅雨晴間          松永敏枝


     梅雨晴やリヤカーで来る宅急便          関根切子


     音軽き盲人の杖梅雨晴間             武田明子


     梅雨晴間小瓶にもらふママレード         太田滋子


     交番に長靴干せり梅雨晴間            鈴木英子


     潮染みの潜水服や梅雨晴間            小田二三枝


     分蜂の渦巻く羽音梅雨の晴            高橋幸子


     浅間嶺は雲の中なり梅雨晴間           水鳥悦枝




          



     梅雨晴を賜びしと父母の来給へる         瀧澤伊代次


     梅雨晴るる家畜のにほひ土に染み         相馬遷子


     修道女の大き手提や梅雨晴間           近藤愛子


     パン生地の膨らみすぎし梅雨晴間         能勢 俊子


     海猫の漁夫より忙し梅雨晴間           岡本まち子
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6月 28日

2019-06-27 18:57:02 | Weblog
                  夏水仙



     補陀落寺の裏山に咲き夏水仙            細見綾子




     花かざし夏水仙の独り立ち              沢木欣一




     なんの蔓夏水仙にからみたる             岸本尚毅




     朝の脈摶夏水仙は地軸の花              栗林千津
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6月 27日

2019-06-26 16:54:07 | Weblog
                浜木綿・インド浜木綿・浜万年青・文珠蘭




     浜木綿の簪ゆれて海青し             細見綾子


     浜木綿に雨走り来る岬かな            下里美恵子


     浜木綿や握る切符の潮湿り            幸村志保美


     浜木綿や足裏に温き夜の砂            内田蒼天


     浜木綿咲く神社に祀るくじら石          嶋田尚代


     浜木綿や浜辺に小さき供養塔           橋本紀子


     浜木綿の蘂紫に海昏るる             金田義子


     浜木綿や補陀落渡海船出の地           平松公代


     浜木綿や何処でも止まる浦のバス         八尋樹炎


     浜木綿や開けつ放しの蜑の家           山本法子




          



     潮流を変へたる岬浜おもと             阿波野青畝


     浜木綿の花と暴風圏に入る             後藤比奈夫


     貯木場にも入口に浜おもと             右城暮石


     浜木綿や日暮れて湯の香町に濃き          上村占魚
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6月 26日

2019-06-25 14:15:06 | Weblog
                合歓の花・花合歓




     合歓の花沖には紺の潮流る             沢木欣一


     合歓の花がつづる旅路や子の睫毛          細見綾子


     師を偲ぶ虹の光の合歓の花             国枝隆生


     良寛の小さ持仏やねむの花             鈴木みすず


     宮下に落ち合ふ流れ合歓の花            夏目悦江


     合歓戦ぐ皇女降嫁の峠道              坪野洋子


     海へ向く移民の墓や合歓の花            熊澤和代


     また辞書を引きし単語や合歓の花          渡辺慢房


     鐘のなき火の見櫓や合歓の花            大平敏子


     屋敷跡空一ぱいに合歓の花             花村つね


     床軋む開智学校合歓の花              伊藤冨美江


     



          



     乳牛の角も垂れたり合歓の花            河東碧梧桐


     花合歓に夕日旅人はとどまらず           大野林火


     合歓の花路ひたすらに空港へ            飯田龍太


     ねむたさを雲にわかちて合歓の花          鷹羽狩行


     顔近く昏るる青嶺や合歓の花            藤田湘子
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6月 25日

2019-06-24 15:19:19 | Weblog
                  目高・緋目高・白目高・目高捕り




     石臼の目高に足せり日向水            栗田やすし


     赤目高針のごとき子生れたり           細見綾子


     大甕は唐三彩や目高棲む             国枝隆生


     朝市やペットボトルに目高売る          奥山ひろ子


     塵のごと浮き沈みせり目高の子          沢田充子


     雨水満つ南蛮甕に目高の子            福田邦子


     糶の柝鳴れば緋目高片寄れり           伊藤克江


     目高飼ふ爺の小庭の陶火鉢            夏目悦江


     糸尻に祖父の刻印目高生ゆ            市川正一郎


     緋目高を赤子抱きて眺めをり           藤吉 博


     ふたり老いメダカ百匹生き生きと         近藤文子




          



     めだか散り少しは見ゆる池の底          桂信子


     初目高二つの影の始めより            百合山羽公


     目高捕り三宝寺池も遠からず           村山故郷


     菱の中に日向ありけり目高浮く          村上鬼城
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6月 24日

2019-06-23 15:02:11 | Weblog
                  昼顔・鼓子花・容花




     ひるがおの虹色砂上夢しかと           沢木欣一


     昼顔の野原横切り貰ひ乳             細見綾子


     昼顔や大聖堂は静まれり             野々垣理麻


     昼顔の柵にからめり無人駅            長谷川雅子




          



     昼顔のゆるりとからむ箒の柄            中嶋秀子


     昼顔や川ひろがりて京の果             長谷川櫂


     昼顔や捨てらるるまで櫂痩せて           福永 耕二


     昼顔の風が漉しゆく関所跡             桶脇康治

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6月 23日

2019-06-22 15:31:11 | Weblog
                      >捻花・文字摺草




     鵜の塚に群ら咲きゐたりねぢり花         片山浮葉


     崩れたる寺の土塀に文字摺草           国枝洋子


     青芝の中捩花の群れ咲けり            成田久子


     捩花やをさなに兆す反抗期            上村龍子


     ねぢ花に木洩れ日淡し杓子庵           若山智子


     捩花をコップに挿せり午後の卓          加藤雅子


     ねじり花歩道の割れめ一列に           雨宮民子


     関跡に捩りゆるびし文字摺草           野島秀子


     捩花の天へ行きつく小虫かな           中川幸子


     腹這ひて捩花撮れり大男             田畑 龍




          



     能稽古舞台の冷えや文字摺草             石川桂郎


     文字摺の階を下りゆく雫かな             阿波野青畝


     手のこんでをりし文字摺草の花            後藤夜半


     捩花の名にしつかりの捩れやう            飯島晴子
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6月 22日 夏至

2019-06-21 19:56:51 | Weblog
                 夏至




     生れし嬰が足で空切る夏至の夜          片山浮葉


     夏至の土間筵被せて壺干せり           梅田 葵


     今日夏至の刻を告げたり鳩時計          岡島溢愛


     有線が正午を知らす夏至の空           武藤光晴


     いつまでも夏至の夕日の赤きかな         渋谷さと江


     看護婦に血を採られゐる夏至の朝         山下帰一


     夏至の海太陽ゆらぎつつ沈む           高橋孝子


     夏至の酒大徳利で酌み交はす           中山敏彦




           



     のびきつて夏至に逢ふたる葵かな         正岡子規


     白衣きて禰宜にもなるや夏至の杣         飯田蛇笏


     夏至愉し牛と羊は野にあそぶ           阿波野青畝


     あらくさの香立ちてありし夏至のころ       岸田稚魚


     山の木の葉音さやかや夏至の雨          鷲谷七菜子
          
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