恋の季節

2006-01-29 09:57:14 | Weblog
      恋猫

  
  恋猫の丹下左膳よ哭く勿れ 阿波野青畝

  恋猫と語る女は憎むべし 西東三鬼

  恋猫の皿舐めてすぐ鳴きにゆく 加藤楸邨

  恋猫に思ひのほかの月夜かな 中村汀女

  恋猫に夜闇の火の気いつまでも 飯田龍太

  のっそりと来て恋猫の胴のばす 能村登四郎

  恋猫のどろどろの声に家かこまる 秋元不死男


 はや1月も終わろうとしている。春の訪れは野山の自然ばかりではなく
 動物の中の本能(自然)をも息吹く。
 俳句は一行詩であるが故に、高名な俳人と言えどもその一句に「恋への思惑」が
 見え隠れしている。俳人の人となりを知るには大いにヒントになる。



      朝ぼらけ鉄路をわたる猫の恋  

      恋猫の勝者たる爪舐めつくす   ころころ
 
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東京でも雪が・・・

2006-01-23 16:29:00 | Weblog
      ゆきうさぎ

 雪兎一夜兎になりすます 宇多喜代子

 目を入れて亡き子に似たる雪兎 大木あまり

 雪兎つくる夫婦に二人の子 木村蕪城

 団欒にもすこし居たい雪兎 河合多美子
 
 分校の子供の数の雪兎 武田孝子

 どの「雪兎」の句もそれぞれに小さな物語があるようですね。
 東京では8年ぶりの積雪9センチとか、私は幸いにして当日は休日でした。
 今年25歳になる娘の窓辺に小さな雪達磨が立っていました。
 いつのまにか娘が作ったものだと思います。
 雪には人それぞれに思い出となるシーンがあるのでしょうね。

     雪兎ゆんべの風にみじろがず  ころころ
 
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春の足音

2006-01-15 21:27:47 | Weblog
        赤塚植物園の蝋梅

 久しぶりの小春日、今日は眼帯をはずして近くの植物園に散歩を試みる

 足元までの画像はなんとか見えるが遠影の画像がダブル・・・

 やはり完治には時間が掛かりそうだ。

 1月の植物園は冬の枯れ枝も下草も綺麗に刈られ春の樹花や草花の準備が

 すすんでいる。唯一蝋梅が満開であった。ほのかな匂いは小鳥達を呼ぶのか

 防鳥ネットがかけられれいた。ほのかに香るその風下のベンチで日向ぼこを

 楽しんだ。目をつむり、木々から聞こえる鳥語も春の会話をしているようだった。


 蝋梅や枝疎なる時雨空 芥川龍之介

 蝋梅の香が勝つてをり初稽古 佐々木六戈

 蝋梅の黄を重態と言いぬ 佃悦夫

 蝋梅や隠るるごとく安房に来し 角川源義

 どの句を鑑賞してみても蝋梅という季語に健全さが感じられない。
 その淡き姿とは裏腹な香を表現できれば佳句が授かるかもしれない。


 
 
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「時」を詠む

2006-01-08 11:34:28 | Weblog
       冬林檎

 昨年末より目の異常、多少の改善はみられるものの時間はかかりそうです。
 ご心配をおかけして申し訳なく思っています 
 ブログのほうはお休みしながらものんびり進めていきますので、またご意見
 宜しくお願い致します。
 俳人ころころは今年も頑張って沢山詠んでいきますよ~


  今日も干す昨日の色の唐辛子   林 翔
 
  昨日寸前今日また寸前熟れ石榴  林 翔

  花あやめ昨日の恋はそれつきり  仙田洋子

  今日は今日昨日は昨日酔芙蓉   川口咲子

 いかがでしょうか?いろいろな昨日、今日の作品です。
 誰にでも来る時間をどのようにように詠むか、私の大いなる課題ですが
 ただ、句を鑑賞してみると、時間だけでは無さそうです。
 時間とともに空間が進行しています。
 つまり、「昨日」と「今日」との比較は時間の経過の叙述ではなく、「只今現在」
 の空間を切断するのに有効に機能しているということだと感じます。
 俳句表現における「昨日」は必ずしも厳密な意味での「昨日」ということに
 限らず、近い過去、遠い過去という意味をも持っているような気がします。
 前掲4句、男女の空間の違いがわかります。やはり女性の思い切りの良さは
 確かなようです。

 
   ころころの今日の俳句(*その日に詠んだ句を掲載します)

        大嚔せし鍼灸師恐るべし


  ころころのお気に入り(友人、先輩の佳句を紹介いたします)


        着膨れて優先席に浅く掛く 山本光子




 
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あけましておめでとうございます。

2006-01-01 01:57:39 | Weblog
        初神楽

 今年も皆様にとって最良の一年になりますように心から

 お祈り申し上げます。あわせて皆様のご健康をお祈り申しあげます。


         清浄と笛を高音に初神楽    ころころ
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