6月 30日

2021-06-30 05:17:49 | Weblog
                       夏越(なごし)・茅の輪・夏祓・形代流す

          旧暦の6月末に行われる「夏越の祓」は、半年分のケガレを落とす行事で、この後の半年の健康と
          厄除けを祈願します。由来は神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)にまで
          遡るそうですが、新暦に移った現在でも、6月30日ごろ日本各地の神社で行なわれている伝統行事です。

          人形(ひとがた)は、人の形を模した紙の形代(かたしろ)です。人形に自分の名前や年齢などを書き
          それで体を撫でて人形に罪やケガレを移し、身代わりとして神社に納めます。人形を川に流したり、
          篝火を焚いたり、水や火を使う神事で清め、厄を落とします



     惜命や形代に息吹きかくる            清水弓月


     拝殿の御籤先づ引き夏祓             上田博子


     結界に笹触るる音夏祓              武藤光晴


     大茅の輪傷む足よりくぐりけり          二村満里子


     形代を流して瀬音高鳴れり            日野圭子


     男衆軍手で結へり大茅の輪            廣島幸子


     夕まぐれ茅の輪くぐりて鳩あそぶ         山下美恵


     山の端に輝く夕日夏祓              松本恵子


     白絹を禰宜が引き裂く夏祓            坪野洋子


     ごめんねと言ふ母を負ひ茅の輪かな        高橋ミツエ


     山裾の社に小さき茅の輪かな           夏目悦江


     音たてて白絹裂けり夏祓             中村たか



          


          



     ためらはず雨の茅の輪をくぐりけり        片山由美子


     茅の輪くぐり星降る夜空詣でけり         星野立子


     形代にうつす現身息をかけ            福田蓼汀


     あをあをと津軽が匂ふ茅の輪かな         鈴木鷹夫


     みちのくの毳立つ茅の輪くぐりけり        矢島渚男


     屈託のけつまづいたる茅の輪かな         有馬朗人


     蓮田風起ちて形代ながしかな           石田波郷



          

          ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
        密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用 を日常に
        もう少しの我慢です
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6月 29日

2021-06-29 05:52:41 | Weblog
                           百日紅・さるすべり


     百日紅一樹が炎ゆるたよりかな            沢木欣一


     藁草履買ふ山麓の百日紅               栗田やすし


     島のバス曲がりて散らす百日紅            小原米子


     百日紅のみに風ある真昼かな             梅田 葵


     日の沈む港の倉庫百日紅               桑原 良


     百日紅雨に明るし石光寺               長江克江


     百日紅墓提灯の杭正す                清水弓月


     病院の裏くれなゐの百日紅              森 靖子


     ほろほろと百日紅散る苔の庭             河合義和


     夕日射す山懐の百日紅                中村修一郎


     胃検診朝から揺るる百日紅              小長哲郎


     管で摂る母の食事や百日紅              沢田充子 




          



     百日紅その一日の真盛り               辻 桃子


     女来と帯纏き出づる百日紅              石田波郷


     大伽藍炎上の跡百日紅                広瀬直人


     身を澱と思ふ日の白さるすべり            岡本 眸


     百日紅園児ねむりの刻来る              飯田龍太


     黎明のにはかに白きさるすべり            鷹羽狩行


     百日紅まなじりに火の育つ日々            福永耕二



          

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6月 28日

2021-06-28 06:01:02 | Weblog
                        花栗・栗の花


     犬老いて一日眠る栗の花             栗田やすし


     赤ん坊に少年の相栗の花             沢木欣一


     栗の花咲きそむ白き紐垂れて           細見綾子


     川ふたつ落ち合ふところ栗の花          下里美恵子


     根尾谷の横ずれ断層栗の花            上杉和雄


     微かなる夜汽車の響き栗の花           渡辺慢房


     夜風やゝ湿りて来たり栗の花           梅田 葵


     花栗の匂ふ丸子の無縁墓             中村修一郎


     咲き満ちて花火のごとし栗の花          矢野愛乃


     花栗の匂ふ北斎寝起きの間            服部鏡子


     栗の花竜馬が越えし峠道             上杉美保子


     俯いて擦れ違ふ子や栗の花            兼松 秀



          



     昼火事の向ふの栗の花ざかり           飯田龍太


     栗咲いて朝の尾長鳥ら飛ばしむる         石田波郷


     岨道や匂へば仰ぎ栗の花             高浜年尾


     花栗に寄りしばかりに香にまみる         橋本多佳子


     西方に師のをり栗の花くぐる           秋元不死男


     麹屋の大桶づくし栗の花             石田勝彦


     母屋から運ぶ夕餉や栗の花            杉田久女



          

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6月 27日

2021-06-27 06:08:06 | Weblog
                       風鈴・鉄風鈴・硝子風鈴・風鈴売・風鈴市


     風鈴があればかなしき時あらん        細見綾子


     母恋へば軒の風鈴一つ鳴る          栗田やすし


     風鈴やひそと過ぎたる夜の風         梅田 葵


     風鈴の下のびきつて仔犬寝る         栗田せつ子


     鍛冶町に音色たがへし軒風鈴         鈴木みすず


     みちのくの風鈴居間に馴染みたり       神尾朴水


     風鈴や茅の匂ひの合掌家           谷口悦子


     風鈴となる灼熱のガラス玉          篠田法子


     会話なき窓の風鈴よく鳴れり         菊池佳子


     プレハブの飯場の軒に貝風鈴         渋谷さと江


     短冊は伊勢型紙や江戸風鈴          笹邉基子


     父逝きて空きし父の座軒風鈴         市原美幸



          



     吊したるより風鈴のこと忘れ         片山由美子


     せはしげに安風鈴の鳴り通し         富安風生


     持ち代へて風鈴の鳴る跨線橋         岡本 眸


     夜の風鈴月の言葉と言ひつべく        林 翔


     語りかけ来る風鈴を買ひにけり        上野 泰


     よき宵であり風鈴の江戸切子         増成栗人


     こゝだけに風少しあり風鈴屋         松木すゝむ



          

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6月 26日

2021-06-26 06:27:00 | Weblog
                    烏瓜の花


     烏瓜の花よ鵜の巣の三番子         細見綾子


     断崖に烏瓜咲く隠岐の島          山下善久


     一番星見えて咲きそむ烏瓜         国枝洋子


     雨あとの瀬音や烏瓜の花          飯田蝶子


     咲ききつて夜目にも白し烏瓜        坪野洋子


     烏瓜今宵咲かんとうすみどり        金原峰子


     朝まだき牛舎に烏瓜の花          八尋樹炎


     回り道して見るからすうりの花       石原進子


     烏瓜咲いて日食始まれり          磯田なつえ


     山裾の暗みに烏瓜の花           山本法子


     花街の灯りに咲けり烏瓜          ころころ



          



     烏瓜翁のごとく咲きにけり         阿波野青畝


     烏瓜咲く学童の肝だめし          太田土男


     妖精の編棒烏瓜咲かす           柳原佳世子


     夜を咲いて恥かしがりの烏瓜        安田万十


     烏瓜の花は峠の風のいろ          福川悠子


     ほのぼのと泡かと咲けり烏瓜        松本たかし


     烏瓜宵の蛾よりも花淡し          水原秋桜子



          

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6月 25日

2021-06-25 05:50:02 | Weblog
                       合歓の花・花合歓


     合歓の花沖には紺の潮流る            沢木欣一


     虹飛んで来たるかといふ合歓の花         細見綾子


     師を偲ぶ虹の光の合歓の花            国枝隆生


     良寛の小さ持仏やねむの花            鈴木みすず


     海へ向く移民の墓や合歓の花           熊澤和代


     また辞書を引きし単語や合歓の花         渡辺慢房


     城の絵の慰問袋や合歓の花            青木しげ子


     合歓戦ぐ皇女降嫁の峠道             坪野洋子


     宮下に落ち合ふ流れ合歓の花           夏目悦江


     鐘のなき火の見櫓や合歓の花           大平敏子


     床軋む開智学校合歓の花             伊藤冨美江


     青空にかすか揺れをり合歓の花          鍛冶静代



          



     ねむたさを雲にわかちて合歓の花         鷹羽狩行


     合歓の花路ひたすらに空港へ           飯田龍太


     七尾線昼ねむき花合歓の辺を           森 澄雄


     花合歓がをんなに見えるビール酌む        三橋鷹女


     顔近く昏るる青嶺や合歓の花           藤田湘子


     熱つづく身の漂ひに合歓の花           鷲谷七菜子


     合歓の花葉騒の上にひろがれる          八木絵馬



          

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6月 24日

2021-06-24 05:34:50 | Weblog
                       蓮の花・白蓮・紅蓮・蓮華


     てのひらに蓮の紅玉つゝみたし          沢木欣一


     駅裏に旧知の蓮田金沢へ             細見綾子


     蓮ひらく祈りの十指解くやうに          伊藤範子


     明日咲くか蓮の蕾のふくよかに          横井美音


     白連の大揺れしたり一揆寺            中斎ゆうこ


     蓮の風甘し山門拭き抜くる            堀内恵美子


     朝風に光零せり蓮畑               武藤光晴


     伸びきつて大蓮の花せめぎあふ          幸村志保美


     しののめや蓮見の関の緋毛氈           金田義子


     群生の蓮に湖国の風荒し             巽 恵津子


     蓮咲いて浄土の風の中に村            富田範保


     風の道見えて蓮の葉うら返る           服部萬代



          



     古代蓮開くや紅のほの暗し            久保田月鈴子


     あの世にて逢ふ人あまた蓮ひらく         林 翔


     あかつきの秘色凝らせり池の蓮          加藤耕子


     くれなゐの蓮鑑真のために咲く          津田清子


     蓮ひらくおのづからなる寂光に          竹下陶子


     揺らぎては刻あをあをと古代蓮          鍵和田釉子


     蓮の花さくや淋しき停車場            正岡子規



          

          

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6月 23日

2021-06-23 06:51:09 | Weblog
                       沖縄忌・慰霊の日


          太平洋戦争の終わりの頃、沖縄は日米の最後の決 戦地になり、多くの民間人が犠牲になった。
          沖縄の日本軍が壊滅 した昭和二十年六月二十三日のこの日を、沖縄県慰霊の日とした。


                   赤土(あかんちゃ)に夏草戦闘機の迷彩      沢木欣一



     米兵が礎(いしじ)に花輪慰霊の日        栗田やすし


     十字描く飛行機雲や慰霊の日           河原地英武


     沖縄忌ペンのかするる宛名書き          国枝隆生


     白蝶の低く飛び交ふ慰霊の日           都合ナルミ


     百合よりも白き雲湧く慰霊の日          栗田せつ子


     白木槿一輪咲けり慰霊の碑            倉田信子


     生徒らと島に見し星慰霊の日           荒川英之


     沖縄忌植ゑしゴーヤの二尺ほど          上村龍子


     紫陽花に激しき雨や沖縄忌            児玉美奈子


     慰霊の日影柔らかき花梯梧            野島秀子


     暮れてなほ梅雨雲厚き沖縄忌           豊田紀久子


     古代蓮ふくよかに咲く沖縄忌           松永敏江



          



     青甘蔗のうねりてなびき沖縄忌          鍵和田釉子


     沖縄忌幼子に海しかと見せ            宮坂静生


     折れやすきクレパス沖縄慰霊の日         鈴木ふさえ


     沖縄忌夜目にくつきり珊瑚礁           皆川盤水


     薬莢も露店に並び沖縄忌             伊舎堂根自子


     慰霊の日礎の池に亀泳ぐ             山城久良光


     沖縄忌夕空濡れてきたりけり           矢島渚男



          

          

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6月 22日

2021-06-22 05:26:50 | Weblog
                        睡蓮・未草(ひつじぐさ)


          「未」という漢字を「ヒツジ」と読むのはあまり馴染みがないでしょうが、日本では時間を
          漢字で表すことがあり、「未の刻(ひつじのこく)」は午後2時を指します。 そこで、
          花が午後2時頃に咲くから、という理由で「未の刻に咲く草」つまり「未草(ヒツジグサ)」
          と呼ばれるようになりましたヒツジグサは夜には花を閉じて水中に隠れ、昼はまた水面に
          浮かぶことから睡る( ねむる)蓮、睡蓮の漢名があてられています



     すいれんの池にひき鳴き雨誘ふ        細見綾子


     睡蓮の瞳に狂院の石畳          沢木欣一


     石臼に今朝一輪のひつじぐさ       栗田やすし


     睡蓮の鉢に笹舟浮かしけり        長崎真由美


     土砂降りや蕾の固きひつじ草       中山敏彦


     睡蓮の花閉ぢてより夕長し        上杉美保子


     睡蓮の池針ほどの稚魚の群        夏目悦江


     弁天池浚ふ睡蓮片寄せて         奥山ひろみ


     純白の睡蓮咲けり休耕田         山口秀子


     睡蓮やモネの館に写楽の絵        堀内恵美子


     絞り屋の庭睡蓮の開き初む        日野圭子



          



     漣の吸ひ込まれゆく未草         西村和子 


     睡蓮の葉のひしめきに花ひそむ      高浜年尾


     睡蓮の黄色ばかりや雪舟庭        林 徹


     すはと立つ睡蓮に風とびうつり      阿波野青畝


     象たちの朝から遠見未草         金子兜太


     墨染の蝶に睡蓮浄土かな         後藤比奈夫


     睡蓮の蕾一寸法師ほど          片山由美子



          

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6月 21日

2021-06-21 06:09:58 | Weblog
                       夏至


          二十四節気の一つ、節気は期間ですから七月六日頃までの期間です
          一年で一番昼の時間が長い日. 夏至とは、この日を過ぎると本格的な夏が始まると意味です
          冬至の南瓜ほど知れ渡ってはいませんが夏至の食べ物は冬瓜
          地域によっては焼き鯖、蛸、うどん だったりするようです



     生れし嬰が足で空切る夏至の夜          片山浮葉


     今日夏至の刻を告げたり鳩時計          岡島溢愛


     夏至の酒大徳利で酌み交はす           中山敏彦


     有線が正午を知らす夏至の空           武藤光晴


     夏至の土間筵被せて壺干せり           梅田 葵


     看護婦に血を採られゐる夏至の朝         山下帰一


     いつまでも夏至の夕日の赤きかな         渋谷さと江


     夏至の海太陽ゆらぎつつ沈む           高橋孝子



          



     夏至の日の仲見世ぺたぺた歩きけり        吉田鴻司


     山の木の葉音さやかや夏至の雨          鷲谷七菜子


     地下鉄にかすかな峠ありて夏至          正木ゆう子


     夏至の日の家居いづくに立つも風         岡本 眸


     渦で了る女醤の巻尺夏至時刻           渋谷 道


     夏至の月草の匂ひの水流れ            市ヶ谷洋子


     白衣きて禰宜にもなるや夏至の杣         飯田蛇笏




          

          ご自分と大切なご家族を守るために三密を忘れなく
        密閉、密集、密接を避けましょう手洗い、うがい、マスクの着用 を日常に
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