12月31日

2008-12-31 00:12:00 | Weblog

         ( 大晦日 )

 

今年もいよいよ最後の一日になりました。多くの俳友に支えられ何とか
仕事と両立できましたこと、感謝します。
年末からの不況の波も来年はもう少し激しいものになる予想です
俳句どころではない、という考え方も有りますが、だからこそ俳句をして
心豊かにまた来年も乗り切ろうと思っています。

ここ一年,仲間との吟行会,俳句会、HP上での句会と体験して感じた事を
書きます。
今お付き合い頂いている連衆の多くは写生を基本とした学びの最中にあると
思います。 写生の句の力はそれほど差も無くその時々に秀句を詠まれて
きていますが、いざ兼題の句会になると経験の差がでてきます。
句会での成績は気にするなと言われてもなかなかそうもいかないもの。
兼題句会の学びのテーマは語彙を増やす事です,基本は写生である事に
変わりはありません。言い換えれば写生は切り取り、兼題は表現かも
しれませんね。究極はその表現力を写生句に活かすことで句の幅を広げる
ことが出来ると信じています。

もう一つの仲間との句会は選句・選評が辛らつなほど鑑賞力を試されます
鑑賞は作者の創作から大きく先回りして,時には自分の拙句が鑑賞に
活かされることもありますし、逆に鑑賞者に幾つもの鑑賞をさせていて
いかに的が絞れていないかも露呈します。
初学の頃は何でも採られれば良いと考えがちですが、それは間違い
伝えたいことが伝わらないことを考えなければ進歩は望めないでしょう。

 

と難しいことを言っても結局楽しまなくては俳句に出会った意味がありません
来年も大いに楽しみたいと思っています。
皆さまもどうぞ健康に留意されて来年も良い俳句生活を楽しんでください。
この拙いブログに一年間お付き合いいただいて有難うございました。

 

    大晦日ねむたくなればねむりけり     日野草城

 

 

    

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12月30日

2008-12-30 14:17:43 | Weblog

          (小晦日 ・こつもごり )

 

春や来し年や行きけん小晦日      松尾芭蕉

 

モナリザにいたづらのひげ古暦      有馬朗人

 

人波の流れやまぬに暦売         富安風生

 




 

 

 

 

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12月29日

2008-12-29 12:52:24 | Weblog

       ( 水仙 )

 

朝から昨日届いた俳誌を読みふけって、家人からは煤払いの催促しきり
入会した結社もやっと一年。主宰から苦労すると言われた言葉の意味が
ひた分かる。
何でもそうだが、簡単に成せて仕舞えばそれはそれでおもしろくない。
こと俳句においては苦もまた楽し。


20年来の俳句の友人からも、気遣いの年末の電話を頂いた。
結社のことも色々言われるが、一年生は楽しいと答える。
俳句の友だちはいいものだ。
聞かずに一句でたりる会話ができる、まさに相聞の句。
俳句は詠み人を詠う。つまり相手に問わない。
しかし詠み人は十七音で伝える目一杯の措辞の駆使するので、伝わる事が深い。
そんな深入りせずに友の心が伝わる、そこが俳句仲間が長く付き合える
ところだろう。

 

水仙を背負ひて海に降り来たる       細見綾子

 

抱かねば水仙の揺れやまざるよ       岡本 眸

 

静かさや水仙のみの飾棚           小崎淳子

 

水仙の花のうしろの蕾かな           星野立子




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12月28日

2008-12-28 21:26:14 | Weblog

       ( 忘年会 )

 

昨日は今年最後の忘年会でした。
気を許せる仲間の忘年会、夕方5時から寿司屋で始まり、四次会まで
落ち零れなく飲みつづけ帰宅は午前4時・・・
ビール、焼酎、濁り酒、金粉入りの酒、ワイン、仕上げはテキーラ
もうそうなると,事前に飲んだ胃薬もウコンの力も限界です
今朝はやっと10時に起きられました。
年末近くに不況の波がすこし少し身の回りに感じてきていますが
俳句をしている事で心だけは豊かに過ごせています。
「窮すれば鈍する」ということわざもあり、心豊かにはころころの座右です。

 

忘年酒とどのつまりはひとりかな       清水基吉

 

忘年やワインにゆるる海のいろ        山崎悦子

 


 

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12月25日

2008-12-25 20:46:05 | Weblog

         ( 蕪村忌 )

 

     白梅に明くる夜ばかりとなりにけり      与謝蕪村

この句は蕪村辞世の句といわれています画人としても才を発揮した俳人、
与謝蕪村が1783年(天明3)のこの日、67歳で生涯を閉じた。
天下に名をなした蕪村であったが、清貧と孤独を主義とする生涯を送った。

 

蕪村忌に呉春が画きし蕪かな       正岡子規

 

蕪村忌や画中酔歩の李太白        水原秋櫻子

 

蕪村忌や笹たちそめし町の中        久保田万太郎

 

   うずみ火や終には煮ゆる鍋のもの

   葱買うて枯れ木の中を帰りけり         蕪村





 

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12月24日

2008-12-24 00:26:09 | Weblog

      ( クリスマスツリー・聖樹 )

 

  ☆皆さんメリークリスマス~☆

 

宙を飛ぶ長靴を買ふクリスマス       有馬朗人

 

黒人の掌の桃色にクリスマス         西東三鬼

 

ましろなる神父の髯やクリスマス       富安風生

 

背伸びして聖樹に星を飾りけり        西村和子

 

かくれ逢ふ聖樹のかげよエホバゆるせ     稲垣きくの




 

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12月23日

2008-12-23 19:00:32 | Weblog

       ( 天皇誕生日 )

 

書架整理終へて天皇誕生日       川口 洋

 

ま青なる夜明け天皇誕生日       戸田星綺

 

原稿をせかされ天皇誕生日        夏石番矢

 

今日は天皇誕生日、75歳になられたとか,不整脈で公務もお休みして
いたようですが一般参賀を無事済まされたようで何よりですね。

掲句は昭和天皇の天皇記念日(現みどりの日)ですから春の句の趣です
まだ、検索エンジンには平成の記念日の句は有りませんでした。

 



 

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12月22日

2008-12-22 00:05:17 | Weblog

       ( 青畝忌 )

 

今日22日は阿波野青畝の忌日、平成4年のこと93歳でした。
1899年(明治32年)2月10日生まれ。本名は阿波野敏雄。
昭和初期に山口誓子,高野素十,水原秋桜子とともに
頭文字をとって「ほととぎす」の4Sとよばれました。
私にとっては,5年ほど前にお世話になった,尊敬する先輩みのるさんの
師であったことから青畝句集を読むようになりましたが、それまでは
秋桜子系の句柄を好んで読んでいたため、青畝の句はいずれも新鮮でした。

今夜は青畝句集を読んで青畝忌を偲びたいと思います。

 

 

 

      阿波野青畝

 

 

目をしかむしぼり泪や炉火の酔     

 

雪吊りの百万石の城曇る

 

念力もぬけて水洟たらしけり

 

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12月21日

2008-12-21 09:39:34 | Weblog

          ( 冬至 )

 

今日21日は冬至。 二十四節気の一つで、この日は北半球では最も日が短く、
この日を境に畳の目が一つずつ日脚が長くなっていく。
柚子湯に入り、かぼちゃを食べて無病息災を祈ります。 
柚子湯を冬至湯ともいい湯治湯にかけたものです。

 

まだ母に冬至南瓜を切る力          大庭星樹

 

小さきを選び冬至のカボチャ買ふ       戸田冨美子

 

へつつひに冬至の柚子がのつてをる     富安風生

 

冬至の日縞あるごとくゆれにけり       阿波野青畝

 



 

 



 

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12月20日

2008-12-20 21:15:54 | Weblog

       ( 冬景色 )

 

いよいよ明日は冬至です。暖かい日の続く東京ですが、暦どおりの行事
柚子湯,冬至南瓜で過ごしたいと思います
一年中で一番夜の長い日でもあるわけです。

 

冬山を仰ぐ身ふかく絹の紐       岡本眸

 

冬空や津軽根見えて南部領      河東碧梧桐

 

語らざる色をもちより冬景色       藤崎久を


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