9月 30日

2021-09-30 06:13:59 | Weblog
                       秋刀魚・さいら・サンマ・新秋刀魚


     うつくしく秋刀魚の骨を残しけり        河原地英武


     窯焚きの燠で焼きたり新秋刀魚         矢野孝子


     頭を揃へ葉蘭に並ぶ初さんま          佐藤とみお


     スコップで秋刀魚の箱へ氷投ぐ         鈴木みすず


     大漁旗掲げ秋刀魚のつかみ取り         小田二三枝


     秋刀魚食ぶ骨真つ直ぐの皿の上         桜井貞子


     酒美味し腹の苦みの初さんま          武藤けい子


     無愛想は薩摩の気風秋刀魚焼く         齋藤眞人


     酒旨し焦げ目程良き初秋刀魚          瀬尾武男


     夕暮れや母に教はるさんま飯          松原和代


     防災の七輪で焼く大秋刀魚           加藤百世


     秋刀魚焼く火伏せの護符を煙らせて       坪野洋子



          



     火だるまの秋刀魚を妻が食はせけり       秋元不死男


     風の日は風吹きすさぶ秋刀魚の値        石田波郷


     塩秋刀魚おのが油の火に焼かる         きくちつねこ


     秋刀魚焼く煙りの中の割烹着          鈴木真砂女 


     紀の国のお頭つきの秋刀魚鮨          赤松郁代


     秋刀魚焼くレモンのやうな月が出て       西村和子 


     殉教の地より戻りて秋刀魚の火         鷹羽狩行




          

        ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
        密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用 を日常に
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9月 29日

2021-09-29 05:50:55 | Weblog
                        秋の日・秋日・秋日向・秋日影 


     帰り来し命美し秋日の中            細見綾子


     秋日沁む獣の骨のちりぢりに          沢木欣一


     眼前に秋日まみれの竹生島           栗田やすし


     教室の隅のオルガン秋没日           河原地英武


     師の買ひし木曽の煙草や秋日濃し        国枝隆生


     蔵に据う千貫神輿秋日映ゆ           鈴木みすず


     秋日濃し汐引く川の澪標            武藤光晴


     乾ききる干蛸秋の日が透ける          若山智子


     ごんぎつね来さうな三和土秋日濃し       野島秀子


     瑠璃とかげ秋日の石に尾を垂らす        梅田 葵


     爪とぎて秋のひと日をつづれ織る        谷口千賀子


     秋日透く障子明りに技芸天           磯田なつえ



          



     肌襦袢秋日にしろき三十代           中山純子


     らふそくをつけたる匂ひ秋日澄む        金田咲子


     み仏のめつむりながき秋日かな         桂 信子


     仙石線待ちて秋日の箒売            横山房子


     波の上に金の秋日の貼りつける         西村和子


     防波堤秋日をかへす稚魚の群          内田 芳子


     天檀の扉の一枚に秋日炎ゆ           横山房子



          

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9月 28日

2021-09-28 04:49:51 | Weblog
                       新松子・松ぼくり・松ふぐり・青松笠


     句碑の松松ぼつくりも落すなり         細見綾子


     人気なき誓子の浜や新松子           栗田やすし


     新松子飛騨の陣屋の空ま青           岸本典子


     御油赤坂結ぶ街道新松子            小長哲郎


     新松子灘風匂ふ源平碑             巽 恵津子


     新松子浜に誓子の住まひ跡           奥山ひろみ


     新松子潮の香りの浜通り            中村修一郎


     大きかり誓子の浜の新松子           廣島幸子


     磯風の海女の祠に新松子            野島秀子


     松ぼくり破風に翳して神楽殿          神尾朴水


     信長に焼かれし寺や新松子           金田義子


     曲水のかそけき音や新松子           高橋ミツエ



          



     将門の首を洗ふや新松子            角川春樹


     すこやかに青松笠に父母のゐて         瀧澤伊代次


     霞より猫の持て来し松ぼくり          村越化石


     新松子野点の釜を煙らしぬ           青木月斗


     蚶満寺海鳴り響く新松子            佐藤トミ


     散歩から帰りさし出す松ぼくり         太田富士子


     新松子雨の明るき一の宮            内藤恵子



          

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9月 27日

2021-09-27 05:38:14 | Weblog
                       薄紅葉・初紅葉・早紅葉


     うすもみぢしてよそほへり滝の山      細見綾子


     薄紅葉ピカソ観し目にやさしかり      佐藤とみお


     たたなはる山に朝日や初紅葉        谷口千賀子


     初紅葉美濃と近江をひと跨ぎ        上杉和雄


     薄紅葉二の丸茶屋に抹茶の香        日野圭子


     野仏の並ぶ坂道薄紅葉           藤田英子


     谷渡る風にそよげり薄紅葉         鈴木未草


     石垣の隙間に蔦の初紅葉          塩原純子




          



     一院のはたと明るき初紅葉          千原叡子


     そこはかと苔のにほへり初紅葉        日野草城


     簗掛けて高鳴る水や薄紅葉          松本たかし


     薄紅葉マリアの像を島うらに         飯塚樹美子


     吊橋を拒む馬あり初紅葉           菅原鬨也


     初もみぢ明かりの及ぶ岩湯かな        鷹羽狩行


     色付くや豆腐に落ちて薄紅葉         松尾芭蕉



          

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9月 26日

2021-09-26 06:33:11 | Weblog
                       栗・毬栗・虚栗・栗拾・笑栗


     毬のまま栗を銀座で売りてゐし         細見綾子


     頂上に子と来て若き栗のいが          沢木欣一


     満願寺仔猿飼はれて栗食めり          栗田やすし


     一袋焼栗買へり夜の駅             河原地英武


     毬栗の青きまま落つ不破の関          清水弓月


     山の日の豊かや栗の落つる音          前田史江


     大粒の栗の皮むく夕厨             太田滋子


     毬栗を掌に転がせて句碑訪へり         国枝洋子


     近づけば城の隠るる栗拾ひ           櫻井幹郎


     竹炭と栗並べ売る無人小屋           松平恭代


     笑栗を置けば艶めく綾子句碑          梅田 葵


     丹波路や叩きて落とす栗拾ひ          石橋忽布



          

          毬栗や冠者顔して木曽に入る          吉田鴻司

          ころころが29歳の時に千葉県松戸市文化祭俳句大会で初めて頂いた色紙 励みになっています


          



     栗を拾ひともにはにかむ父同士         林  翔


     焼栗やむかし丹波に鬼がゐて          大石悦子 


     栗剥きぬ父の帰りを待つやうに         櫂 未知子


     栗打つや近隣の空歪みたり           飯田龍太


     栗むけば遠き思ひの大家族           幡野千恵子


     笑栗の籠にあふれて厨口            田川つる女


     栗焼けば寝そびれあそぶ末子かな        水原秋桜子




          

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9月 25日

2021-09-25 06:25:32 | Weblog
                       芋・衣被・里芋・芋の秋・芋畑・芋水車・芋煮


     粒選りの子芋ばかりを届けらる         栗田やすし


     芋水車流れの速き地蔵川            中山敏彦


     衣被つるりと妻に言ひ負けて          櫻井幹郎


     玄海の風に芋の葉折れ尽す           矢野孝子


     土つけしままの里芋子に送る          藤田岳人


     芋洗ふ水車のひびき山暮るる          中本紀美代


     洗ひ場の程よき流れ芋洗ふ           磯田なつえ


     故郷の土の匂ひの衣被             渡辺慢房


     門川の水の疾さよ芋車             角田勝代


     菊坂の露地の一隅芋育つ            石川紀子


     山寺の小川に鳴れり芋水車           廣島幸子


     穏やかな峡の日差しや芋洗ふ          山本法子



          

           芋水車



     月山はまだ登らずよ芋煮会           辻 桃子


     子にうつす故里なまり衣被           石橋秀野


     水痩せてしぶしぶ廻る芋水車          穴井子龍


     忘れたる頃に汽車来る芋の秋          大峯あきら


     芋水車水を叩いてよく廻る           野見山朱鳥


     へたな字で書く瀞芋を農家売る         阿波野青畝


     芋の露連山影を正しうす            飯田蛇笏




          

          

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9月 24日

2021-09-24 06:39:49 | Weblog
                        棗・青棗・棗の実・なつめ


     新月の棗新芽にかゝりたる          細見綾子


     師と語る卓に三粒の熟れ棗          栗田やすし


     棗落つ庭の箒目崩さずに           国枝隆生


     朝の日を弾きて風の棗かな          矢野孝子


     棗熟れ空一片の雲もなし           中村修一郎


     船津屋の熟れ残りたる棗の実         廣島幸子


     飴色に棗煮上がる匂ひかな          二村美伽


     師の庭にひとつ残れり棗の実         森 靖子


     海峡の風に色づく棗の実           倉田信子


     修院の午後の閑けさ棗の実          梅田 葵



          



     なつめ盛る古き藍絵のよき小鉢        杉田久女


     熟れ棗すたれて白き紺屋町          松崎鉄之介


     熟れ撓む棗をくらく月出づる         藤田湘子


     はろばろと杜甫の生家や青なつめ       石 寒太


     棗ふくみて山荘の客帰る           飯田龍太


     墓多き河口の村に熟れ棗           飴山 實


     棗熟れ枝しらじらと湖の家          大野林火



          

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9月 23日  ( 秋分の日 )

2021-09-23 05:21:03 | Weblog
                       新米・今年米・新糠


     手に受けて象牙の艶の今年米          栗田やすし


     湯気親し土釜で炊きし今年米          梅田 葵


     桟橋に着く給食の今年米            栗田せつ子


     新米の一粒づつに艶持てり           藤田岳人


     一人居の父と分け合ふ今年米          太田滋子


     飯盒の焦げ香ばしき今年米           中野一灯


     同居にも慣れて新米甘きこと          上田博子


     蔵の床軋ませて積む今年米           兼松 秀


     喪疲れへ炊く新米の三分粥           相澤勝子


     新米と聞きて手を出す塩むすび         渡辺慢房


     産褥の娘に炊きたての今年米          清原貞子


     今年米檜の升に量り売る            奥山ひろ子



          

          山形県酒田市 山居倉庫。酒田はかつて北前船による交易で栄えた港町
          その繁栄を支えた庄内米の保存倉庫として作られたものが山居倉庫です
          NHKの「おしん」でもロケ地にもなっています
  


          



     新米を炊くにも妻の声はづみ          福永耕二


     今年米たしかな杓文字触りかな         能村登四郎


     野沢菜の届きぬ炊けよ今年米          水原秋櫻子


     ありそめしこぼれ新米貨車ホーム        亀井糸游


     指にもむのみ新米の磨ぎ汁よ          石川桂郎


     新米に鼻づら出しぬ若狭牛           長谷川かな女


     にぎはしく指の間を洩れ今年米         鷹羽狩行



          

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9月 22日

2021-09-22 05:47:50 | Weblog
                       むかご・零余子・むかご飯


     名月を三日のあとのぬかご飯          細見綾子


     ふだん着の師より給はる零余子飯        栗田やすし


     朽葉ごと袋にもらふ零余子かな         河原地英武


     大かたは取りこぼしたる零余子かな       菊山静枝


     漱石の旧居の裏やむかご生る          服部達哉


     山城の堀切り跡や零余子蔓           山本悦子


     初むかご供へて句碑に語りかく         倉田信子


     零余子蔓手繰りて夕日こぼしけり        上田博子


     師の忌日こぼさぬやうに零余子摘む       長江克江


     看取り来て一人の夕餉零余子飯         牧 啓子


     零余子蔓絡む陣馬の馬防柵           服部鏡子


     父のこと母と語るや零余子飯          辻江けい



          



     四十雀むかごがひとつこぼれけり        加藤秋邨


     零余子飯出てより話弾みけり          平田マサ子


     露膨れむすびこぼるゝ零余子かな        阿波野青畝


     さびしさに零余子飯炊く山家妻         山口青邨


     つま楊枝さしてむかごの配らるる        稲畑汀子


     四阿にとりためありし零余子かな        富安風生


     老僧のもてなし嬉し零余子飯          真柄 嘉子



          

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9月 21日

2021-09-21 06:17:57 | Weblog
                       十五夜・良夜・名月・月見・望月・仲秋の名月


          中秋の名月とは、旧暦の8月15日に出る月のことを指しています。
          または十五夜でご存じですね「芋名月」ともいいます。これは、里芋やサツマイモなどを中心に、
          芋類の収穫物を月に供える風習から生まれた言葉です。
          お月見には、秋の収穫に感謝する意味合いも込められています。そのため、月や収穫物にちなんだ
          ものを食べたり、お供えしたりするのが昔からの習わしです。昨日は良いお月さまが見えました
          今日の関東地方は雲が多いようです
           (以上 すべて サイトからまたまた知識を拝借しております )



     仲秋名月海にただよふ島に来て         細見綾子


     月下にて毛遊びせし跡ならむ          沢木欣一


     みまかりし師と語りゐる良夜かな        栗田やすし


     しなやかに猫が溝飛ぶ良夜かな         下里美恵子


     名月とすれ違ひたる翼の灯           国枝隆生


     良夜かなスカイツリーは水色に         鈴木みすず


     身籠りし子と十五夜の月仰ぐ          久野和子


     どの家も明かりこぼれて望の月         市原美幸


     満月へ開け放たれし写経堂           横井美音


     開帳の御仏とあり今日の月           牧 啓子


     故郷の駅舎明るき良夜かな           二村満里子


     満月や槽に泥鰌の立ち泳ぐ           高橋悦子




          



     名月をとつてくれろと泣く子かな        小林一茶


     先生に先生ありぬ望の月            宇多喜代子


     十五夜の月はシネマの上にあり         横光利一


     夫在らば椅子はこの位置月今宵         福永みち子


     川甚に渡舟で来たる月見客           吉原田鶴子


     名月のあたりに星を近づけず          鈴鹿野風呂


     名月や門の欅も武蔵ぶり            石田波郷



          

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