( 睡蓮と河骨 )
河骨の一花に夏を呼びし沼 原コウ子
河骨の花に集る目高かな 河東碧梧桐
モネ晩年の睡蓮の闇水中に 松田ひろむ
睡蓮の水を切つたる蕾かな 高濱年尾
☆ 今朝のNHK俳句は「波郷とあき子~一七音のラブレター~」の再放送
何度見ても胸が熱くなります。
波郷については少し勉強したことがありました。
大正二年愛媛生まれの波郷の中学五年の作品
寒菊の日和久しくつづきけり
納屋窓に大根かけたる日向かな
春寒や障子の外の目白籠
昭和7年(20歳)上京し神田猿楽町の秋櫻子に会う
あえかなる薔薇撰りをれば春の雷
プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ
バスを待ち大路の春をうたがはず
昭和8年(21歳)「馬酔木1月号」巻頭
昇降機菊もたらせし友と乗る
花甕もましろき菊も友の情
ある宵の菊のおごりにひとりゐる
菊の前夜はつどひき手ペン執るも
菊古ればもてきし友はもてゆきぬ
昭和17年(30歳)
初蝶や吾三十の袖袂
同年 あき子との見合い
梅雨近き用や葛西にわたりけり
葭雀二人にされてゐたりけり
あき子との結婚
露草の露ひかりいづまことかな
露草の瑠璃十薬の白繁り合へ
新婚(にいめとり)まさをき梅雨の旅路かな