2021年 1月 1日

2020-12-31 23:54:29 | Weblog
                     新年・年新た・年明くる・年の始・ほか 


     群羊の一頭として初日受く           沢木欣一


     一草一木を友年新た              細見綾子


     あかあかと桜榾焚き年迎ふ           栗田やすし


     新日記先づ一行は母のこと           丹羽康碩


     榾くべて火の音うれし初竈           下里美恵子


     病む母の唇に福茶のひと雫           矢野孝子


     研ぎ上げし文化包丁年新た           関根切子


     初鏡父似の眉をととのふる           伊藤範子


     薄れゆく北斗七星年明くる           矢野愛乃


     打ち寄する辺戸の白波淑気満つ         福田邦子


     笹の葉のふれ合ふ音も淑気かな         岸本典子


     眼帯の紐確かむる初鏡             ころころ




          



     恭賀新禧一月一日日野昇            正岡子規


     元旦やいつもの音にいつもの戸         吉田鴻司


     一輪の霜の薔薇より年明くる          水原秋櫻子


     湯気のたつほかに音なきお元日         宇多喜代子


     大旦はじめの言葉嬰が出す           長谷川双魚


     一行の心を籠めし年始状            高浜虚子


     一月一日棒立の箒かな             四ッ谷 龍



          

          

          明けましておめでとうございます

          東京は1337人のコロナ感染者となりました 一挙に1000人を越えました 過去最高人数です
          今年も三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 31日

2020-12-30 16:15:22 | Weblog
                    三一日 大晦日・大つごもり・大歳・大年・除日・晦日蕎麦


            今年も拙いブログにお付き合い下さいまして
          ありがとうございました
          今年はじめからコロナ禍で一年を閉じようとしています
          どうぞ十分の自粛・自衛で佳い年をお迎えください

          令和三年、皆様にとって幸せな年になりますように
          ☆ ころころ



     大みそかこぼせしほどの雨降りぬ         細見綾子


     塩断ちに慣れて晦日の蕎麦すする         栗田やすし


     年移るモンローといふ蘭の花           沢木欣一


     洗はるる鵜が大年の湯を飛ばす          栗田せつ子


     大晦日妻の自転車磨きけり            佐藤とみお


     裏山に猿鳴き交はす大晦日            矢野愛乃


     大年の日記子のことのみ記す           相澤勝子


     星うるむ大つごもりの仕舞風呂          夏目悦江


     境内に火の爆ぜてをり大晦日           奥山ひろ子


     凸凹の影ある月や大晦日             畑ときお


     晦日蕎麦母の習ひの青菜添ふ           野島秀子



          



     大晦日ねむたくなればねむりけり         日野草城


     大年の一匹糶の鮟鱇かな             西本一都


     大年の夕日見にくる奴らなり           夏井いつき


     迫ひかけて届く蜩あり大晦日           松本たかし


     大年や借り重ねたる人の恩            石塚友二


     オリオンへ向く大年の滑走路           奧坂まや


     月さすや年越蕎麦の蒸籠まで           水原秋櫻子




          

          

           東京は944人のコロナ感染者となりました 過去二番目の多さです
          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 30日

2020-12-29 14:55:03 | Weblog
                       年惜む・冬惜む


     音楽に涙湧きたり年惜む          沢木欣一


     暗き水樹間を流れ年惜しむ         細見綾子 


     反古を焼く煙に噎せて年惜む        伊藤旅遊


     年惜むジャズの流るる喫茶店        鈴木みすず


     神棚の御札取り替へ年惜む         宮地順一


     子に愚痴を叱られ年を惜しみけり      上田博子


     年惜む愚陀仏庵の縁に座し         足立サキ子


     年惜しむ信濃土産のワイン酌み       市江律子


     黒革の手帳差し替へ年惜む         梶田遊子


     南吉の煤けしランプ年惜しむ        村田和佳美 



          



     一年の吾が句の瓦礫年惜む         上野 泰


     年惜しむ瓦噛みたる鬼瓦          山田みづえ


     ゆく年を惜しむ長巻山水図         森 澄雄


     胸の中まで日の射して年惜む        深見けん二


     鬚面をタオルで蒸され年惜む        伊丹三樹彦


     年惜しむ藪の奥から風起り         飯島晴子


     止り木に足浮かせ年惜しみをり       能村登四郎




          

          

          東京は856人のコロナ感染者となりました 過去火曜日の最高数です
          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 29日

2020-12-28 15:53:00 | Weblog
                     年用意・春支度
                        写真は牛島神社の撫で牛です。ころころの産土神社です


     年用意利尻昆布の砂落す          細見綾子


     靴二足磨きしことも年用意         栗田やすし


     手に余る薬貰ふも年用意          国枝隆生


     藍染の作務衣のかろし年用意        佐々木美代子


     紅絹で拭く春慶の膳年用意         吉田青楓


     年用意忙しき町を退院す          夏目隆夫


     母に買ふ厚き靴下年用意          奥山ひろみ


     年用意終へて帰省の子等を待つ       武藤けい子


     せせらぎに芋を洗ふも年用意        山田悦三


     藍甕の洗ひ干さるる年用意         篠田法子


     父の肌着少し値を張り年用意        幸村志保美


     屋久杉の箸買ひ揃へ年用意         長谷川美智子



          



     円鏡のラジオやせわし年用意        小沢昭一


     子らの間に座つて居りて春支度       長谷川かな女 


     カレンダー獄中に貼り年用意        角川春樹


     簡単な筈があれこれ年用意         稲畑汀子


     夫婦して買ひ物好きの年用意        西村和子


     年金の暮しに馴れて春支度         中村清治


     児の髪を切りすぎにけり年用意       百瀬ゆき子



          

          

          東京は481人のコロナ感染者となりました 過去月曜日の最高数です
          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 28日

2020-12-27 15:02:27 | Weblog
                      数え日 <納め不動>

        ①<今年もあといく日と、指折り数えるほど暮れが押し詰まること。また、その押し詰まった日。《季 冬》>
        ②毎月28日は「お不動さま」の縁日です。年の最後の縁日を「納めの不動」といい、
        1年のご利益お礼と感謝の気持ちを込めて参拝します。お不動様はもちろん不動明王を親しみを込めての称です
        俳句的には1月28日の初不動の句が多く残されています



     数へ日も一日古書店巡りかな        下里美恵子


     数へ日やゼンマイ時計巻直す        藤田岳人


     数へ日や参道に延ぶ古物市         坂本操子


     数へ日や転居仕度のはかどらず       辻江けい


     数へ日の路地の子猿の宙返り        山口耕太郎


     数へ日や宅配便に母の文          横森今日子


     数へ日や寺に干さるる臼と杵        竹中和子


     数へ日や乳張る牛の息遣ひ         八尋樹炎


     数へ日の酒酌み父の忌を修す        江口ひろし


     数へ日や又も牛乳ふきこぼし        石原進子


     数へ日の凶の神籤をもてあます       岡田佳子


     数へ日や煮物の匂ふ路地の朝        飯田蝶子



          



     数へ日のまた夜更かしとなる選句       鷹羽狩行


     数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ      富安風生


     数へ日のなかの一日母を訪ふ         角川春樹


     数へ日や万年青にかかる糸の屑        大峯あきら


     数へ日となりし戸口の大蕪          森 澄雄


     数へ日の数の中なる師と会ふ日        今瀬剛一


     数へ日の素うどんに身のあたたまる      能村登四郎




          

          

          東京は708人のこコロナ感染者となり本当に注意すべき数です
          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
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12月 27日

2020-12-26 15:37:48 | Weblog
                      年の暮・歳晩・年の瀬・年果つる・年つまる


     歳晩や泥ひび割れてあたたかし       細見綾子


     音楽に涙湧きたり年惜む          沢木欣一


     年の瀬や黒き運河にビール瓶        栗田やすし


     歳晩やガラスケースの古書の艶       河原地英武


     年末のあいさつ聞こゆ甘味処        武田明子


     長生きを母に詫びられ年昏るる       栗田せつ子


     歳晩の脚立に背のび玻璃戸拭く       森垣一成


     重ね貼る火伏の札や年の暮         橋本紀子


     歳晩の街の灯へ墜つエレベーター      清水弓月


     大将で在りし日のこと年の果        市川正一郎


     歳晩や電飾の灯の青光り          武藤光晴


     鉈で削ぐ青竹匂ふ年の暮          高橋ミツエ



          



     なりにけりなりにけりまで年の暮      松尾芭蕉


     わんといへさあいへ犬も年のくれ      小林一茶


     おもしろい事にもあはす年暮るゝ      正岡子規


     大原女にまたことづてや年の暮       高浜虚子


     やかましき姑健なり年の暮         夏目漱石


     愛されぬ四肢はぶらぶら年の暮       櫂未知子 


     母が吾をまたいでゆきぬ年の暮       夏井いつき


     歳晩やひしめく星を街の上         福永耕二



          

          

          東京は過去最高の949人のこコロナ感染者となり本当に注意すべき数です
          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう



     
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12月 26日

2020-12-25 17:33:35 | Weblog
                    日記買ふ・日記果つ・古日記


     古書街のはづれ十年日記買ふ        下里美恵子


     表紙絵はモジリアーニや日記買ふ      鈴木みすず


     古書街の昼の静けさ日記買ふ        森垣一成


     死ぬ死ぬといひて三年日記買ふ       近藤文子


     十年日記果てゝ残りし夫婦かな       牧野一古


     ベートーベン流るる書店日記買ふ      奥山ひろ子


     父に似て話し下手なり日記買ふ       土方和子


     ハンドベル流る古書街日記買ふ       横井美音


     漫画本増えし書店や日記買ふ        河合義和



          



     秘めごとのひとつやふたつ古日記      山田弘子


     寿命との天秤如何に日記買ふ        林 翔


     子育ての尽きることなき日記果つ      福屋千穂美


     強がりの日記果てんとしてゐたり      黒田杏子


     すでにして己れあざむく日記買ふ      岡本眸


     克明に一病記して日記果つ         楢原清子


     言ヘぬことすこしたまりぬ日記買ふ     後藤比奈夫



          

          

          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
          東京は884人のコロナ感染者となりました 



     
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12月 25日

2020-12-24 15:30:34 | Weblog
                       煤払・煤籠・煤逃げ・煤日和

          俳句ならではの言葉で季語です「煤逃げ」「煤籠り」
          煤払い(すすはらい)の際に邪魔にならないよう、年寄りや病人が一室に籠ることを
          「煤ごもり」と言いますが、「煤逃げ」にいたっては逃げる方の方便なのでしょう
          邪魔にならないように、映画行って来ます・コーヒー飲んでくる・・などと



     大太鼓巫女持てあます煤払        栗田やすし


     上野より富士見ゆる日や煤払ひ      沢木欣一


     蝋燭の火の大揺れに煤払ひ        河原地英武


     行き場なき張子の虎や煤払ひ       上杉和雄


     煤逃げや古書街裏の喫茶店        武藤光晴


     神官の白衣黒ずむ煤払          平松公代


     煤逃げや床屋の熱き蒸タオル       小長哲郎


     煤逃げをとほせし夫の遺影拭く      武山愛子


     すす竹の笹千切れ舞ふ大手門       廣島幸子


     煤逃のハングライダー鳶の上       磯田なつえ


     ボサノバを聞きつつ書架の煤払      牧野一古


     捨てられぬ書に書を重ね煤はらひ     ころころ



          



     煤隠りして猟銃を磨きをり        石原八束


     煤逃げの選句電車にしてゐたり      茨木和生


     古時計下ろせば鳴りぬ煤払        池田都々女


     我楽多のわれも一部ぞ煤払ひ       角川春樹


     煤払ひ神官畳めつた打ち         林 徹


     煤籠る老僧に客多かりし         小野 秀子


     むつかしや何もなき家の煤払       夏目漱石



          

          

          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
          過去最高の東京は888人のコロナ感染者となりました 



     
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12月 24日

2020-12-23 15:14:23 | Weblog
                       聖夜・聖樹・クリスマス・聖菓・サンタクロース


     金銀の紙ほどの幸クリスマス         沢木欣一


     クリスマス冬木の肌の照るをせめて      細見綾子


     白髪また増えて聖夜のケーキ食ぶ       栗田やすし


     クリスマス募金乞ふ列素通りに        河原地英武


     タンバリンだけの楽隊聖夜劇         伊藤旅遊


     シャンソンの街頭ライブ聖樹の灯       武藤光晴


     焼酎の美容液ぬりクリスマス         栗田せつ子


     聖歌洩る脳病院の鉄格子           相澤勝子


     昨夜の雨梢に光るクリスマス         国枝洋子


     駄菓子屋の手にのる程のツリーかな      橋本紀子


     残業の父待つ聖樹灯しつつ          渡辺慢房


     円卓を囲み女子会クリスマス         太田滋子


     切り口のレーズン匂ふ聖菓かな        二村美伽


     クリスマス母のハミング第九とも       ころころ



          



     へろへろとワンタンすするクリスマス     秋元不死男     


     聖夜劇濁りなき声満ちにけり         福永みち子


     この出逢ひこそクリスマスプレゼント     稲畑汀子


     ケーキ切るのみのわが家のクリスマス     下村梅子


     戻り来し猫の鈴の音クリスマス        片山由美子


     赤鉛筆のぞく聖夜の教師の胸         能村登四郎


     クリスマスユダを演じてほめられぬ      岡本 眸



          

          


          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう
          東京は748人のコロナ感染者となりました 
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12月 23日

2020-12-22 14:24:58 | Weblog
                  初氷・氷・氷張る・氷田・氷点・氷塊・結氷・氷上・氷面鏡


     氷る沼常盤木光り枝交わす         沢木欣一

     
     氷割って漬菜取り出すその暮らし      細見綾子


     神の鹿跳んで踏み割る初氷         栗田やすし


     池の端に風の筋目の初氷          国枝洋子


     御手洗の杓とぢ込めし厚氷         牧野一古


     地下足袋の跡や棚田の初氷         夏目隆夫


     滝壺の渕に氷塊ただよへり         立川まさ子


     東京へ子の帰る朝初氷           渡辺慢房


     金魚沈む鉢の氷の厚きかな         安藤幸子


     初氷浮きて小鳥の水飲場          井沢陽子


     老残の吾を映せり氷面鏡          下山幸重


     亀裂音氷河の谷を駆けのぼる        山口登代子




          



     遅刻教師に八方まぶし初氷         福永耕二


     カナリヤの声がよすぎて氷張る       秋元不死男


     氷上のまつしぐらなる轍かな        辻 桃子


     美しき言葉さやげる氷面鏡         寺井谷子


     初氷鳩の紅脚よく動く           川村五子


     氷塊となりつゝ滝の響きつゝ        夏井いつき


     日ざかりの氷塊に立つ魚の鰭        水原秋櫻子




          

          

          三密をお忘れなく 密閉、密集、密接を避けましょう
          そして手洗い、うがい、マスクの着用で自分と大切な人を守りましょう

          東京は563人のコロナ感染者となりました 


     
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